社長ブログ

社長、2022年をどう生きる⑳

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。この数ヶ月間、メディアはウクライナ情勢一色でしたが、弊社を含めた日本の製造業にとって より影響が深刻だったのは、中国の続けるゼロ・コロナ政策に伴う主要都市のロックダウン。必要な部材が手に入らないという目の前の現実です。第三次五ヶ年計画で無軌道な規模の拡大を求めなかったのも、生産財を扱うメーカーとして弊社が お客様への製品の “安定供給” を、第一にお約束しているからに他なりません。

弊社では、従業員ひとりひとりが “プロとしてのプライド” を持って仕事に取り組めるよう、それぞれにとって身近な分野で『生き甲斐・遣り甲斐のある職場づくり』を進めて来ました。営業に於いては 『お客様に選んで頂けるBrand作り』、製造に於いては 『コスト改善・品質の向上』。設計・開発に於ける『創造的環境の整備』も その一つで、第二次五ヶ年計画から継続して来た実験データの蓄積により、嘗てなら欠品したら窮地に追い込まれても仕方のないような主要資材でも、自信を持って代替品を選定・ご提案出来るようになりました。第一次五ヶ年計画で構築し、その後 更に磨きを掛けた在庫管理・納期管理の仕組みと共に、物不足の難局を乗り切る上での大きな力となっています。

来るべき脱炭素社会実現に向け、モノづくりの世界も大きな転換点を迎えています。新製品の開発・新たな市場の開拓など、将来に向けて創造的環境を充実させながら、日本の製造業の一員として責任ある態度で、自由で開かれたインド太平洋地域のサプライチェーンの一角を守り続ける所存ですので、これからも ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

※一部、加筆修正しました。

 

社長、2022年をどう生きる⑲

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。弊社は 5月決算。今年度は中盤から急激に回復した受注を売上が追い駆ける展開で、3年振りの年商20億円が少しずつ見えて参りました。これもひとえに、日頃から弊社製品をご愛顧頂いているお客様のお陰です。ここに改めて御礼 申し上げます。本当に有り難うございます。

さて、2018年 6月にスタートした第三次経営五ヶ年計画も、残すところ 1年余りとなりました。中長期計画を実現し成果を残すのが難しいのは、計画当初には想定していなかった社会・経済の変化が、往々にして企業を取り巻く経営環境に大きな影響を もたらすからです。その意味に於いては、① 2019年末に中国の武漢から始まった新型肺炎の世界的感染拡大、そして、② 2020年10月に当時の菅政権が突如、2030年の温室効果ガス46%削減を世界にコミットしたことは、私たちが五ヶ年計画に掲げた三つの目標にも大きなインパクトを与えるものでした。

一番目に掲げた『情報発信力・受信力の強化』では、カタログ・取扱説明書・製品保証規定を一体的に見直しWebサイトを有効活用したことが、行動制限の求められる新型コロナウイルス拡大期に上手くフィットしました。その一方で、コロナ禍での数々の教訓は “フットワークの良さ” を強みとして来た弊社に一石を投じるものでした。ポスト・コロナ、脱炭素の求められる新時代に目指すべき “昭和” の営業スタイルは、計画の当初に想像していた姿とは全く異なり、講師まで呼んで折角 冊子にまとめたノウハウの通用しないもの。よりDXを活用し環境に配慮したカタチに転換する必要がありそうです。社内コミュニケーションに於いては既にリモート会議が定着、埼玉・東京・大阪・名古屋の離れた拠点に在る部門間の情報交換を、より活発に行っています。低コストで実現できる所が格別に良いですね、経営的には(笑)。

二番目に掲げた『設計~生産工程の最適化』では、コロナ禍に予定外の戦力離脱が生じて、ボトルネック解消の動きは一からの再スタート。新生産管理システムの運用開始も遅れていますが、海外に開発子会社を持つベンダーさんとなると、新型コロナウイルスと無縁ではいられません。目視による製品検査のDX化にも期待していましたが、こちらは素人の私が考えるよりも遥かに技術的ハードルは高く、コロナ・脱炭素と無関係に再検討が必要となりました(苦笑)。

現在進行中の太陽光パネルの増設は、当初の五ヶ年計画には影も形も有りませんでした。三番目に掲げた『経営理念の具現化』については、次回お話ししようと思います。それでは また。

 

社長、2022年をどう生きる⑱

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。G7は追加制裁措置としてロシア産原油の輸入禁止で合意。エネルギー輸出が国家収入の40%を占めるロシアにとって、原油・石油製品は最重要アイテム。また、-162℃で液化しないと海上輸送出来ない天然ガスと異なり、原油なら容易に代替が可能だろうと言う訳です。本当に そうなのでしょうか?同じく早期輸入停止を模索するEU域内には東欧を中心に、政治的経済的理由だけでなく技術的な問題を抱え、禁輸に反対している国々も有るようです。

日本が輸入するのは主に中東産の『高硫黄油』、高濃度の硫黄成分を含みます。精製の段階で これを取り除かずに燃焼すると大量のSOx(硫黄酸化物)を発生、大気汚染の原因となることから年々規制は強化され、日本の石油業界は対応すべく長年に渡って脱硫技術を磨き設備投資を行って来ました。回収された硫黄は産業利用されます(例えば、ゴムが弾力性を持つのは硫黄が添加されるからです)が、その量が多過ぎて世界的に見ても慢性的な余剰状態。業界では『低硫黄油』の活用が期待されているところでした。

東シベリア・西シベリアで産出される原油が正にそれで、硫黄成分を多く含みません。ロシア産原油に依存して来た国々の石油精製プラントは『低硫黄油』向けに設計されているでしょうから、技術的にも容量的にも脱硫能力が不足気味。脱炭素に向けて無駄な設備投資を抑えたい中、今更 『高硫黄油』を持ち込むと言われても困ってしまうのは当然です。

※一部の表現を変更しました。

【関連記事】↓

社長、水素で走る④ https://www.sgk-p.co.jp/blog/1522/

社長、2022年をどう生きる⑦ https://www.sgk-p.co.jp/blog/8850/

 

社長、2022年をどう生きる⑰

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。中国が “戦狼外交” を始めた頃からでしょうか、世界は途轍もなく きな臭く、”陰謀論” として片付けられることの多かった、米英の所謂『軍産複合体』や『国際石油資本』も、ここプーチンのウクライナ侵略に到って、武器・エネルギー市場からのロシア排除、市場独占という野心を包み隠さなくなったように感じます。

2013-2017年の5年間で武器輸出の世界シェアトップ3は、アメリカの34%に続きロシアが22%の第二位、フランスが第三位で6.7%。AUCUSでは豪仏の契約を反故にしたり、Quadの一角ながら武器供給の60%をロシアに依存する、世界最大の武器輸入国インドを脅したり透かしたりと、露骨な手口でシェア拡大を狙います。

エネルギーについては既にお話した通り。コロナ・ワクチンの開発競争に於いても、ロシアが世界に先立って世に送り出した『スプートニクスV』はWHOの承認を得られず、利益を享受したのは結局 米英の製薬メーカーでした。在庫処分を大量に押し付けられた、日本政府の お人好し振りも目に余ります(苦笑)。

“令和の怪物” 千葉ロッテ 佐々木朗希に、早くも米メージャーリーグからの触手。進行する円安に歯止めが掛からず経常収支も悪化。ヒト・モノ・カネ、日本の “富” も全て吸い上げ尽くす お積もりか?バイデンさん、そんなに欲張らないでくださいな… ああ、これも我らの生きる道。