社長ブログ

社長、2022年をどう生きる⑫

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。征服欲を満たす為・配下への恩賞・南蛮貿易の権益確保・信長の遺言・愛息鶴松を失った悲しみからと諸説 語られますが、豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵(1592年 文禄の役・1597年 慶長の役)した動機は、今以って謎のままです。

近年 注目されているのが、スペイン・ポルトガルのアジア進出に対抗する動きだったとする説。実際に 1557年にマカオがポルトガルの植民地に、1565年にはフィリピンがスペインの植民地となっており、中国本土に魔の手が伸びるのも時間の問題。ならば自ら先に奪ってしまえと言う理屈でしょうが、明国への経由地として戦争に巻き込まれた朝鮮半島の人々にとっては全く迷惑な話です。

さて、KGBでのキャリアは決して順風満帆という訳ではなかったウラジミール・プーチン、白タクの運転手からサンクトペテルブルク市やエリツィン政権での下積み経験まで、自ら “汚れ役” を買って出るなど、権力の座に上り詰めるまでには幾つもの試練を乗り越えて来たようですね。そこに浮かび上がる彼の人物像は、信長に忠誠を尽くして立身出世、足軽の出身ながらも天下を取った秀吉に そっくり。正気の沙汰か狂気の沙汰か?晩年に下した様々な判断が議論の対象になるところも良く似ています。

ウクライナで惨劇が続く中、アメリカではシェールガス・オイル増産の動きが加速。軍事的にもエネルギー市場の分野でも、東方拡大を志向する勢力が存在するのは間違いなさそうです。

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社長、2022年をどう生きる⑪

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。「欧州情勢は複雑怪奇。」1939年 8月、敵対していた筈の独ソが不可侵条約を結ぶに至り、内閣総辞職した平沼騏一郎が残した言葉です。同盟国ナチスドイツに倣い日本もソ連と中立条約を結ぶと、ヒトラーは一転、1941年 6月に不可侵条約を破りソ連への侵攻を開始しました。

さて、2022年の年頭に欧州委員会が方針転換、天然ガスと原発をグリーン認定する姿勢を示した矢先に、その天然ガスと原発を人質にロシアが軍事作戦を進めています。独露を結ぶパイプライン『ノドルストリーム2』の完成を見届けて、一足先に政界を引退したアンゲラ・メルケル氏は、今 何を思っていることでしょう。

旧東ドイツ出身の物理学者で、若き日にはウクライナでロシア語を学んだ前独首相、16年に渡る長期政権に於いてはエネルギー分野ではロシア、経済分野では中国への依存度を高め、安全保障上のパートナー、オバマ米政権に電話を盗聴されていたくらいです。メルケル去った今、プーチン・ロシアの動きは制御不能。敵の敵は味方。昨日の友は今日の敵。積年の恨みを引きずって、21世紀の欧州情勢も実に複雑怪奇なり。

※タイトルに番号を付けました。

 

社長、2022年をどう生きる⑩

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。『ペレストロイカ(再構築)』や『グラスノスチ(情報公開)』を推進するゴルバチョフ書記長の登場は、ソビエト連邦や東欧諸国が自由で開かれた国々に生まれ変わると強く期待させるものでした。一年間の浪人生活を経て1988年 4月、早大の政治経済学部政治学科に入学した私が、第二外国語としてロシア語を選んだのも その為です。

学問は二の次で、履修するのは 所謂 “楽勝科目” と決まっていたバブル時代、第二外国語として人気だったのはドイツ語やフランス語で、発展途上の中国語も少数派。ロシア語を選択するなんて余程の変わり者だったと思います。西側から入ってくる情報だけでなく、日本から最も近くて遠い隣国の人々の頭の中が覗けたら、どれだけ世界が広がるだろうとワクワクしたのを思い出します。

“ハイソ” なイメージに憧れてか、『革新(当時はリベラルとは呼ばなかった)』でもないのに購読するのは朝日新聞と東京新聞、朝と夜は決まってNHKのニュースを視聴するという、慎ましくも夢見がちな家庭で育った影響も有ったのかも知れません(苦笑)。そう言えば今思うと、科学雑誌『Newton』を毎月取っていたのも、私の人生にとっては大きかったですね。

結局はバブルの空気に流され出鱈目な学生時代を送った私に、習得が最も難しい言語の一つと言われるロシア語を身に付けられた筈がありません。40歳から始めた英語は少しだけ喋れるようになりましたが(苦笑)。そんな私が言うのも何ですが、プーチンさん、今のロシアにはガッカリです。力による現状変更は何者にも許されません。

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社長、2022年をどう生きる⑨

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。経済を天然資源の輸出に依存するロシアにとって、北米や中東からのLNGの受入れ準備を進めて来たヨーロッパの姿勢は、受け入れがたいものだったことでしょう。加えて2021年から急加速した『脱炭素』の流れが、プーチン大統領を瀬戸際に追い詰めた気がします。

渦中のウクライナ東部を巡る休戦交渉が続く2014年5月、ロシアは中国と年間380億立方メートルの天然ガス供給契約を調印。シベリアのガス田と中国黒竜江省を結ぶパイプライン、『シベリアの力』は2019年12月に稼働を始め、更に今年2月には極東ルートで100億立方メートルの追加供給に合意しています。これはドイツへの輸出に匹敵する量で、新規顧客を開拓して二枚舌の常連客とは「さようなら」、ようやく喧嘩の準備が整ったと言う訳ですね。

ロシアからのガス供給は止まるかも知れません。本当に再生エネルギーだけで やって行けるのか?ヨーロッパの環境活動家の皆さんには、耐乏生活の現実を知る良い切っ掛けにして頂きたいです。ヨーロッパのエネルギー危機を口実に、シェールガス・オイルの増産に踏み切れば、物価は安定し支持率も回復。中間選挙を控える “環境派” のバイデン政権にとっては、悪い話ではありません。

アジアに目を向けると『台湾有事』のリスク。個人的には心配はしていません。中国共産党の皆さんは強かなので、暫くは欧米露の “不毛な消耗戦” を高みの見物と決め込んで、ほくそ笑んでいるのではないでしょうか。

※関連記事を追加しました。

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