社長ブログ

社長、五輪に思いを馳せる④

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。今年の2月下旬にトイレットペーパーが不足するとのデマが流れ、無いと困りますから、弊社の総務部でも急遽 少し多めに調達したそうです(苦笑)。ご存知の通り、これには二つの誤解があったようで、先ず第一に、日本で使用されるトイレットペーパーの殆どは日本国内で生産されていて、中国製ではありません。第二に、マスクの原材料は『不織布』で、マスクの需要が拡大してもトイレットペーパーの生産には影響が有りません。『不織布』についてネットで調べてみると、各不織布メーカーさんが かなり詳しく説明してくれていますので、ご紹介しようと思います。前回お約束した『縄文人』の件は、次回お話しさせて下さい。

まず、『不織布』とは何かと言うと、漢字で見ると分かり易いです。繊維を織らずに絡み合わせたシート状の物を、『不織布』と呼びます。基本的には、繊維状に加工できるものであれば、どんな素材からでも『不織布』は作れるそうで、主に化学繊維用の樹脂ペレットや、PETボトルやフィルム・樹脂製品などのリサイクル材料から作られています。 製造には、①繊維をランダムに重ねて『ウェブ(又は、フリース)』を作る工程と、②その『ウェブ』をシート状に結合させる工程の二つがありますが、『不織布』の用途や不織布メーカーさんによって、幾つかの異なる製造方法を採用なさっているようですね。その幾つかの工程で、私たちのロータリージョイントが、製造装置の配管部品として使用されています。例えば、A)『湿式』という方法で『ウェブ』を作る (水中に漂う短い繊維を漉し取る、和紙を漉くようなイメージでしょうか)場合は、湿った『ウェブ』を乾燥する工程で、B)『サーマルボンド法』という方法で『ウェブ』をシート状に結合させる場合は、熱を加えて溶着加工する工程で、加熱用のロータリージョイントが、そして、C)一旦加熱された『不織布』を冷やすため、巻き取る工程前には恐らく、冷却用のロータリージョイントが使用されていると思います。この業界に身を置いて長いですが、正確には把握していません。済みません(苦笑)。

『不織布』は様々な用途で使われています。コロナ禍で改めて注目の花粉やPM2.5、ウイルスをカットする目的で使われるマスク、先日お話ししたアルコール消毒にも便利なウェットティッシュ、そして医療用防護服も然り、他にも紙おむつや生理用品が『不織布』で作られています。更には、自動車部材、土木・建築資材、工業用シート、農業用シート、コーヒーのドリップ用フィルターや食品用トレーマットなどの生活資材等の様々な分野に応用され、リチウムイオン電池のセパレーターフィルム、人工透析や今注目のECMO(体外式膜型人工肺)用の血液フィルター等、多孔性の機能性フィルムも広い意味では『不織布』に分類されるそうですから、これはもう『不織布』に足を向けては眠れません。ジョイント・メーカーは弊社だけではありませんので、医療用の『不織布』製造ラインに、私たちの製品をどれくらいご採用頂いているかは よく分かりませんが、このような形で社会貢献できていることを誇りに感じますし、今後もジョイント業界が一丸となって、『不織布』に不可欠な生産材の安定供給に全力を傾けたいと思います。

「岩井社長、ところでオリンピックとは何の関係が有るのですか?」と突っ込まれそうです(苦笑)。スポーツ用品によく使われる『合成皮革』、こちらも大別すると『不織布』に分けられます。バスケットボールのボール等、最近は本革製にも負けない質感のものも開発されているようです。2021年のバスケ会場は、さいたまスーパーアリーナ。八村塁選手らの活躍に期待しましょう。という訳で、今日は2020年4月の朝礼用に用意して、お蔵入りしたネタをご紹介致しました。もし共感頂けるようであれば、SNSの投稿に『いいね』下さい(笑)。