社長ブログ

社長、2022年をどう生きる⑯

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。価格の高騰する物の代表として、小麦・鋼材と見て来ましたが、電気代はどうなのか?過去に遡って、年間電気料金の推移を調べてみました。なお、24時間フル操業の量産工場なら別ですが、私たちは “一品料理” を得意とする多種少量生産が中心(ある程度ロットの効くものは、協力工場さんに加工を依頼しています)。段取り時間が長い分 機械の稼働率はそれ程 高くないので、工作機械の保有台数の割には電気を多く使用しません。

2010年 5月期の金額をベースの『100』として、社内外でイベントの有った年の数字をピックアップして比べてみます。勿論、仕事量が毎年 変化しますので、一概に比較することは出来ません(苦笑)。先ず2012年 5月期は『99』で、弊社が太陽光発電を始めフルに1年操業した初めの年ですね。震災後 節電の求められた夏、発電量で見る限りは使用量の17%位カバー出来ていた筈なので(記憶違いだったら御免なさい)、ちょっと残念な数字です。その後『102』~『125』で推移して、目立って増加したのが2019年 5月期の『200』、これは前年 5月、本社工場全館に空調設備を設置した結果です。コロナ禍の2020年 5月期と2021年 5月期は それぞれ『185』と『168』、今年度 2022年 5月期は『208』となる見込み。エアコンなしにマスク生活は成り立ちませんので、”結果オーライ” としましょう。因みにリーマンショックの有った2009年 5月期は、『117』と意外に高い数値を示しています。

今月末から太陽光パネルの増設工事が始まります。発電開始は当初の予定から少しずれ込んで、7月の見込みです。今度はどれくらいの節電効果を得られるか?工事の様子等も含め、こちらのブログで ご紹介出来れば良いなと思っております。

  

社長、2022年をどう生きる⑮

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。4月になり弊社でも定期昇給を実施しますが、果たして物価の上昇分をカバー出来るかどうか?少し申し訳ない気も致します。前回は小麦のお話をしましたが、今回は私たちの製品に使われる鋼材の価格について、この場を借りて ちょっと紹介させて下さい。尚、これからお話しするのはネット上で調べられる市中相場で、弊社が実際に購入している価格では有りません。

まず、機械構造用炭素鋼 S10C~S55C(東京)の価格。2022年 3 月の 1kg 当たりの単価は155 円で、一年前(2021年 3月)と比較して29%アップ、五年前(2017年 3月)と比べると実に48%の値上がりです。冷延ステンレス鋼板 SUS304, 18-8, 2.0ミリ(東京)は 1kg 500 円で、一年前と比べて32% 五年前との比較では なんと52%の上昇。黄銅丸棒25ミリ(東京地区)の1,090円は、一年前の28% 五年前では驚きの62%、アルミ合金板 52S(東京地区)の910 円も、一年前と五年前それぞれ24%と26%のアップで、主要鋼材の価格は平均してみると、前年同月比で30%前後、五年前の同月との比較では50%前後と、ビックリするほど値上がりしていることが分かります。

特にコロナ以降の価格高騰は顕著で、お客様も この辺りは心配の種でしょうから、材料が安い段階で早め早めに注文を下さいます。結果として受注残は膨れ上がり、忙しく仕事をするチャンスを頂いたとは言うものの、半年後一年後に納品する注文に関わる鋼材の価格が、調達する段階で どれくらい上昇しているか(下がっている可能性だってない訳ではありませんが)、採算を合わせられるかどうか、皆目 見当もつきません。これも また人生。取り敢えず 5 月で〆る今年度については良いとして、6 月からスタートする新年度以降については、何らかの対策を講じる必要がありそうです。

 

社長、2022年をどう生きる⑭

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。小麦の価格が世界的に高騰し、身近な大手コンビニでもサンドイッチを5~12%値上げするなど、『ヨーロッパの穀倉地帯』ウクライナでの紛争は私たちの生活にも影を落とし始めました。

日本の食物自給率はカロリーベースで37%(2020年度)、小麦に至っては総需要量の約 9割を海外からの輸入に頼っています。食糧安全保障の観点から小麦の輸入は国が管理、国際相場に連動する購入価格(過去6ヶ月の平均)に、『マークアップ(売買差益)』を上乗せした金額で国が製粉会社に売り渡し、売渡価格は4月と10月の年2回改定される仕組みです。今回の値上げラッシュは2022年 4月の改定で、その政府売渡価格が17.3%引き上げられることによるものです。

輸入小麦(アメリカ50%、カナダ33%、オーストラリア17%)の場合、『マークアップ』は日米貿易協定及びTPP11協定に基づき段階的に引き下げられ、9年目までに45%削減されることになっています。一旦 国の懐に入った『マークアップ』は国産小麦の振興等に活用されますが、TPPの交渉が行われている頃、聖域とされた米には800%近く、小麦にも200%を超える関税が掛けられていたのを思い出します。呼び名を変え “税率” は下がったのかも知れませんが、『マークアップ』の使い道、消費者に還元する方法も是非ご検討頂きたいところです。

 



社長、2022年をどう生きる⑬

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。1962年10月、ソ連がキューバに核ミサイルを配備したことで米ソ対立は一触即発。『キューバ危機』です。1959年の革命で親米政権を倒したフィデル・カストロを、アメリカは武力で排除しようと画策し(ピッグス湾事件・マングース作戦など)、結果として元々は社会主義を標榜していなかったキューバと、ソ連との急接近を許すことになったようです。

この時、外交努力により核戦争の瀬戸際から世界を救った米ソ両国のリーダーが、J.F.ケネディとニキータ・フルシチョフ。彼等が その後どうなったかと言うと皆さんご存知の通り、ケネディ大統領は1963年11月テキサス州ダラスで狙撃され死亡、フルシチョフ第一書記も “弱腰” 外交を非難され、ケネディ暗殺の翌年に失脚させられています。梯子を外された形になったカストロ議長はと言うと、その後もソ連との関係を維持。キューバとアメリカとの国交が正常化したのは、2015年 7月のことです。

ウクライナの和平交渉は前途多難、しこりを残さない解決方法はなさそうです。春よ来い、早く来い…