社長ブログ

社長、with コロナを生きる⑪

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。今から約10年前、『もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら: 2009年初版)』が国民的ベストセラーになりました。ドラッカー曰く、マネジャーに必要な資質は『真摯さ』だそうです。『狡猾さ』ではありません。

日本人はやっぱり野球が大好き。3ヶ月遅れ、当初 無観客でスタートした日本のプロ野球、7月10日(金)には5,000人、9月18日(金)以降も入場制限を徐々に緩和しながら、いよいよ終盤戦を迎えました。今年、セ・リーグは『クライマックスシリーズ』を行わず、11月21日(土)に日本シリーズが開幕予定。その後のシーズンオフには、with コロナ初めての年俸交渉が待っている訳ですが、プロスポーツの経営環境も厳しい中で、選手の皆さんが どのような要求をするかにも、世間の注目が集まりそうです。

思い返すと『りそなショック』の翌年、2004年には『プロ野球再編問題』も有りました。2002年のW杯サッカー日韓大会の成功以来、Jリーグに人気を奪われつつあった日本野球界。オリックスと近鉄の球団合併構想とダイエー本体の再建問題を皮切りに、球界再編の流れは『10球団 1リーグ制』へと一気に加速。この動きに対し反発した選手会がストライキを起こすと、ライブドア・楽天・ソフトバンク等、時代の寵児とも言えるIT系新興企業が次々と球団買収に名乗りを上げ 、結果『12球団 2リーグ制』は維持されることとなりました。

“球団オーナー” という魔力に取り憑かれたかのように、日本のIT長者たちが経営権獲得に奔走していた2004年、 米国では Facebookが産声を上げ Googleが IPO(株式公開)を実現するなど、後に世界を席巻するテック・ジャイアントが 頭角を現し始めていました。2007年に iPhoneが登場して以降、日本で独自進化を遂げた『 ガラケー(ガラパゴス携帯)』がスケープゴートにされることが多かったですが、『プロ野球再編問題』こそが実は、日本のデジタル化が世界から取り残される上での、”歴史的分岐点” だったのかも知れません。

 

社長、with コロナを生きる⑩

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。学生時代には殆ど勉強しなかった私ですが、政治学科を卒業していますから、ニッコロ・マキャヴェリという名前くらいは知っています。15~16世紀の商業都市国家フィレンツェの外交官で、その外交経験と歴史書で学んだ知識から、理想的な為政者はどうあるべきかを論じる『君主論』を記した政治思想家です。『君主論』は “権謀術数の書” として語られることが多いですが、 時流を読んで自らを変えたり、時の恵みを静かに待ちながらもチャンスを逃さず行動することの大切さを説くなど、不安定な with コロナの時代を生きるには、参考になる一冊と言えるかも知れません。

『君主論』 は道徳を排した実践の書で、マキャヴェリは その中で君主に必要な資質の一つとして、”キツネの知恵 ” つまり『狡猾さ』を挙げています。 為政者は勇猛果敢なだけでなく、冷酷な策略家でもあるべきという訳です。 そんなマキャヴェリの政治思想を信奉する人を 『マキャヴェリスト』と呼びますが、 日本の政治家の中で私が真っ先に思い浮かべるのは、 目的の為には手段を選ばず 明治維新を成し遂げ、最後は盟友西郷隆盛とも決別した大久保利通あたりでしょうか。財政難の明治政府に於いて、私財を投げ打ってまで国家に尽くしながらも、士族の恨みを買って紀尾井坂で殺されてしまいました。

ここに来てマキャヴェリが改めて注目を集めているのは、菅義偉首相が好きな作家・政治思想家として名前を挙げたからですが、それを明かしてしまった時点で、 “キツネの知恵” が求められる『マキャヴェリズム』の実践としては、既に何かが間違っている気がします(苦笑)。群雄割拠の中世ヨーロッパとは異なり、民主国家の日本に於いて為政者が読むべき時流は “世論” 、ましてや with コロナの今、 全国民が 安倍長期政権の後継内閣に期待しているのは、感染防止対策と経済活動の両立です。 ここに来て急速に高まった、弱者切り捨てに対する警戒感を払拭できなければ、他に選択肢のない総選挙は乗り切れたとしても、2021年の総裁選で地方党員の信認は得られないと思います。

 

社長、with コロナを生きる⑨

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。 2003年 4月にペイオフが解禁されると、翌月りそなグループに公的資金が注入され、弊社のメインバンクも実質国有化されることとなりました。所謂『りそなショック』です。埼銀時代からお世話になっている我々からすると、不良債権処理を急ぐ小泉・竹中体制の下 “アレンジ” された縁組の結果、貧乏くじを引かされたという格好で、当時、埼玉県民の間には被害者意識が かなり強かったと思います。 それから12年余り、関係各位の皆さまのご努力により2015年 6月に公的資金を完済、 りそなグループは日本の金融業界の先頭を走る存在に生まれ変わりました。2018年11月には、埼玉りそなの前身 『武州銀行』設立から数えて100周年を迎えられ、上尾支店で催された式典には私もご招待頂きました。同じ苦難の時代を戦い抜いた一人として、感慨深いものが有りましたね。

少し話は逸れますが、バブルの後遺症に苦しんでいた弊社にとって、2003年は “しがらみ” を断ち切る上で、非常に重要な合意に達した 1年でもありました。当時、総務・経理の仕事をしていた私は裏方として深く関与していた案件ですし、その意義については充分理解しております。with コロナの今だからこそ、教訓として語り継ぐべきとの気持ちも有りましたが、今回ここに取り上げるのは控えさせて頂きます。いつか適切な機会が訪れたら その際に、お話しさせて頂くことも有るかも知れません。

10月になりました。新型コロナウイルスを相手に こみ上げる怒りは やり場を失い、どんよりとした空気が世の中を覆い始めています。景気低迷が続く中、中小・零細企業が最後に頼りにするのは、地域に根差した地方銀行や信金・信組です。 そして残念ながら、数年を待たずして不良債権が問題となる可能性も高いです。『貸し渋り・貸しはがし 』、最近の若手行員の皆さんは、平成版『半沢直樹』の世界を実際に経験したことが有りません。人道に悖るような過ちを繰り返さない為に、予防的に資本注入・地銀再編を推し進めるのだとするならば、それは悪くはない選択肢なのかも知れません。

※表現を一部変更しました。

 

社長、with コロナを生きる⑧

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。9月16日(水)に菅新政権が発足、”デジタル庁” 構想を掲げるなど、行政サービスの分野でも『デジタル化』の流れが加速しそうです。日本の産業界も期待する『デジタル化』、つい華やかなソフトウェア産業に目を奪われがちですが、ハードウエアの技術革新なしに その進展は語れません。例えばスマホや5G通信網に必須の半導体、その長くて複雑な生産工程には様々な最先端技術が投入され、どれ一つを欠いても精巧な半導体を作り上げることは出来ません。2019年 7月に半導体原材料  3種類の対韓輸出管理が厳格化され、日韓の大問題に発展したのは ご存知の通り。2020年 9月15日(金)、今度は米国が安全保障上の観点から、米国製の製造装置を使用して作った半導体の中国通信機器大手H社向け輸出を禁止。米国製装置は市場の52%を占有することから、日本・台湾・韓国の半導体サプライヤーの業績にも、今後 大きな影響を及ぼしそうです。

半導体を生産する場合は、高度な製造装置を専門の装置メーカーから購入することが多いようですが、業界によっては自社向けに自ら装置の設計開発を行う会社も有りますし、装置メーカーから購入する場合でも、カタログに記載されている量産品を買うのでなく、一部を特殊な仕様に改造して納めさせる会社も有ります。コスト・耐用年数・機能性・扱い易さなど、何に優先順位を置いてどのような装置を選択するかは、会社の個性が強く現れる部分。どちらにしても、モノづくりに於いて製造装置は非常に重要な要素となります。そんな大切な道具が突然使えなくなったら、皆さんどうしますか?with コロナの今、そんなリスクも考慮しておかなければならないかも知れません。

先月、バブル崩壊以降 連鎖倒産等による影響が深刻になって来たのは、1990年代後半になってからだとお話ししました(勿論、1997年にはアジア通貨危機が有ったように、全てバブルが原因だと言う気は毛頭 有りません)。膨らむ不良債権や伸び悩む売り上げに、弊社も厳しい舵取りを強いられていた 2001年11月、重切削用の大型NC旋盤で定評のあった国内工作機械メーカーD社が、86億円の負債を抱え民事再生手続きを開始したとの一報が届きます。大口径・長尺ワークを高精度に削るには、剛性が高く汎用旋盤の操作性を残したD社のフラットタイプが最適で、大型の設計製作品をお客さまに提供する弊社には欠かせない製造装置。当時 D社の皆さんも再建に向けて痛みを伴う改革を断行なさっていたようですが、最後に納品された一台は主要部材を海外製に置き換えたとかで、その著しく低下した加工精度は我々の実用に耐えません。結果、残された蝋燭の灯火が消えてしまう前に代替生産設備を探さなければならないという、弊社にとっては経営の根幹を揺るがしかねない一大事となったんです。量産機を得意とする他メーカー製のフラット型NC旋盤や、大型正面旋盤のベッドをストレッチしたような特注品を導入するなど、数年間にわたり試行錯誤を繰り返したものの  やはり “帯に短し襷に長し” 。その後の景気回復と関係各位の必死の御努力によりD社の業績も向上、品質も改善したから良かったものの、結局 私たちは、D社製に相当する加工精度・操作性を兼ね備えた代替装置を見つけることが出来ませんでした。

「刃物台と往復台に送りハンドルが付いていないと、扱いづらくて仕事にならない」との意見は、当時弊社にも多かった職人気質の従業員特有の我儘だったと思いますが(苦笑)、油圧に頼らず重量物をチャックに咥える技術が熟練を要することは間違いなく、モノづくりは生産設備さえ整えば何とかなるという類の物でもありません。これは恐らくデジタル技術の分野でも然りで、with コロナという危機の時代、ソフトウェアにハードウェアそして人材に於いて、産業競争力を維持・発展させる努力を怠れば、日本という国は間違いなく滅びます。

社長、with コロナを生きる⑦

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。世界全体の公的債務が膨張、日米欧など先進27か国では、第二次世界大戦後のピーク(1946年:対GDP比 124.1%)も超える見通しです。2008年の金融危機以降、中央銀行が大量の通貨を供給し国の借金を肩代わりする形が常態化、コロナ禍で歯止めが利かなくなる中、IMF(国際通貨基金)は “だんまり” を決め込んでいるようですが、このままで本当に大丈夫なのか心配になってきます。

昔々、各国が通貨を発行できる量は、その国の『金(gold)』や『銀(silver)』の保有量によって決まっていたなんて話をしたら、今の若者は驚くかも知れません。産業革命で圧倒的な輸出競争力を手にしたイギリス、広大な植民地で手に入れた『金』を通貨価値の基準とし、1816年に『金』1オンス=約 3.17ポンドの固定相場で紙幣の発行を始めます。有史以来の採掘量が 50mプール約 4杯分程度しかない『金』の希少価値は高く、『金』との交換レートが保証されている紙幣は安心感が違うという事で、ヨーロッパの各国はこの動きに追随しました。これを『金本位制』と呼びます。このイギリスのポンドを中心とする『金本位制』は、第一次世界大戦前の 1914年まで続きました。

1929年、ウォール街の株価暴落から始まった世界恐慌で、多くの国々が『金本位制』から離脱。経済の行き詰まりにより国益を優先する各国の関係は悪化し、第二次世界大戦に突入して行きます。戦争の終結するちょっと前の 1944年、アメリカのブレトンウッズという町で国際通貨協定が結ばれ、IMFが創設されます。この際、強力な経済力で戦争中も『金本位制』を維持し、世界一の『金』保有量を誇っていたアメリカの通貨、米ドルを基軸通貨として各国との交換レートを上下 1%に以内に固定、米ドルを介して間接的に『金』に結び付ける、新たな『金本位制』が確立されました。交換レートは、1オンス=35ドル。この時出来た通貨体制を、町の名前にちなんで『ブレトンウッズ体制』、或いは『金』との交換レートを保証されていた米ドルを機軸通貨とすることから、『金・ドル本位制』と言います。

第二次大戦の傷も癒え世界経済が復興に向かうと、この『金・ドル本位制』に無理が生じてきます。そもそも『金』の埋蔵量・産出量は限られていますから、急速に回復する世界経済全体に流通する通貨の量に対し必要な、『金』の絶対量が足りなくなってきたんです。また、高い交換レートで為替を固定して貿易赤字に苦しむアメリカは、ベトナム戦争の多額の戦費で財政も逼迫。「カネが無いなら刷っちまえ!」とばかりに、『金』の裏打ちの無い大量の米ドル紙幣を発行し、1971年 8月15日(日)、当時のニクソン大統領が『金』と米ドルとの交換停止を一方的に表明します。困った国際社会はそれでも『金』の信用力にしがみ付こうと 1971年12月に先進 10ヶ国(G10)蔵相会議を開催、交換レートを 1オンス=38ドルに切り下げて何とか『金・ドル本位制』の維持を図りましたが、結局 長くは続かず、翌年 1972年 6月のイギリス離脱を機に『金・ドル本位制』は終焉を迎えるのでありました。

現在の『管理通貨制度』に於いては、その国の経済の信頼性によって貨幣の価値が決まります。日本はコロナ以前の段階で既に対GDP比200%超の公的債務を抱え、2020年3月末時点で44.2%と その多くを日本銀行が引き受けています。 世界最大の純債権国・日本(2019年の対外純資産: 364兆5,250億円)だからOKでも、他の国が同じことをして上手く行くとは限りません。通貨暴落にハイパーインフレ、混乱が生じてからでは困るので、IMFでもG20でも構いませんから、with コロナで許容される金融・財政に関する国際的ルール作りに、速やかに着手して頂きたいと思います。

 

社長、with コロナを生きる⑥

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。告白させて下さい。私は生まれてこの方、インフルエンザに罹ったことがありません。正確に申し上げると、インフルエンザの迅速検査キットで陽性になった試しがなく、咳・喉の痛みや高熱、節々の痛み等の明らかにインフルエンザ感染を疑わせる症状が出ていても、『タミフル』とか『リレンザ』等の治療薬を処方してもらったことがないんです。『ラピアクタ』『イナビル』に続き、一度飲めば翌日には熱が下がると評判の新薬『ゾフルーザ』が登場した際には、流石に羨ましくて、2回目の検査をお願いしたところ やっぱり陰性で、5日分の漢方薬を頂いて病院を後にしたこともあります。

インフルエンザの治療方法が画期的に向上したのは 、『タミフル』が 2001年に保険適用を受け、1998年頃から普及し始めた抗原検査(=迅速検査キット)が、診断・薬の処方の基準として使われるようになった頃でしょうか。私の 50年余年の人生から見ると結構 最近(?)の出来事で、それまでは予防が中心。一旦インフルエンザに罹ると、水枕や濡れタオルで頭を冷やし熱が下がるまで兎に角 自宅でゆっくり休むくらいしか出来る事は有りませんでした。1957年の『アジアかぜ(H2N2亜型インフルエンザ)』大流行をきっかけに、日本では予防接種が義務化され(1977~1987年)、当時小中学生だった私は先生に指示されるまま教室の列に並んで、皆で仲良く集団接種を受けたものです。残念ながら、1980~1986年に前橋医師会によって行われた比較データによると、児童のワクチン接種率 90%以上の高崎市と、効果がないとして接種を中止した前橋市とでインフルエンザの感染を調査した結果、インフルエンザに掛かる確率は どちらも ほぼ同じだったそうです。「一般的に、呼吸器ウイルス感染症に対するワクチンで、感染予防効果を十分に有するものが実用化された例はなかった」と、8月21日(金)の分科会で尾身会長があっさりと認めていらっしゃるように、新型コロナのワクチンの有効性についてもインフルエンザ同様、疑問符が残っているようですね。

では安全性についてはどうなのか?動物コロナウイルスの場合で見てみると、犬や豚向けワクチンの開発には成功している一方で、猫や馬向けについては上手く行っていません。特に猫の場合は、ワクチンを接種すると かなり高い確率で深刻なADE(抗体依存性免疫増強)を引き起こすことが知られて、猫用としては抗体を誘導しないタイプの開発が今 進められています。新型コロナのワクチンに関して人間の場合には どんな副反応が出るかというと、ワクチン開発は10~15年という長い年月を掛けて安全性を確認するのが普通だそうですから、現段階では よく分からないというのが現実でしょう。副反応を抑えるよう人工的にデザインした抗体、『モノクローナル抗体』を直接投与して予防薬・治療薬として使う研究も進んでいるようですが、かなり高額なものになりそうです。最近の予防接種には『アジュバント』という細胞性免疫を高める物質が添加されているとのことなので、私としてはワクチンの安全性が確認されるまで当面の間は、その補強剤だけを注射して貰いたいくらいです(苦笑)。

最後に、アフリカ東部のウガンダ出身の知り合いから聞いた話。謎の薬草を処方する呪術医が今も幅を利かせているウガンダですが、蚊が媒介する世界最悪の感染症で毎年 2億人が感染し 40万人が亡くなると言われる『マラリア』、こちらも有効なワクチンは依然開発されていませんが、安くて良く効く薬が近くのドラッグストアで誰でも簡単に購入出来るようになって以降、最早 恐れるべき病気ではなくなったんだそうです。with コロナの今、どうせ同じ大金を投じるなら、そんな夢の治療薬の開発に力を注いで頂きたかったです。

※誤りを修正しました。【誤】長い年月が掛かけて→【正】長い年月を掛けて

※誤りを修正しました。【誤】抗体性免疫増強→【正】抗体依存性免疫増強

社長、with コロナを生きる⑤

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。レジ袋の有料化がスタートして 2ヶ月が経過、『エコバッグ』によるお買い物が随分と浸透したせいか、有料化の例外とされたバイオマス素材配合のレジ袋を目にする機会は余り多くはありません。環境に優しいとされる『バイオプラスチック』には 、植物由来の成分(バイオマス素材)を原料に製造される『バイオマスプラスチック』と、微生物によって分解可能な『生分解性プラスチック』の 2種類があって、店頭で無料配布されているレジ袋は 25%以上のバイオマス素材を含み、国から『バイオマスプラ』の認証を受けたものが中心です。

『バイオマスプラスチック』は植物の光合成の仕組み等を利用して、大気中の二酸化炭素をプラスチック内に封じ込め、地球温暖化を防止することを主な目的としています。トウモロコシ・キャッサバ・サトウキビ・さとう大根の糖分や、パームヤシ・大豆・唐胡麻の油脂、或いは稲わら・ヤシ殻などの植物性のバイオマス資源を主な原料とし、その成分から発酵技術・化学変換技術を使って作られます。一般的に製造コストは高く、2016年現在、日本での使用量は全体の約 0.4%に留まっています。また “バイオ” と付いているからと言って、土に埋めれば自然に帰るという訳ではありません。ただ一般のプラスチック同様に焼却処理した場合でも、植物由来のCO2は再び植物に吸収されるので排出量にカウントしないのが、『カーボンニュートラル』という考え方ですね。

一方の『生分解性プラスチック』は『グリーンプラ』と呼ばれ、プラごみによる環境汚染の防止を主な目的としています。微生物によって分解されるモノであれば、原材料がバイオマス資源である必要はなく、こちらもレジ袋有料化の例外となっています。石油由来の原料から化学的に合成可能な『グリーンプラ』は、分子レベルでの設計の自由度が高く、繊維化して各種織物・不織布・網・ロープ・紐・ネットなどを作ったり、インフレーションフィルム・押出シート・延伸フィルムなどを製造、或いは紙のラミネートやコーティングに使用したりすることも可能。また、射出成形・ブロー成形・発泡成形、或いはシートからの真空成形・圧空成形などによって、様々な成形品を製造することが出来るそうです。

“モノづくり” をする側の立場から言わせて頂きますと、使い捨てプラスチックごみが世界的な環境問題となる中、その削減に努力する事に異論は無いとして、買い物袋の主流が『エコバッグ』になるのか、『バイオマスプラ』なのか『グリーンプラ』なのか、或いは紙袋になるのか、紙袋であれば内側にどのようなコーティングを施すのか、デザイン上の印刷やラミネートはどうするのか、はたまた欧米諸国同様、新型コロナ感染症対策の一環としてレジ袋の無料配布に回帰するのか、兎に角、世の中の趨勢が決まってこないと、私たちとしては何も身動きが取れません。製造設備は、数年~数十年に一回の大きな買い物ですから、選定ミスは絶対に許されません。実際に印刷・フィルム製造業界では、次の設備投資を躊躇されている企業さまが多いそうで、景気低迷の一因となっているんですよ。

なお、経産省のホームページを覗いてみると、フィルムの厚さが 50μm以上のレジ袋(ヒトの髪の毛の太さが 50~100μm)も、有料化の例外とされていました。繰り返し利用することが可能だからだそうです。これは知りませんでした(苦笑)。

最後に、私 個人の中にどうしても残る大きな疑問について一言。地球温暖化のみならず、人口爆発・食糧難と地球の未来は問題山積。そこに新たにwith コロナも加わった今、広大な作付面積を利用して せっかく栽培したトウモロコシ等の穀物を『バイオプラスチック』の原材料として使うよりも、人間の食用に回した方がよっぽどましだと考える私は、間違っているでしょうか?

 

 

社長、with コロナを生きる④

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。来年の夏は各地とも、『平年並み』の気候に落ち着くかも知れません。2021年は 10年に一回、気象データの統計期間の更新時期に当たり、2030年迄の  10年間は 1991~2020年の 30年間の平均値が比較の基準となり、10歳若返った『平年並み』の方から、私たちの感覚にグッと近づいて来る筈です。暑い夏になることは変わりないでしょうけどね(苦笑)。9月も近づき、台風が気になるシーズンになって来ました。2019年10月31日(木)の日経新聞一面記事によれば、全国の『工業団地 580ヵ所浸水の恐れ』、埼玉県に至っては工業団地のほとんど全てが、浸水想定区域内に在ると指摘されていました。弊社の在る伊奈北部工業団地は、荒川や利根川などの大きな河川からは随分と離れた場所に在りますが、本当に安全ではないのか? with コロナの今、水害のリスクについて もう一度確認をしておこうと思います。

弊社の浸水リスクに触れる前に。皆さんは、埼玉県鴻巣市の名物の『川幅うどん』をご存知でしょうか?市内を流れる荒川の川幅が、日本一広いことから発案されたご当地グルメです。大宮からJR高崎線下りに乗って 6つ目、鴻巣駅の少し南側を走る、県道 27号東松山鴻巣線、そこに架かる『御成橋』付近の川幅は 2,537m。そうは言っても、この川幅一杯の水が常時流れているという訳ではありません。堤防から堤防までの距離に余裕があり、普段は水田・麦畑や運動場として使われている河川敷が、いざという時には遊水池のような役割を果たす訳ですね。上流に在るゴルフ場を越えて、同じくJR高崎線の吹上駅の手前で通りを左に折れると、今度は広大なコスモス畑が川沿いに広がります。例年ですと、10月の中旬から 11月初めに掛け、ピンクや赤・白・黄、約 1,200万本のコスモスが楽しめるのですが、昨年は台風 19号の影響でこの一帯も水没、コスモスも全て倒れて、駄目になってしまったそうです。

吹上駅から更に上流に遡り、行田駅を越えた所に『久下橋』という橋が架かっています。徳川家康の命により、1629年に武蔵国小室藩初代藩主の伊奈忠次が、荒川を締め切ったのがこの熊谷市久下の付近。以前 社長ブログでも取り上げましたが、今の荒川の流れは人為的に入間川に付け替えたもので、元々の荒川の自然な流れは この辺りから現在の元荒川の川筋を通り、弊社の隣の綾瀬川に注いでいたんです。さて、ここからが本題。水は低いところ低いところへ流れます。伊奈町の『洪水ハザードマップ』によれば、万が一、万が一にも熊谷市久下の付近、河口から 69.6~74.0kmで荒川の土手が決壊すると、その水は自然の摂理に従って、元荒川・綾瀬川へと流れ込み、約 12時間後に伊奈町に到達。最悪の場合、伊奈北部工業団地は 1.0~2.0m浸水すると想定されています。こうなると、土嚢を積む程度の自助努力では、如何ともし難いでしょう。”熊谷市久下”、この地名については、伊奈町に本社の在る私たちには、覚えておく価値がありそうです。

伊奈町の『洪水ハザードマップ』は同時に、弊社から20km以上も離れた熊谷市久下付近で荒川の堤防が決壊(≠氾濫・溢水)しない限り、弊社に洪水の被害が及ぶことはないことを示しています。仮に他の個所で堤防決壊・氾濫・溢水が起こったとしても、『大宮台地』と呼ばれる高台が水の流れの行く手を阻んでくれるので、伊奈町には何の影響も及ばないんです。殆ど有り得ない被害想定を過度に心配する必要はなく、2019年の台風 19号の際、鴻巣から吹上付近の広い川幅が遊水池として十分に機能してくれたことを加味すれば、少なくとも伊奈北部工業団地に関して言えば、水害に弱い工業団地には該当しないのではないかと考えています。

鴻巣市商工観光課の担当者様に電話確認したところ、新型コロナの影響でコスモスの種蒔きは行っておらず、10月のフェスティバルは今年も “お預け” とのことでした、残念(涙)。安全性および有効性の両面で理想的なワクチンが開発される保証のない中、適度な運動とバランスの取れた食事、充分な睡眠そして過度にストレスを溜めない事、健康的な生活習慣こそ最良の “ワクチン” です。自己免疫力を高め、2021年秋には満開のコスモスを楽しめると信じて、with コロナの時代を生き抜いて行こうと思います。

【関連記事】↓

社長、荒川を語る①~④ http://www.sgk-p.co.jp/blog/date/2019/07/

※分かり難い表現が有りましたので、修正しました。

社長、with コロナを生きる③

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。いつもと違う特別な夏休みも終わりました。帰省を控えた方も多そうですが、国民一人 10万円の『特別定額給付金』のおかげで懐具合も良いのでしょう、海辺等の観光地を訪れる人々の表情に悲壮感は見られません。そりゃそうです。一時 17,000円を割り込んだ日経平均は 4月30日(木)には 20,000円台を回復、7月末に発表された2020年6月の失業率も 2.8%(季節調整値)と低い水準に抑えられています。2020年4月の自殺者数(暫定値)が前年同月比 19.7%減の 1,457人と報じられると、「テレワークによる対人ストレス軽減が理由」と真しやかに囁かれたくらいで、緊急事態宣言が再発出されれば、もう 10万円配られるのではないかと期待する若者が少なからず居ると思うと、正直、日本の将来について心配にならざるを得ません(苦笑)。

もっとも、私も彼らに何か言えた義理ではありません。日本は 1990年年代初頭にバブルの崩壊を経験、その後、長引くデフレ経済に苦しみました。株価がピークを打ったのは 1989年末、土地価格の下落が始まったのが 1991年です。当時 大学生だった私はバブルが弾けたなどつゆ知らず、アルバイトで稼いだお金は全て趣味につぎ込んでおりましたし、社会人になってからも その消費性向は暫く変わらず、1995年に阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件を経験した後も、多くの若者がバブルの “残り香” を楽しんでいたという記憶が有ります。人々がバブル崩壊の深刻さに本当の意味で気付いたのは、大手金融機関(山一・拓銀・長銀)が連鎖的に経営破綻した 1997~1998年頃。1991年に 2.1%だった失業率は 1997年に 3.4%、1998年には 4.1%へと悪化、日本の自殺者数は 1978年の統計開始以来初めて 3万人を上回り(前年比 34.7%増)、経済生活問題が原因の自殺者は 6,058人を数えました。2002年に 5.4%の失業率を記録すると、2003年には自殺者数は過去最多の 34,427人を記録。その数が 3万人を下回るようになったのは景気回復の本格化した2012年以降で、失業率が 2.4%まで改善した2019年には、20,169人と過去最少となっています。

弊社の数字で見てみると、バブル崩壊以降 1994年12月の決算までの 4年間に経営破綻した取引先が 3社、金額にして 17,587千円の貸し倒れだったのに対し、1997~1998年の2年間には、製鉄関連特約店や段ボール製造装置メーカー等 新たに不良債権化した案件が 4社、計 27,656千円の焦げ付きが発生し、『債権償却特別勘定(回収の見込めない債権の 50%損金算入を認める制度)』の繰入額は、最大で △18,000千円にまで膨らみました。弊社の売上高がバブル後最悪の水準(1,416,669千円)に落ち込んだは、その翌年の 1999年12月期のことです。1997年4月に日産生命保険(相)、2000年10月には千代田生命保険(相)と、弊社とお付き合いのあった金融機関 2社の経営破綻も、バブルが弾けて暫く経ってからのことでした。

今の株価に失業率、財布の中身までが “ハリボテ” です。これからの2~3年間 with コロナの時代を何とか切り抜けたとしても、その先に待っているのが “いばらの道” であることは経験上 知っていますし、生き残りを賭けた長く厳しい闘いへの覚悟は出来ているつもりです。むしろ私が恐れているのは、コロナショックを機に『パラダイムシフト』と称して現在の基本的価値観をひっくり返そうとする、得体の知れない勢力の存在の方ですね。リーマンショックですら大人の世界で起こった他人事、異次元の金融緩和が当たり前の若者たちの眼に、果たして 今の世の中はどのように映っているのでしょうか?とても興味深いところです。

 

社長、with コロナを生きる②

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。大企業ではやっていて当たり前のことでも、弊社のような中小企業では実施出来ていないことって多いです。例えば弊社の場合、正門前に守衛さんが張り付いている訳ではないすから、入構管理は手薄でした。弊社で入構時のマスク着用を “義務化” したのは 4月11日(土)。その後、AI体温測定顔認証端末とハンディ型サーマルカメラを導入、7月1日(水)から運用をスタートし、従業員が毎日の検温結果と体調の変化について『検温シート』に記録するだけでなく、ご来訪のお客さまにも体温と万が一の際の連絡先を『入構申請書』に記載して頂き、入構管理を徹底することが出来ました。遅ればせながら 8月3日(月)からは、弊社従業員がお客さまや協力工場をお伺いした際の記録も『訪問履歴レポート』として残し、いざという時にも保健当局に速やかに情報提供出来るよう、体制の充実を図っています。with コロナを変化の切っ掛けとして、前向きに捉えるのも悪くないかも知れません。

さて、コロナ禍の外出自粛・移動制限によって、売り上げが蒸発してしまったと言われる観光・外食・エンタメ業界の受けた打撃は計り知れないことでしょう。救済策の第一弾として『Go To トラベル』は 7月22日(水)からスタートしましたが、感染確認状況を見る限り、続く『Go To イート』『Go To イベント』が いつ頃始められるかは、”神のみぞ知る” という状況が続いています。東洋経済ONLINEによれば、8月9日(日)現在の日本の『実行再生産数』は『Rt=1.09』と、7月4日(土)の『Rt=1.86』から随分下がって来ました。因みにドイツが叡智を結集して導き出した、感染抑制と経済回復の黄金比をもたらす『実行再生産数』は、『Rt=0.75』だそうです。

3月13日(金)以降、一切 外食をしていない私が口出しするのも何ですが、ソーシャルディスタンスを確保する為に空席を残していては採算ベースに乗る筈もなく、外食産業復活には満席にしても安心・安全を確保出来るような抜本的な対策が必要ではないかと感じます。総務課長時代の2006~2007年、労働基準監督署からの是正勧告を受け、労働衛生の改善に携わった私の感覚では、油煙や臭いを強力に吸引する装置をテーブル毎に備える焼肉屋は、衛生対策で安心感 二重丸。以前お話しましたが、有機溶剤や特定化学物質から働く人の健康を守る為、工場では設置を義務付けられている局所排気装置、最近はかなり軽量・コンパクト化が進んでいて、価格的にもリーズナブルな物も出て来たようです。『上引きフード』なんてデザイン的にもお洒落ですし、『マイクロ飛沫』を強制排気する設備として国が助成金を出してでも、これを外食産業に於ける、with コロナのスタンダードにすべきなんじゃないかと思います。製造業やダクトの施工業者さんにもメリットが出ますしね(笑)。

ライブハウスや小劇場がクラスター感染の温床となってしまった、エンタメ産業も厳しいですね。密閉空間での大声はNGです。私が ふと思い出したのは北京オリンピック開会式で、あの時、国歌斉唱で歌い手を務めた少女は『口パク』でした。別人の歌声だったことで非難を浴びましたが、事前に収録した音声を流すこと自体は、咎められることではないですし、感染リスクを減らせるなら、今は それも一つの選択肢なんじゃないかと思います。思い切って お客さんの歓声や拍手、場合によっては彼らの掛け声でも歌声でも台詞でも、何でも事前に録音させてもらう。編集後、演出の一部として本番で流す。生の臨場感が薄れても、その分 一緒に作り上げた感 半端なくMaxなら、お客さんは大満足なんじゃないでしょうか(笑)。或いは、新鮮な空気を求めて、屋外でやるのも悪くないです。色々と調べてみるとピンからキリまで、日本各地には公共・民間を含め、”趣” のある野外ステージ(劇場・音楽堂)の類いが、沢山有ることが分かります。ライブハウスや小劇場のオーナーに無償提供して、お客さんの移動・宿泊費用は半分補助。今こそ回転率の低いハコモノの、有効活用を検討してみては如何でしょうか?

前回のタブレット端末、今回のAI体温測定顔認証端末とハンディ型サーマルカメラも然り、1台に一つ、液晶モニターとリチウムイオン電池が組み込まれている訳ですから、弊社も関連の深い高機能フィルム業界からすれば “特需” とも言えますが、現実を直視すれば、製造業の将来も決して平坦な道程ではありません。米中の対立は深まる一方、日韓関係も悪化の一途を辿っています。活気ある世界経済を いつか取り戻せると信じて、with コロナの時代を生き抜いて行こうと思います。