まだ続くの?社長の謎解きシリーズ⑫
こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。『東大寺献物帳』によると、文武・聖武に継承された霊剣は、『草薙剣』でなく『黒作懸佩刀(クロツクリカケノハイトウ)』、草壁皇子の遺品です。『三種の神器』でありながら、八岐大蛇の尾から見つかった『草薙剣』は、国津神の蛇神信仰に由来します。伊吹山に現れた『白い猪』との戦いには敗れたものの、『蛇=サタン』の誘惑に負けなかった日本武尊は、故に天孫族の英雄として語り継がれているのでしょう。持統天皇は早世した息子を伝説のヒーローと重ね合わせ、夢と希望を次の世代に託したという訳です。『バジリスクの毒牙』を有効活用した、ハリーポッターとは対照的ですね。
さて 2024年 最後の締め括りは、伏見稲荷大社近くに ひっそり佇む、『伏見神宝神社』を紹介させて頂きます。平安時代初期に創建された神社で、天照大御神を主祭神としながらも『十種神宝』を安置します。拝殿入口には『狛犬』ならぬ『狛龍(四肢を取り戻した蛇)』が並び、参拝者には『隼人』の盾をイメージした渦巻文様の魔除けの御札や、『かぐや姫』をデザインした絵馬が授与されるなど、『饒速日命』『荒脛巾/瀬織津姫』『大友皇子』『吉備内親王』と、記紀の編纂過程に於いて居場所を失ったり、粗末に扱われたりした神々や人物を忍ばせるアイテムが勢揃い。あたかも日本の総氏神・天照大御神が、ゴミ箱に捨てられた彼等を拾い集め、丁寧に供養しているかのような神社なのです。
国としては一応の統一を見たものの、深刻な分断を克服出来ずにいた日本。平安初期と言えば、空海の真言密教により神仏習合が加速した時代です。物部氏の系譜を綴る『先代旧事本紀』が纏められ、朝廷の中枢でも『陰陽道』を学んだ役人が重用される等、新たな価値観の導入を急いぐ余り、置き去りにされた多くの人々の心を癒すため、呪術的な力を信じる縄文以来の伝統的価値観への回帰が、鮮明になった時代とも言えそうです。894年には遣唐使を廃止し国を閉ざすことを決定、「血の犠牲はNG、但し神秘主義はOK」という新たなルールの下、日本固有の『国風文化』が花開く訳ですが、その軌跡は孤立主義への道を選択した、2024年のアメリカにソックリです。また当ブログ的に言わせて頂くと、『伏見神宝神社』がアリウス派 秦氏の活動拠点に祀られているのも、非常に興味深い点ですね。
2024年も私の妄想にお付き合い頂き、有り難うございました。皆さん良いお年を お迎え下さい。
