社長ブログ

社長、2022年をどう生きる⑧

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。天然ガスの40%以上をロシアに依存するヨーロッパでは、エネルギー安全保障の観点から戦略的にLNG受入設備を増強、網の目のように張り巡らされたパイプラインで各国に供給する体制が整えられており、ドイツには天然ガスを地下に圧入して貯蔵する施設まで存在するそうです。唯一足りないのがLNGを海上輸送する能力で、日本が融通を求められたのはタンカー船という事のようですね。私の不勉強で大変失礼を致しました(苦笑)。

日本は どうかと言うと、天然ガスの ほぼ全てを海外からのLNGに依存しており、2019年度で その輸入先は第一位がオーストラリアの39.2%、第二位がマレーシアの13.0%、第三位がカタールの11.2%、ロシアは第四位で8.2%です。同様にほぼ全量を輸入する原油では、2019年度で第一位のサウジアラビアが34.1%、第二位のアラブ首長国連邦が32.7%、第三位のカタールが9.3%、ロシアは第五位で4.8%を占めています。原油と同じく中東に依存していたLPGについては状況が変わっていて、2020年度の第一位はアメリカの67.1%、第二位はカナダの10.1%、第三位はオーストラリアの8.7%、ロシアからの輸入は無いようです。オーストラリアが61.8%とシェア断トツの石炭では、第二位のインドネシア15.5%に続き、ロシアが9.0%の第三位です(2018年度)。

冬の味覚であるタラバガニやズワイガニも、国内流通量の約30%をロシアからの輸入に頼っています。その輸入冷凍ガニの価格が昨年秋から高騰、水産資源保護を理由にアメリカが漁獲枠を急激に絞ったのが原因で、アメリカがシェールガスの増産を渋らなければ解決すると言われているエネルギー問題と そっくり。世界を振り回しているのが本当は誰なのか、考えさせられてしまいます(苦笑)。

※一部の表現を改めました。

 

社長、2022年をどう生きる⑦

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。北京オリンピックの裏側でウクライナ情勢がヒートアップ。脱石炭・脱原発を進めるドイツでは、ロシア産の天然ガスを巡りエネルギー危機が発生。エネルギー分野での安全保障の重要性を改めて痛感します。

天然ガスの輸入大国である日本は、米国政府の要請により その一部を欧州に融通する方針を固めたようですが、そこで大きな疑問が生じます。日本の輸入する天然ガスの多くはLNG、-162℃まで冷却し液化した天然ガスを、特殊な合金素材で造られた専用タンカー船で輸送します。陸揚げされたLNGは受入基地に保冷貯蔵して需要に応じて再ガス化、パイプライン等で消費地に供給されます。トレーラー型LNGローリーで、液体のまま陸上輸送する場合も有るようです。なお、弊社では取り扱いをしておりませんが、LNGを荷役する(アン)ローディングアームも超低温に対応する材料や構造を採用した特殊なものです。

-90℃~-60℃という低温で、ワクチンを保管するにも一苦労したのを思い出します。ドイツを始め、陸続きのロシアからパイプラインを通して天然ガスの供給を受ける欧州諸国に、LNGを受け入れる上で “質・量” 共に充分な輸送船や港湾施設・社会インフラが、果たして整っているのでしょうか?日米が協調して支援の “ポーズ” を示すのも良いですが、実際の危機対応として機能するかどうか、私には良く分かりません(苦笑)。

 

社長、2022年をどう生きる⑥

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。『オミクロン狂騒曲』とは よく名付けたものだと思います。昨年12月に日本人の約60%が持つHLA-A24という白血球型のもたらす細胞性免疫が、所謂 “ファクターX” であることが明らかになったにも拘わらず、2022年の日本は新型コロナウイルス第六波で大騒ぎです。

スパイク蛋白質を構成するアミノ酸配列の6つの候補から、理化学研究所が特定したのが『QYIペプチド(Q:グルタミン Y:チロシン I:イソロイシンで始まる9つのアミノ酸)』で、4種類の季節性コロナからSARS・MERS・新型コロナに到るまで、全てのコロナウイルスが類似した配列を持ち、HLA-A24に抗原提示されたキラーT細胞は過去の感染記憶を呼び覚まし、交叉免疫反応を示します。

東京大学医科学研究所は以前、この6つの候補のうち別の一つ『NF9ペプチド』に変異が入ったことで、デルタ株は日本人の細胞性免疫を回避すると警鐘を鳴らしましたが、理化学研究所の成果により『QYIペプチド』の配列に大きな変異が入らない限り、デルタ株は勿論のことオミクロン株でもステルスオミクロンでも、”ファクターX” は機能し続けるということが解明された形です。

キラーT細胞の免疫記憶を誘導する白血球型としては、 HLA-A2もコロナウイルスをファジーに認識する力に優れており、HLA-A2とHLA-A24を合わせると人口の約85%に達する日本に於いては、パンデミック当初から『集団免疫』が達成されていたと考えても、強ち間違いではなかったのかも知れません。『集団免疫』の効果はこの程度だとも言えます。

細胞性免疫は感染を防ぐものではなく、新型コロナウイルスが感染した細胞を素早く攻撃・破壊し発症・重症化を予防するものですから、PCR検査をすれば陽性判定を受けるのは当たり前です。ワクチンがIgA抗体を誘導しないなら、感染予防効果を期待出来ないのは最初から分かっていることでした。なお、福島県立医科大学が回復者から採取したIgA抗体はオミクロン株にも有効で、最近マスクやスプレー等の関連商品が福島県のデパートで試験販売されたようですね。

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社長、2022年をどう生きる⑤

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。「欧州でガソリン発電EV充電器が流行」というデマが拡散、ファクトチェック推進団体は火消しに躍起になっているようですね。将来のCCUS技術確立を前提とするならば、排気ガスを垂れ流して走るのがガソリン車・ディーゼル車の問題点。CO2を拡散させずに回収出来る定置型の発電設備なら話は別で、個人的には それ程 筋の悪い情報だとは感じていません(苦笑)。

例えばガソリンスタンドにガソリン発電EV充電器を設置、発電で生じた二酸化炭素は施設内に一旦 貯留した後、ハウス栽培農家向けに供給して再利用するなんてアイディアは如何でしょう?前回お話しした通り、CO2濃度が高い方が植物は良く育ちます。定期的に “汲み取り車” に回収に来てもらっても良いですし、 パイプラインで繋いでも良い。両者を近接して設置すれば、燃焼で生じる排熱もグリーンハウスの温度調節に活用 出来そうです。更に高齢化問題を考慮すれば、石油元売り各社が将来の農業の担い手になるというのも有りです。

エンジン技術や化石燃料で生計を立てる人々の生活を、バッサリと切り捨てて良い筈がありません。世界中の荒野が太陽光パネルで埋め尽くされる前に、CO2を封じ込める食糧増産用のグリーンハウスで埋め尽くしてしまいましょう。

さて話は変わって、溶接ヒュームの回収方法は写真の通り。弊社では溶接作業場に送風機とダクトを新設し、吸い込み口に可動式アームを取り付けました。欠品中の電気部品が届けば工事は完了、労働衛生に配慮した法令順守の職場に生まれ変わります。

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