社長ブログ

社長、水素で走る⑩

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。2009年7月から運用を開始したF.DB(不具合情報データベース)は、社内外問わず、発生した品質不具合案件を記録に残し、その傾向を分析、問題を解決する為の重要なツールです。中でも、お客さまからのクレーム案件に関しては、詳細の内容について、管理職の集まる月例会議で情報共有、再発防止を徹底しています。また、10年間蓄積したデータ分析の下、現在、取扱説明書・カタログ等の全面改訂作業中。製品の選定、取扱いの上で、お客様にご注意頂きたい点も、数多く盛り込ませて頂きます。新しい物が出来上がりましたら、WEB上で入手出来るように致しますので、皆さま、是非ご活用下さい。

そのF.DBの運用ルールの原則は、『罪を憎んで人を憎まず』。個人名はデータに残しません。ところがどっこい、スタート当初、社内検査で弾かれる、品質不良の集計結果に目を向けると、原因として『人』が占める割合の、まぁ高いこと。製造現場の管理職の皆さんが、導入に非常に積極的だった理由が分かりました(苦笑)。今日のお話は、総務の仕事として、長年、安全運転管理者講習に参加していた私が、2009年10月の朝礼で取り上げた、『認知科学的アプローチによる、ヒューマン・エラー対策』。もし、説得力有りと感じて頂けたら、SNSの投稿に『いいね』下さい(笑)。

自動車の運転は、『認知・判断・操作』で成り立っていると言われます。例えば、前方の信号が赤に変わった場面でいえば、まず信号が赤に変わったことを認めます。これが『認知』。次に、赤は『止まれ』のサインだから停止しようと考える、これが『判断』。そして、停止するためにブレーキを踏む、これが『操作』です。この一連の運転行動が的確に行われず、何処かでミスが生じると、事故を起こす危険性が大きくなります。赤信号を見落とす(認知ミス)、赤信号は認めたものの、停止せずに交差点を走り抜けようと考える(判断ミス)、停止しようとしてブレーキを踏むつもりが、誤ってアクセルを踏む(操作ミス)などです。したがって事故を防止するためには、『認知・判断・操作』に係るミスを、出来るだけ抑えることが重要なポイントです。

では、うっかりミスが多い人が、交通事故多発者かと言いますと、必ずしもそうではないそうです。事故を繰り返し起こすのは、ルール違反の常習者。責めるべきは、安全意識がない、つまりルールを守ることが出来ず、他の交通利用者の迷惑について配慮する気もない人だそうです。弊社に置き換えれば、お客様を第一に考えず、お客様と約束した品質・納期に対する意識の低い人、自己中心的で共に働くチームメートの迷惑について配慮の出来ない人。過ちを犯しても反省の出来ない人です。そして、そんな人間がいつか必ず大きなクレームを起こす。経営理念にもあります。私達はプロなのです。プロとしてのプライドとは、絶えずお客様を意識して仕事をすることです。そしてチームとして闘う気持ちとは、共に闘う仲間を思いやる、優しさなのです。

それから10年。日本社会の高齢化は進行し、状況は一転。「『あおり運転』は故意だから厳罰に、『アクセルとブレーキの踏み間違い』はヒューマン・エラーだから、寛大な措置を」などと、悠長なことを言っていられる時代でも なくなりました。続きは次回。