社長ブログ

社長、2021年を振り返る④

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。世界で猛威を振るった『デルタ株』から流行の中心が、より感染力の高い『オミクロン株』に置き換わるのも時間の問題。肺の中では増えにくく重症化しないとの研究報告も上がって来て、個人的な希望・願望では有りますが、『オミクロン株』が人類の “救世主” と成る日がやって来るかも知れません。2021年を振り返る上で、新型コロナについて語らない訳には行きません。

偽の合鍵を持ったウイルスも人間側の助けがない限り、細胞内に侵入することは出来ません。言葉巧みに内鍵も開けさせるのが その手口で、コロナウイルスの場合は人間の蛋白質分解酵素『TMPRSS2』を拝借して潜り込みます。新型コロナが従来のコロナと違うのは『フリン』と言う別の酵素を使った、もう一つの侵入方法を手に入れたところです。この新たな機能の獲得には『PRARR』という新型コロナ独特のアミノ酸配列が関係していて、私としては「○○研究所で人工的に組み込まれた」という説に信ぴょう性を感じざるを得ません。『フリン』を分泌する細胞は肺や肝臓・小腸など多くの臓器に存在、結果として新型コロナウイルスは前例のない多臓器感染症となりました。

核兵器然り。好奇心に突き動かされた研究は、時に “悪魔” を生み出します。

『アルファ株』『デルタ株』と『PRARR』の配列に変異が加わる度、感染力を強める結果となりましたが、肺で増えない『オミクロン株』に到って ようやく “異物” を排除・無力化に成功し、『フリン』に頼らないコロナ本来の自然な姿を取り戻したようにも見えます(ウイルスにとって宿主を殺すことは利益にならない)。遺伝子編集技術で人畜無害に再加工した新株を、何処かの誰かが野に放った可能性だって有ります。どちらにしても “救世主” を『クサイ株』と命名するのを避けるとは、WHOも中々 洒落が利いています(苦笑)。

真相は解明されぬままですが、今年も残すところ僅かとなりました。メリークリスマス&ハッピーニューイヤー。2022年が皆さんにとって良い年でありますように。

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社長、2021年を振り返る③

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。4月に週一回のプール通いを再開し体力も回復、夏場以降は “どんぶらこ” バタフライを卒業すべく研究の日々を過ごしました。イルカのような『うねり』の動きが特徴的なバタフライも、泳法の進化により現在は『フラット化』、大きな『うねり』で体全体が水中に沈んでしまうと、ルール上も失格になります。まぁ競技会に出ようという訳ではありませんが、今風に泳げた方が やっぱりカッコ良いですよね。幸いネット上には多くの水泳系 You Tuber がチャンネルを開設、解説付きで水中動画を提供してくれているので助かります。

最初に取り入れたのが『バタ足バタフライ』のドリル練習。頭を深く沈めた勢いで生まれる反力(=浮力)を利用していた私にとって、これが違和感以外の何物でもありません。何だか上体を起こしたまま泳いでいる感じで、水を掻き終わった後の腕の処理が上手く行きません。更に調べてみると(人によって意見の分かれるころですが)、バタフライの場合は最後まで水をプッシュする必要はなく、おへそ辺りまで掻いたら斜め横に腕を抜いても良いとのこと。なるほどストロークは短くなるものの、リカバリーはスムーズでピッチもグイグイ上がります。もう一つの発見はドルフィンキックの打ち方で、 バタフライには第一・第二と2種類のキックが有りますが、第二キックを強く蹴らない方がピッチが上がるうえに省エネとのこと。試してみると実際その通りで、水中に沈んでいる時間が短い所為か呼吸も楽で、忙しそうに泳いで見える割には疲れないと感じています。

習得には もっと時間が掛かると思っていた “フラット” バタフライが、意外とすんなり出来るようになったのには驚きを感じています。『人工光合成』だったり『水素菌』だったり、カーボンリサイクル技術だって今後 加速度的に発展するかも知れません。科学も捨てたものじゃないです。

※グラフに誤りが有りましたので、修正しました。

 

社長、2021年を振り返る②

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。「声の大きな活動家に主導権を渡したままでは、かけがえのない地球を人類の明るい未来を、次の世代に引き継ぐことが出来ない。」としてスタートした2021年の社長ブログ。『火』を自由に扱う力を手に入れた人類が文明を築き上げていった歴史から始まり、時にコロナの感染状況や東京オリ・パラ等の時事問題も織り交ぜ、終盤は『近世(豊臣政権~江戸時代)』に起こった歴史的事象と、令和日本を取り巻く政治・経済・社会情勢を対比しながら、私たち日本人の生活が気象変動や外圧によって大きな影響を受けているのは、今も昔も変わらないことをお話して参りました。

大方の予想に反し、2020年の大気中の二酸化炭素濃度上昇は減速しませんでした(コロナ禍により排出量は5.6%減)。これは我々が今後CO2削減の為に血の滲む努力を行っても、その努力が報われない可能性を示唆する重大な問題の筈なのですが、世界気象機関(WMO)は今年発行された温室効果ガス年報の中で、その原因について説得力ある丁寧な説明を行いませんでした。『科学』と称して最悪のシナリオを描き人々の恐怖心を煽っては、自己の利益を最大化しようとする多種多様な勢力が背後に見え隠れするのは、コロナも脱炭素も同じです。

“道具” と化した『科学』が人々の信頼を失いつつあるのは、とても残念な事です。 人類がちっぽけな存在なのは知っています。専門家の皆さまには潔く「分からないことは分からない」と認めて頂いた上で、偏った志向性を持つ勢力から独立した、中立な立場を取り戻して頂きたいと願います。

 

社長、2021年を振り返る①

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。分厚い二酸化炭素の大気に包まれた、金星の地表温度は約470℃。理論上の『放射平衡温度』を520℃近くも上回るのは、CO2の強力な温室効果によるものと考えられていて、人為的な排出を このまま放っておくと、地球が “灼熱地獄” になると考える人々の一つの論拠とされています。金星の温度って何時 誰がどの様に測ったのでしょう?2021年を振り返るに先立ち、今回は天空の旅にご案内致します。

金星探査と言えば、旧ソビエト連邦によって実施された『べネラ計画(1961~1983年)』です。金星の地表の温度を計測したのは、1970年に初めて金星への軟着陸(soft landing)に成功したべネラ 7号。大気圧はこの時の収集データを元に約90気圧と推定されました。アメリカの『パイオニア・ヴィーナス計画(1978年)』では、降下した探査機が地表に衝突(impact)後、信号は 1時間余りで途絶えてしまった一方で、旧ソ連は合計で 8回の軟着陸に成功。1975年に 9号機が地表面のモノクロ写真、1982年には13号機がカラー写真を撮影し、そのデータを地球に送り届けています。その後 日米欧によって行われたのは、金星軌道上からのレーダーや赤外線を使った観測ですから、実際に金星の地表まで到達して温度の測定に成功した国は、(私の調べた範囲では) 唯一ソビエトのみです。

金星がそれ程までに高温・高圧であるならば、CO2は液体と気体の特性を併せ持つ、『超臨界』状態にあると予想されます。『超臨界』二酸化炭素の色は無色透明で、徐々に温度を下げた『臨界点』近傍では、青色の光が拡散されて黄色~オレンジ色っぽく変化します。べネラ13号が撮影したとされるカラー写真(後に米科学者が再加工して画質を良くしたもの)に映し出される金星の黄色い大気は、二酸化炭素が『臨界点』近傍にあることを強く想像させるものです(二酸化炭素の『臨界点』は、温度 31.1℃・圧力 74気圧)。後から着色したようにも見えます。そもそも あれ程多くの太陽光が、金星の地表まで届くのでしょうか?

当時のソ連と言えば、秘密のベールに包まれた “悪の帝国”。現在の北朝鮮よりも情報が少なかった印象で、アメリカと軍拡競争を繰り広げた冷戦時代、ソ連の軍事パレードに登場した『全地球ミサイル(宇宙空間から全世界を射程圏内に収めることから命名)』は、力を誇示する為の  “張り子の虎” だったことが後に明らかになっています。では『べネラ計画』はどうだったのでしょう?データの捏造が全く無かったとは思えません。数多くのフェイクニュースが世の中を飛び交う今、共産圏の “遺産” を疑うことなく受け入れて、地球温暖化の議論が行われているのが私には不思議でならないのです。

※誤字脱字を修正しました。

 

時代遅れですがなにか?⑧

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。皆さんはマンガの神様 手塚治虫の、『鳥人体系』という作品をご存知でしょうか?「生態系を支配する知的生命体には飛翔する能力が必須で、鳥類こそが地球の頂点に立たなければならない」と考える宇宙の指導者・有識者が集う『賢人会議』が、人類の支配する誤った進化の方向性を『グレート・リセット』する お話です。宇宙からの贈り物で知性を手に入れた鳥と、私たちホモ・サピエンスの立場は次第に入れ替わって行きますが、鳥人たちに待ち受けていた未来とは?

大空の世界以上に我々人類が良く分かっていないのが、前々回も お話した深海に広がる神秘の世界。大気圧の下では気体か固体(ドライアイス)の状態で存在する二酸化炭素も、5.2気圧(約0.5MPa)の圧力が加わると初めて液体の姿を現します。海の中では10m深くなる毎に圧力が約 1気圧上昇、水深10,000mならば水の重み1,000気圧に大気の重み 1気圧をプラスして、凡そ1,001気圧(約101.4MPa)の圧力が物質に加わります。水深2,000mを超えると水温も 2℃前後で安定しており、高圧・低温の深海は二酸化炭素が液化するにはピッタリの条件です。

実際に化学合成細菌の生息する深海の熱水噴出域の近くには、液体二酸化炭素の貯留層の存在が確認されていて、私の理解が間違っていたら御免なさいですが、水深720mちょっとを超える海底なら、水温が30℃程度有っても二酸化炭素は気化しない計算です。ところが噴出孔から湧き出す熱水により、周囲の水温は60~464 ℃に達します。仮に31.1℃を超えるとブクブクブクと…

「ええじゃないか、ええじゃないか、ええじゃないか 、ええじゃないか!」栄一がパリに滞在していた1867年(慶応 3年)、15代将軍徳川慶喜が朝廷に政権を返上するに至り、人々は半ばヤケクソに そう連呼しながら街中を狂喜乱舞したそうです。風車を作れば風が止むのが気候変動。更には海底に眠る大量の温室効果ガスが、今や遅しとその瞬間を待ち侘びているとなると、二次元の世界を生きる人類に為す術なし。最早 踊り狂うしかありません(苦笑)。

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社長、五輪に思いを馳せる⑧ https://www.sgk-p.co.jp/blog/3806/

 

時代遅れですがなにか?⑦

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。北欧の某有名ブランドがリリースしたレポートによると、同社EVの製造過程(原材料の生産・精製、リチウムイオンバッテリー、車両の組み立て)でのCO2排出量は、同社製同等クラスのガソリン車の約 1.7倍。これは新車購入時に5万km走行済みのガソリン車が納入されるようなもので、日本人の平均的な使い方(年間走行距離 6,017km : ソニー損害保険㈱ 2020年10月調べ)なら 8.3年を要する二酸化炭素の量を、製造段階でまとめて排出してしまう計算になります。1.5℃を超えるか超えないか短期決戦の求められる中、8.3年分の前倒しが環境にどんな悪影響を及ぼすかも、私たちは充分 考慮に入れておく必要がありそうです。なお、詳細な数値データの表記がない部分は、レポートの棒グラフの長さを物差しで測定して計算に使用させて頂きました。

「改革を前に進めたい、結果を早く残したい。」若者たちの そんな気持ちは理解します。 埼玉出身で日本を代表する経済人『渋沢栄一』も、若かりし日は功を成し名を遂げるのを急ぐ余り『尊王攘夷運動』に参加。ひょんな切っ掛けから一橋家に出仕することとなり、慶喜が将軍職に就くと今度は幕臣として、『パリ万国博覧会』に参列する弟 昭武の お供を命ぜられるという、正に波乱万丈の半生を送ったそうです。ここで埼玉県民を代表して告白します。『渋沢翁』は郷土の誇る唯一の偉人でありますが、私も含め殆どの埼玉県民が大河ドラマや関連番組を見るまでは、彼の文明開化以降の経済人としての足跡以外、全く何も知らなかったと思います。大変 失礼を致しました(苦笑)。

一方で、埼玉県は未だに総理大臣を一人も輩出していません。優れた政治的リーダーを生む土壌ではないのでしょうか?野党共闘が世間一般で広く受け入れられなかったのは、私が「環境活動家とは行動を共にできない」と感じるのと同じだと思いますよ。『論語と算盤』と『マルクス主義』は別物なんです。

 

時代遅れですがなにか?⑥

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。太陽光の恩恵を受けられない深海の奥底には無数の『熱水噴出孔』が存在し、熱水に含まれる化学物質をエネルギー源とする化学合成細菌と、その細菌から食料を得る深海生物の独特の生態系が広がっています。化学合成細菌は海底に沈む鯨の死骸に含まれる脂質等からもエネルギーを合成、周囲に深海生物のコロニーを形成していて、こちらは『鯨骨生物群集』と呼ばれています。鯨の亡き骸は時折り日本の浜辺にも打ち上げられますが、腐敗が進むと体内にメタンガスを蓄積、膨張して最期には爆発しますので気を付けましょう。今日は鯨のお話。

江戸時代も末期になるとオランダ以外からも、多くの異国船が日本に押し寄せるようになりました。1853年 黒船来航の目的の一つは、極東に捕鯨船の補給基地を確保することだったとされています。当時 鯨油は照明用の燃料や機械用の潤滑油として重用され、大西洋の鯨を捕り尽くしたアメリカが新たな資源を求め、遥か西太平洋の果てまで進出して来たという訳です。1854年には日米和親条約、1858年には日米修好通商条約を締結し、力技で開国を押し切ったアメリカですが、その後の幕末動乱期はイギリス・フランスに主役を譲り存在感を失います。1861年に国内で『南北戦争』が勃発し、極東戦略どころでは なくなってしまったからです。

乱獲の限りを尽くしたアメリカも1940年になると一転、資源管理を理由に捕鯨を中止します。1948年にIWC(国際捕鯨委員会)を設立すると、1986年に商業捕鯨は実質的に禁止され、6000年の歴史ある捕鯨国として “科学的な” 調査捕鯨を継続した日本は、2019年のIWC脱退まで環境活動家の格好のターゲットにされました。捕鯨を巡る “環境原理主義者” との経験は、化石燃料の活用を訴えて見事に『化石賞』を連続受賞した、今日の私たちが置かれた状況と重なります。東南アジア各国の電源構成は80%が化石燃料由来。CO2の回収・貯蔵・再利用や水素・アンモニアを混焼する技術を高めるなど、火力発電のゼロエミッション化を目指し、日本は日本らしく国際貢献を続けて行けば良いのです。

 

時代遅れですがなにか?⑤

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。小笠原の海底火山から噴出した大量の軽石が遠く離れた沖縄に漂着、漁業や観光産業に被害が出ています。海流に運ばれた軽石は11月末には関東沿岸にも到達する見込みで、ただでさえ物流の滞りがちな中、私たちの生活にどんな影響が出てくるか心配です。今日は火山のお話。

富士山が最後に噴火したのが 1707年(宝永噴火)。浅間山が大噴火したのは、天候不順で凶作だった1782年の翌年の天明 2年のことです。浅間山噴火の際 発生した火砕流で、嬬恋などの近隣村落は壊滅。関東一円に降り積もった火山灰で田畑は荒廃し、流れ出た土砂により下流域では水害が発生。米不足を巡って江戸や大坂の街で打ちこわしが起こるなど食糧危機は 7年に及び、90万人が餓死したとも言われる近世日本最悪の大飢饉に発展しました。

火山が噴き出すのは軽石や火山灰だけではありません。約 2億100万年前には超大陸『パンゲア』の分裂により火山活動が活発化、この時 大量に放出されたのは火山性二酸化炭素です。大気中のCO2濃度は 2倍に上昇し、気温の上昇や海水の酸性化など地球環境は激変、海生種と陸生種の約76%が死滅してしまいました。そんな過酷な環境に最も適応したのが初期型の恐竜たちで、国連総会議場に登場したヴェロキラプトル殿は、何が自分たちの ご先祖さまの大繁栄を もたらしたのか、ご存じなかった様子(国連はCOP26を前に、人類に警告を発する恐竜の動画をTwitterに投稿)。

『WMO温室効果ガス年報 (抜粋)』によれば、CO2などの温室効果ガスの濃度が2020年に過去最高を更新。コロナ危機による経済活動の停滞にも拘わらず、大気中の温室効果ガスの増加幅に目立った減少はなく、その原因は『吸収源の大きな自然変動』であると、何ともまぁ お粗末な説明でお茶を濁す始末です。どうやら、人類とは別に発生源が存在する(例えば、海の奥底から人知れず噴き出している)可能性については、議論してはならないルールになっているようですね(苦笑)。

※誤りを修正しました。 【誤】 国連総会 →【正】 国連総会議場

※表現を一部変更しました。

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社長、水素で走る⑧ https://www.sgk-p.co.jp/blog/1554/

しばらくコロナとどう生きる④ https://www.sgk-p.co.jp/blog/7098/

 

時代遅れですがなにか?④

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。電力不足に苦しんでいるのは中国だけではないようで、ドイツやフランスなどの欧州諸国でも深刻化。急激な脱石炭による天然ガス不足・価格高騰が原因で、日本でも今冬の計画停電が噂されるなど、私たちにとっても他人事で済む話でなくなって来ました。

「人間の活動が温暖化に影響していることは疑いない」として、では自然界の中だけで考えた時、CO2の排出量と吸収量のバランスが取れているかどうか、今以って誰も知りません。また『産業革命の+1.5℃以内』という世界の努力目標も、それを超えたら破局的な気象変動を引き起こす、例えば「南極の氷が全て融解し海面が40〜70m上昇する」というような、”分水嶺” となる数字では有りません。にも拘らず、インターネットの世界では “魔女狩り” のような言論統制が始まり、環境活動に理解あり実際に行動を起こしている中小企業経営者(=私)でも、激しく反発するような急進的な手法でサプライチェーンを寸断。その影響は一般生活者の台所事情を直撃し、場合によっては生命の危険にまで晒され兼ねない現状を見ていると、世界で強硬に温暖化対策を主導するリーダーたちは、”カルト” か何かに冒されているのではないか?としか、私には思えないんですよねぇ(苦笑)。

江戸時代の所謂『鎖国』は、大権現さま以来の祖法であると考えられていましたが、家康が実際に目指していたのは全方位外交だったそうです。国を開いて西欧諸国の進んだ技術を積極的に取り入れる。ところがキリスト教の布教を足掛かりに、日本侵略を画策していたスペイン・ポルトガルの企てが発覚。安全保障上のリスクを排除して、ビジネスパートナーとして新たに手を組んだのが、布教活動には興味のない新興勢力のオランダだったという訳です。

エネルギー不足による危機的状況が進む中、岸田総理はG20欠席とのこと。付き合う仲間は慎重に選んだほうが良いです。歴史は語る。

 

時代遅れですがなにか?③

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。太陽の活動が低下すると地球に降り注ぐ宇宙線が増加、大気中の塵が電気を帯びて雨雲が形成され易くなると言われ、その仮説を『スベンスマルク効果』と言います。江戸時代にはマウンダー極小期(1645~1715年)とダルトン極小期(1790年~1830年)の二回、太陽活動の低下(黒点の減少)が観測されていて、全般的に気温は低く降雨量が多かったとされています。当時の日々の天候記録は諸藩の私文書・公文書に残されていて、大雨の頻度の高かった時期と江戸三大飢饉(『享保の飢饉』『天明の飢饉』『天保の飢饉』)が発生した時期は、ピタリと一致しているようです。

プラスの電気を帯びた物とマイナスの電気を帯びた物には、引き合う力が働きます。コロナ禍の昨今は この力を利用して、ウイルスを捉える帯電フィルター付きのマスクや、飛沫で浮遊するウイルスを回収する装置等が開発されています。新型コロナウイルス自身も電気の力を巧みに利用しています。通常は引っ込んでいるスパイク蛋白質の結合部分が、ヒト細胞の受容体に くっつく際に “ぴょこん” と飛び出す仕組みは、プラスとプラス或いは、マイナスとマイナスに帯電した物には反発する力が働く原理の応用です。そこに新型コロナウイルス独特のアミノ酸配列が一役買っているらしいのですが、その造りが余りにも巧妙過ぎて、ウイルスが自然界由来の物でないと騒がれる一因となっています。

さて、現在の太陽の状況はどうかと言うと、2019年12月から新たな活動期に入ったと考えられています。ところが、情報通信研究機構の運営する『宇宙天気予報センター』によれば、太陽の黒点の数は 2021年9月9日(木) 久々に100個の大台を回復した後に再び減少、2021年10月17日(日)には 1個も観測されない状況となりました。大気中の帯電粒子の量にも影響を与え得る太陽の活動と、電気的特性を利用して感染拡大する新型コロナウイルス、両者の間に何らかの相関関係が成り立ったとしても、私は ちょっとも驚きません。

※一部の表現を改めました。

 

時代遅れですがなにか?②

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。with コロナの時代に『雑巾掛け』から始めるのは、決して悪いことではありません。社長室に来客が有った後には私も必ず、テーブル・ソファー・ドアノブをアルコールで消毒、仕上げに『雑巾掛け』を励行しております。私が神経質だからという訳でなくて単純に、次にいらっしゃる お客様に万が一の事があっては困るから、それだけです。この『雑巾掛け』も一年以上続けているので、私自身はもう慣れちゃいましたよ(笑)。

さて、豊臣政権と共に弱肉強食の乱世は終わり、『天下普請』と『参覲交代』という “富の再分配” 政策がスタートします。『天下普請』は江戸の都市開発を始めとする大型インフラ整備事業。徳川の命により諸大名の負担で実施され、多くの人夫や職人の懐が潤ったことは容易に想像できます。その大名たちが江戸と自分の領地を1年おきに行き来する『参覲交代』は、全国に道路網の整備を促進し、街道沿いに在る宿場町の経済発展に大いに貢献しました。

そんな徳川の政権運営に綻びを生じさせたのが、前回 触れた異常気象や天変地異。冷害・水害に火山噴火も重なって度々 飢饉が発生、人々の生活を苦しめました。江戸の街でも現在の 2倍近い降水量が有ったそうで、江戸~平成に行われた治水事業については、以前 ご紹介した記事がありますので、そちらを読んで頂けると嬉しいです。

最後に『朝日新聞DIGITAL』の記事から、ノーベル物理学賞の真鍋淑郎さんのお言葉を、引用させて頂きます。「(治水などで)気候変動に適応することと、(温室効果ガス排出を抑えて)気候変動を小さくすること。その二つのバランスをどうとるかが大事な問題だと思う。いろんな選択があるんですよね。国全体として何をするか、気候学者だけじゃなくエネルギー、水の問題をやっている人の意見を総合して、国の行動を決めると。それを考えるべきではないですかね 。」と、ご自身の業績である数理モデルが独り歩きして、社会が分断されるのを非常に心配していらっしゃる ご様子。COP26 各国の代表の皆さんにも、IPCCの報告書を鵜呑みにせず、先駆者の金言に耳を傾けてもらいたいものです。

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社長、荒川を語る①~④ https://www.sgk-p.co.jp/blog/date/2019/07/

社長、with コロナを生きる④ https://www.sgk-p.co.jp/blog/5204/

 

時代遅れですがなにか?①

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。令和版『関ヶ原の合戦』は、跡取りの秀頼と秀次がタッグを組んで、そこに石田三成も加勢するという異例の展開。兄貴分 秀次公のSNSを活用した “発信力” は、米国を真っ二つに分断したトランプ氏並みの破壊力。ただ、傍で見ていると痛快でも、一緒に働いていると息苦しくなる人って身近にも居ますよね、コミュニケーションが一方通行と言うか。そんな “受信力” 不足が祟ったか、西軍からの寝返りが出るなど力及ばず、家康の軍門に下ることとなりました。「選挙は終わりノーサイド、全員野球で一丸」とのことなので、豊臣家お取り潰しには至らず済んだようです。

秀頼君は まだお若いので、もっともっと勉強が必要です。組織内の個人的な恨み辛みに突き動かされる最近の言動は、見聞きするに堪えず全くセクシーでは有りません。一部分だけを切り取って “既得権益” とか “時代遅れ” とか簡単に片づけますが、そのピラミッドの底辺には私たちの生活が有る訳で、北欧の少女や福島の漁業関係者の皆さんの気持ちに寄り添った時と同じように、小さな工場で働く人間の言い分にも耳を傾けてもらいたいと思います。今後必ず起きるであろう『大坂の陣』で、酷い目に合わない為にもね(笑)。

弊社では太陽光パネルを増設予定。CO2排出量削減に向けて、自分たちで出来ることは粛々と進めさせて頂きますが、 やはり製造業に携わる身として、石炭・石油火力発電に替わる安定したベース電源は、国策として確保してもらわなければ困ります。なお、最新の研究により徳川の治世は日本の歴史上、最も気温が低く最も雨の多い時代だったことが分かっています。家康公の解決すべき課題は多そうです。歴史は語る。

 

東京オリ・パラ終わる④

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。「ウイルスは増殖の際のコピーミスにより変異を起こし、そのエラーが積み重なると最終的には自壊する。」このような現象を『エラーカタストロフの限界』と言うそうです。人流抑制が功を奏したのか、ワクチン接種の効果が現れ始めたのか、それともウイルスが勝手に自滅したのか?理由は何であれ、日本に於けるデルタ株の流行は収束に向かっているように見えます。

さて、豊臣秀吉が晩年 築いた『京都新城』の石垣の一部が、2020年5月に京都御所の南東で発見されたそうです。織田信長に取り立てられ足軽から天下人にまで上り詰めた秀吉、その人物像は気配りの出来る明るいキャラクターとして描かれることが多いですが、ポルトガル宣教師ルイス・フロイスによれば、「彼は本心を明かさず、偽ることが巧みで、悪知恵に長け、人を欺くことに長じているのを自慢としていた」そうで、『本能寺の変』の黒幕は秀吉ではないかという説もあるくらいです。

百姓の息子だったが故に、武家の棟梁である『征夷大将軍』を名乗ることを許されなかったとも言われる秀吉は、『関白』『太閤』として朝廷の権威を利用します。勿論、信長の『天下布武(=近年は室町幕府の再興と解釈されることが多い)』のような確固たる国家観はなく、”猿” とも “禿げ鼠” とも称された容姿も手伝ってか、天下統一を成し遂げた後も秀吉は、人気取り政策を実施したかと思えば冷酷に邪魔者を抹殺するなど、策略を廻らすことに終始したようです。

晩年 秀頼が誕生して以降、その迷走ぶりに拍車が掛かります。可愛い世継ぎの為に諸大名を動員して、『聚楽第』跡地に建築を始めたのが『京都新城』。3ヶ月後には突然作業を中止し、築城場所を禁裏(御所)の隣りに変更。ところが完成しても『京都新城』に秀頼が住むことはなく、秀吉の遺言に従って大坂城へ入ってしまいます。『京都新城』の守りが薄かったのが理由です。養子として既に豊臣の家督を継いでいた甥の秀次は どうなったかと言うと、秀吉から濡れ衣を着せられ出家のうえ蟄居、本人が切腹の後 三条河原で晒し首となっただけでなく、39名の妻子も全員斬首されています。

もっとも戦国の有力武将からすれば、秀吉は所詮 ぽっと出の “異分子”。『太閤検地』や『刀狩り』等、難題さえクリアしてくれれば御用済みです。生き残りを賭けて最期まで藻掻いたものの次世代にバトンを繋ぐ豊臣の夢は叶ず、260年の徳川本格政権がスタートするのでありました。歴史は語る。

 

東京オリ・パラ終わる③

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。8月2日(月)に埼玉県も緊急事態措置区域に追加され、また始めから やり直しになると感じたのは、体力づくりのために続けている水泳です。所謂 “第三波” に襲われた年末年始、埼玉県に宣言は発出されなかったにも拘わらず、私が普段通っている公共プールが突然の休館。探せば泳ぐ環境を見つけることも出来たかも知れませんが、密な状態でマスクを外すことに抵抗を感じていた私は、そのプールが再開されるまでの凡そ 3ヶ月間、水泳以外の別の方法を試してることになりました。

私の自宅から数キロの範囲にはウォーキングに持って来いの公園が幾つか在って、公園の豊かな自然(人の手が入った人工的な緑ですが)と新鮮な空気を満喫しながら歩くのも、心と体の健康を維持するための習慣としては悪くは有りませんでした。しかし、いざプールに戻ってみると息が上がるし足はつる、鈍った体は思った通りには動いてくれません。4月の800mから 5月に1200m、6月は1600mと徐々に距離を伸ばし、 7月にようやく目標の2000mに到達した矢先の緊急事態宣言の拡大です。コロナには勝てませんから臨時休館は止むを得ないとして、また長期で閉められたら敵いません。

デルタ株の蔓延する中 幸い今回は施設が閉鎖されることは無く、本当の目的は経費削減なのではないかと思われる(?) 1時間の短縮営業。何はともあれ開けて貰えるだけでも有り難い話で、現在は You Tubeで得た情報を元に、”どんぶらこ” バタフライに改良を加えているころです。

一般人の体調管理でも こんなに苦労しているのに、オリ・パラに出場した選手の皆さんが試合に向けてコンディションを維持、更にパフォーマンスを向上させるのは、さぞかし大変だったことでしょうね。感動を有難う!

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社長、コロナ騒動を振り返る③ https://www.sgk-p.co.jp/blog/3986/

 

東京オリ・パラ終わる②

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。当初の報道では磁石に反応するから金属の可能性が高いとされた異物混入問題、正体はステンレスとの結論に落ち着きました。薬品・食品の生産ラインに使われるとしたら、SUS316辺りだと思うんですが、これ磁石には くっつかない筈なんですよねぇ…急増するワクチン需要を満たす為に急拵えで増設されたであろう生産ライン、基準に適合しない材料が使われているのを隠しているなんて無いことを お祈りします。

さて、東京オリ・パラ最終日の9月5日(日)、私は二回目の接種を受けて参りました。

【接種当日】4:39PMに経過観察を終了。帰りの電車の中で左肩の接種部には既に、日焼け後のような肌のツッパリ感は有ったものの、家に戻っても腕は頭の上に真っ直ぐ伸ばせる状態で痛みは一回目ほど酷くはなく、その晩は念の為に鎮痛剤(解熱効果有)を服用してから床に就きました。

【接種から1日目】普段通り5:00AMに起床して、二度目の鎮痛剤摂取。お陰様で倦怠感があるとは言え計測すると発熱はなく、このまま丸一日ボンヤリ過ごせば翌日には会社に行けると思いましたが、少し考えが甘かったようです。夕刻の三度目の服薬にも拘わらず、深夜に激しい寒気に襲われるとガタガタと震えが止まりません。夏用のタオルケット一枚では事足らず、長袖のパジャマを重ね着した上に布団をもう一枚羽織って、ようやく眠りに就くことが出来たくらいです。

【接種から2日目】”発熱なき悪寒” という生まれて初めての経験をして、結局、8:00AM近くまでベッドに潜り込んでいました。 その間に大量の汗を掻き、気分は随分良くなりましたね。熱もないので その日は一日薬を飲まず、予定していた 2日間の休養を終えました。

【接種から3日目】仕事を終えて無事 帰宅。入浴後に鏡を覗くと、接種部から少し外れた二の腕に、例の “モデルナ・アーム” が出現しました。

と言う訳で、これからモデルナを打つ予定の皆さんには、接種後2日間はゆっくり休めるよう計画を立てることを、強くお薦め致します。左腕の赤味は今も引かず痒みを伴いますが、それは我慢の範囲です(笑)。

 

東京オリ・パラ終わる①

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。イソップ童話の『アリとキリギリス』が示すように、国の危機対応は余裕のある時に計画しておくべきでした。結果として我慢の時期に出口戦略を議論する ゆとりは無く、日本経済はいつも出遅れます。カジノを誘致するくらいなら、江戸城天守閣を再建してもらった方が私個人の好みに合いますが それは脇に置いておいて、今こそ国の次期リーダー候補には、ポストコロナの明るいビジョンを示して欲しいところです。

希望者の接種が一巡しない現段階に於いては論外として、コロナ禍で最もダメージの大きい飲食・観光・エンタメ業界にとって、ワクチンパスポートの国内導入は悲願でしょう。諸事情により接種できない方に不公平にならないような制度設計が必要で、例えば『集団免疫』のような科学的コンセプトを取り入れて、定員の70%を接種者に残りの30%を未接種者に割り当てる(デルタ株の出現で 8: 2くらいが適正かも知れませんが)というのは どうでしょう?未接種者の方にTDRのファストパス的な順番待ち(入場制限)が生じるのは仕方ないとして(その間に抗原検査を受けて貰っても良い)、仮に世間の接種率が 50~60%に止まったならば、レストランや旅先・コンサートホールの内側の方が、日常生活より安全な空間を提供できるという計算になります。

「カーボンニュートラルこそバラ色の将来」との主張であるならば、その貫徹を政治公約として掲げるのも良いと思います。但し、20%の消費増税に相当する『炭素税』が必要だとか、電気代は現在の 2倍程度まで膨らむだろうとか、国民負担がどれくらいになるのかも、しっかりと提示して頂かないと困ります。また、「コロナが収束しても、弱者切り捨ての方針は変わらない」というならば、それはそれでも構いません。雇用の70%を生み出す中小企業を、敵に回す覚悟を決めてもらえば良いだけの話です。

片翼を失っても飛び立つ勇気は頂きましたが、コロナ禍に傷ついた もう一枚の翼まで捥ぎ取るような やり方では、私たちも黙って受け入れる訳には行きません。

 

東京オリ・パラ始まる⑧

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。1000年に一度とも言われる大雨災害に見舞われた中国でも、デルタ株による感染再拡大の懸念が高まっているそうです。中国では伝統的に、人徳を失った為政者には『天命』による災禍が下り、力によって追放されるのは当然と考えます。現代日本を生きる我々からすると、”民意” と “天災” の因果関係が逆のようにも感じられますが、このような考え方を『易姓革命』論と言います。

さて、インドに始まった そのデルタ株、南~東南アジアを あっと言う間に飲み込んで、5月中旬には感染対策の優等生 台湾にも伝播。日本人の約60%が持つHLA-A24のもたらす細胞性免疫を掻い潜るとの報告も有り、デルタ株が日本で蔓延するのは時間の問題と考えた私は、6月28日(月)に市役所のホームページで、大規模会場用の接種券を手配しました。遅れがちな自治体のワクチン接種の順番待ちをするのではなく、自ら行動を起こすべきとの結論に至ったという訳ですね。

とは言え、30分以上予約サイトに張り付いて実際にワクチンを確保できたのは、3度目の挑戦となった 8月2日(月)。その頃 既に東京では連日4,000名を超える陽性確認を記録して、だったらリスクを冒して わざわざ大手町のワクチン会場に行くよりも、何とか第5波を やり過ごしながら、改めて地元で予約を取り直した方が無難かも知れないとの思いも過りましたが、それでも結局 私に打ちに行くと決めさせたのは、科学技術に対する私の強い知的好奇心だったんだと思います。「発熱等の副反応は強く出るものの、デルタ株に対する発症予防効果・重症化予防効果そして感染予防効果に於いても、どうやらモデルナ製ワクチンがファイザー製を上回るらしい。だったらモデルナを試してみたい」と。

当初はワクチン懐疑派だった私も、この1年半で多くを学びました。緊急事態宣言の対象地域拡大が検討される中、パラリンピックが始まります。

※グラフに誤りが有りましたので、修正しました。

 

東京オリ・パラ始まる⑦

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。閉会式の行われた8月8日(日)、大手町の大規模接種センターに行って参りました。上野東京ラインに乗って電車で 1本、東京駅からは無料の送迎バスが便利です。愛知県豊田市や福岡県宗像市の接種会場では、『トヨタ生産方式』を取り入れて『ムリ・ムダ・ムラ』を徹底排除しているとの評判で、東京の大規模会場はどうなのか、製造業に身を置く私としては興味津々でした。結論から申し上げると、動線がしっかりと整理されていて、素晴らしいオペレーションだったと思います。

入場してすぐに予診票未記入の人が別口に弾かれた後(記入後に合流)、手渡されたファイルの色別に暫くは数名単位のグループ行動。途中 何ヶ所か人数分の椅子が配置されていましたが、私達のグループは殆ど着座する間もなく、スムーズに接種会場行きのエレベーターに到着しました。15階建ての合同庁舎の構造上、恐らく このエレベーターが『ボトルネック工程』なのでしょう、密室での感染予防の為 “壁に向かって” 立って乗れるMAXの人数が、グループの構成ロットであることが分かりました。

エレベーターを降りると その後は案内係の指示の下、一人一人が問診・接種・次回の予約の順番で、空いているブースへと誘導されます。タクトタイムが約40秒と言われるワクチン接種、こちらも上手く同期が取れている所為か 流れが滞留することは無く、 ブースの前に並べられた椅子でも待たされることは有りません。次回の接種日程を打ち合わせしている間にも時計が進んで、経過観察の所要時間15分間のうち、実際に待機させられたのは 6分程度のことでした。バックヤードの様子(物・情報の流れ)を、覗くことが出来ないのは仕方がありません。

予想より早く打ち終わったので、帰りは東京駅まで歩きました。令和になってから碌なことが有りません。昔ならば『改元』でリセットするところでしょうが、今は法的に難しいので一層のこと、京都に『遷都』でもしてみてはどうかと思います。首都機能まるごと移転となると大変なので、飽くまでも天皇御一家の一時的なお引越し。その間に皇居内に天守閣の再建でもすれば、ポスト・コロナに於ける東京観光の目玉になること間違いなしです。

※誤りを修正しました。【誤】東京上野ライン →【正】上野東京ライン

 

東京オリ・パラ始まる⑥

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。オリンピックの陰に隠れてしまいましたが、『北海道・北東北の縄文遺跡群』が世界遺産に登録されました。今よりも温暖な気候と豊かな海の幸・山の幸に恵まれて、世界の四大文明に先んじて大規模集落での定住生活を始めたとも言われる縄文の人々。以前は弥生時代に半島から伝わったとされた稲作も、岡山や熊本の遺跡から縄文前~中期には始まっていた可能性を示す痕跡が見つかって、日本人と お米の結びつきには非常に長い歴史が有ることが分かります。

水田は日本の原風景。稲藁・籾殻・米糠と、古来 日本人は米の栽培から得られる実りを、余さず活用してきました。稲藁は肥料や飼料、茅葺屋根の下地材、草鞋や蓑等の衣料品、或いはお正月の飾り付け等、様々な用途に使われて来ましたし、籾殻も畑に撒いて保温対策、土に混ぜ込んで土壌改良にも使われています。米の糠を使って漬け物を作るようになったのは、江戸時代初期と比較的 最近の事。糠漬けは日本固有の発酵食品で、植物性の乳酸菌には腸内フローラを整える強い効果が有ります。そう言えば、発酵食品の代表格の納豆も、稲藁が無ければ作れませんね。山梨の遺跡からは、縄文人が大豆を食べていた可能性を示す土器も見つかっています。

さて、今や放射性廃棄物並みの “厄介者” として扱われるようになった二酸化炭素、そんな究極の産業廃棄物を有用な『連産品』に、しかも過剰なエネルギーを費やさずに生まれ変わらせる方法(常圧のCO2からプラスチックの一種の原材料を合成)を大発見しちゃったのが、日本の製鉄大手率いる産学共同研究グループ。”圧” を加えないと駄目な、何処ぞやの大臣とは訳が違います(笑)。金メダルです!!稲藁に籾殻、米糠をも捨てず そこから健康食品を作り出す精神は、今も我々の中に生き続けているのです。

※誤字・脱字を修正しました。

 

東京オリ・パラ始まる⑤

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。「協力しない業者との取引停止や、金融機関からの “働きかけ”」という権力の横暴は、酒の提供に限った話ではありません。欧州委員会は2035年以降の、エンジン搭載車販売の実質禁止を発表。脱炭素のルールに逆らえば、仕事を失うだけでなく投資家からも そっぽを向かれるという、強権支配の時代に世界は突入しています。主に加熱・冷却に使用される弊社製品のお客さまの多くが、CO2の大口排出事業者。カーボンニュートラルは私たちにとっても決して他人事ではありません。そんな中 2030年の二酸化炭素46%削減実現に向け、資源エネルギー庁が『エネルギー基本計画(素案)』を公表しているので、私なりの注目ポイントに触れておきたいと思います。

先ず暫定値と前置きしながらも、省エネを徹底してエネルギーの総需要を2013年度比で23%削減。産業部門で使うエネルギーに関しては、電力比率を25%から30%に引き上げ熱・燃料等は75%から70%に下げることで、産業部門由来のCO2排出量を2013年度の4.63億トンから、2030年度には2.9億トンに減らすとしています。2050年カーボンニュートラル実現に向けた課題としては、モノづくりに於いて電気では置き換えられない技術(高温の熱需要等)が有ることを認識、製造プロセスの大規模転換、大型水素ボイラーの技術開発などの必要性を訴えています。

産業部門のみならず全ての部門で、省エネを進めていくのは大いに結構。その上で、熱・燃料等が産業部門のエネルギー需要に占める割合は若干下がるものの、2030年の段階では2013年度比 93.3%が維持される計算ですから、取り敢えずの “飯の種” を心配することなく、2050年のカーボンニュートラルに向けた次世代技術の開発に注力するチャンスが与えられたと、割り切った方が よっぽど前向きかも知れません。

『エネルギー基本計画(素案)』の大きな問題は、国民のコスト負担が どれ位になるか言及がない点。「更に50%の高みを目指して挑戦を続ける~」は、東京オリンピックでの選手の活躍を見越した選挙対策っぽくて “あざとい” 表現ですね(苦笑)。石油・天然ガスやメタンハイドレート等の国産資源の開発に取り組みながら、アジアの “現実的な” エネルギー転換に積極的に関与するとしたところは、脱化石燃料 一本槍の欧州勢とは一線を画す動きで、なかなか面白いと思います。 ゲームを有利に進めるのに、ルール作りから主導権を握らなければ駄目なのは、スポーツもエネルギー政策も同じです。

※一部の表現を改めました。

 

東京オリ・パラ始まる④

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。選手の皆さんの活躍を観ていると、やはり私たちの気分も明るくなりますね。とは言え、新型コロナウイルスが消えて無くなってしまった訳ではありません。会社の操業が止まるようなことが起きてはいけませんので、今一度 気を引き締めて、社内の感染防止対策を徹底したいと思います。

さて、東洋経済オンライン『新型コロナウイルス国内感染の状況』によると、2020年4月3日(金)に『2.27』を記録して以降、日本で実行再生産数が 2を上回ったことが有りません。感染力が強いとされるアルファ株やデルタ株が感染の中心に置き換わって以降も その傾向は変わっておらず、ワクチンの行き渡った後に再び感染爆発を起こした英国とは対照的です(亡くなる方の人数は、英国でも低く抑えられています)。

呼吸器感染症の予防に効果が有るとされるIgA抗体について、最近 面白い研究成果が発表されていますので、ここで取り上げさせて頂きます。神奈川歯科大学の研究によれば、新型コロナ感染既往歴のない(勿論、ワクチンの接種も受けていない)被験者 46%の唾液から、新型コロナに対して交叉反応を示すIgA抗体が発見されたとのこと。所謂『ファクターX』ですね。残る54%の皆さんにも朗報。査読前の論文ですが、ファイザー製ワクチンの接種で59% モデルナ製で88%の人に、IgA抗体の産生が認められたとの報告も有ります。

IgA抗体は発酵食品や食物繊維を摂取すると、比較的 簡単に増やせるとのこと。マスク着用等の感染防止対策にプラスして、お腹の調子(腸内フローラ)を整え粘膜免疫のバリアを強化。更にオリンピックで “心の免疫力” も高めながら、この暑い夏を乗り切って行きたいと思います。

【関連記事】↓

ポストコロナをどう生きる⑤ https://www.sgk-p.co.jp/blog/6424/

 

東京オリ・パラ始まる③

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。中学に上がって 2年弱の間、私は酷い偏頭痛に悩まされました。朝方チカチカと輝く光が視界に現れると、昼前には決まって片側の眼球奥に拍動性の激しい頭痛が始まります。強い吐き気を伴うのも特徴で、耐え切れずに嘔吐してしまうことも しばしば。1日中 保健室に籠っていることもありました。

インターネットの普及した今でこそ、あの前兆現象を『閃輝暗点(せんきあんてん)』と呼ぶことも、一度 収縮した脳内の血管が拡張する際に『三叉神経』を刺激して起こるとの説が有力であることも、そして意外と多くの人がこの病気に悩まされていることも知っていますが、当時そんな情報を手に入れる手段は有りませんでしたから、月に一回 偏頭痛を繰り返している自分は脳の何処かに異常が有って、まともな人生を送ることは出来ないのではないかと一人悩んだのを思い出します。

私の場合、中学3年生になる頃には すっかり発作は収まり、以降 偏頭痛とは無縁の人生を送っていますが、長年に渡って市販の鎮痛剤で散らすような対症療法をしていると、人によっては『脳過敏症候群』という後遺症を発症する場合もあるそうですから、充分に気を付けましょう。

さて、つい先日の話です。土曜日にプールで泳いだ翌日の朝、疲れていたのかスマホの画面が少し見えづらいなと思ったら、約40年振りに例のチカチカです。数時間後には眼球をアイスピックで突かれるような痛みに襲われると覚悟を決めたのですが、歳を取って血管が固くなった所為か、結局 最後まで “奴” が牙を剥くことは有りませんでした。頭痛にならず幸いだった筈なのですが、ちょっとガッカリ。”奴” との再会を楽しみにしている自分が居たのに気が付いて、これには流石の私も驚きましたね(苦笑)。若い頃の思い出って それが痛みを伴うモノでも懐かしく、そして輝いて見えるものなのかも知れません。

 

東京オリ・パラ始まる②

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。毎年のように繰り返される豪雨災害。被災された皆さまに お悔やみ申し上げると共に、一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。全てを地球温暖化のせいにするのは簡単ですが、1970~80年代に青少年期を過ごした自分の肌感覚は、余り当てにならないのかも知れません。1945年から1970年代後半に掛けて世界規模で気温が低下、私の若かりし頃は「地球は寒冷化し氷河期に突入する」との議論が沸き起こった時代と重なります。確かに夏の暑さは今ほど厳しく感じませんでしたし、洪水や土砂崩れに悩まされたという記憶も有りません。日本は災害の少ない安全な国だと信じていました。

しかし歴史を紐解くと、5,000名を超える死者・行方不明者を出した伊勢湾台風(1959年)を筆頭に、カスリーン台風(1947年)や第2室戸台風(1961年)など、1940~60年代には大型台風が次々と日本に襲来、7月の大雨被害も50~60年代に数多く記録されるなど、地球の気温が今ほど高くなかった時代にも大雨による被害が無かった訳ではありません。観測網が整う以前のことは良く分かりませんが、1970~80年代が例外的に自然災害が少なかったのか、或るいは、”古き良き時代” が より輝いて見えるだけなのかも知れません。

さて、今回 熱海で発生した土砂災害については、触れてはならない問題も含まれているようなので ここでは お話しません。2011年に74.88kW相当のソーラーパネルを工場の屋根に載せた、私の限られた知識から敢えて言わせて頂くと、建屋に掛かる負担を十分に考慮して弊社が採用したのは、発電効率では劣るものの当時としては最軽量のアモルファスシリコン製。それでも 13.4キロ×832枚で、総重量は なんと11トンに達します(取付金具を除く)。ペラペラに見えるかも知れませんが、ソーラーパネルって かなり重いんです。メガソーラーの設置を検討する際には、事前の綿密な地盤調査が重要なのは間違いありません。

バッハ会長が来日、緊急事態宣言下でオリンピックが始まります。”古き良き時代” は今でも輝いて見えますか?

 

東京オリ・パラ始まる①

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。第三次経営5ヶ年計画の4年目がスタートして丁度 1ヶ月。2020年以降 新型コロナの感染拡大の影響で、世の中は当初 想像していたのと全く違った景色になりましたが、今のところ私たちの計画は順調に進んでいると言って良いと思います。安定成長路線で、数値目標を設定しなかったことも幸いしました(笑)。

現行の5ヶ年計画は、①『情報発信力・受信力の強化』②『設計~生産工程の最適化』③『経営理念の具現化』の、三本の柱で構成されています。中でも『情報発信力・受信力の強化』は私が特に力を入れている部分で、新たに設置した事業推進室を中心に、『製品保証規定』『カタログ』『取扱説明書』の一体的な見直しを行い内容を充実、2020年5月にPDF版をWEBサイトに掲載し、2021年2月には顧問弁護士監修の下、『製品保証規定(海外)』を追加しました。Google・百度・NAVERと、広告費は少し使い過ぎかも知れません(苦笑)。

現在は、弊社が得意とし売上の60~70%を占める設計製作品のうち、より多くのお客様にお薦め出来そうなロータリージョイント、スイベルジョイント、多流路のセンタージョイントをピックアップ、様々な産業分野で稼働する設備装置に どのジョイントが適合するか、WEB上で検索する機能を強化する準備を進めているところです。”痒い所に手が届く” 製品の数々、勿論、グローバル化対応として日英中韓の 4言語版を用意します。翻訳を含め作業にはもう暫く時間が掛かりそうですが、ホームページの更新が今から待ち遠しいです。

なお、参考事例の紹介を増やすとは言え、WEBサイトで お見せ出来るのは、弊社の55年に及ぶ業界実績の ほんの一部に過ぎません。実際にお客様と打ち合わせをさせて頂く際には、それらをベースに弊社の培ってきたノウハウと最新の研究開発データを加味し、お客様のご希望に沿った最適の一台をご提案させて頂こうと思います。Zoom等によるビデオ会議対応可、英語や中国語、韓国語による技術的打ち合わせも出来るよう、体制を整えて参ります。

東京で感染爆発の予兆。東京オリンピック・パラリンピックの開催が、今後の感染状況に どう影響するかは分かりません(ワクチンの効果により重症例が増えないことを期待します)が、私たちは変化に適応しながら、将来に渡って、お客様に ご安心頂けるサービス体制をお約束致します。

※誤りを修正しました。

【関連記事】↓

社長、コロナ騒動を振り返る⑤ https://www.sgk-p.co.jp/blog/3988/

 

しばらくコロナとどう生きる⑫

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。前回取り上げさせて頂いた『地域脱炭素ロードマップ』骨子(案) の中に、『ナッジ』という聞き慣れない言葉を見つけました。「『ナッジ』を活用し、日常シーンの中に、省エネ・公共交通利用・環境配慮製品の選択を…」と有ります。『ナッジ』とは何なのでしょうか?

英語で『ナッジ(nudge)』とは「(肘で突いて)そっと後押しする」という意味で、「しつこく文句を言う」という意味の『ナッグ(nag)』と対を成す言葉です。要は『北風と太陽』、強制でなく自発的に行動変容を起こさせる時に効果的なのが この『ナッジ』で、2017年にリチャード・セイラー氏がノーベル経済学賞を取って以降、一般にも知られるようになって来ました。世の中は既に『ナッジ』で満ち溢れています。最近の例で言えば、コンビニエンスストアの床にあるレジ待ちの足跡。コロナ禍に於いても自然と、ソーシャルディスタンスが取れるように工夫されています。脱炭素社会の文脈にも、この手法を取り入れて行こうという訳ですね。

人間は意思決定に伴う疲労感や負担感を嫌い、直感や感情に訴えかけるイメージや表現に誘導され易い特徴も有るそうです。このような人類の心理特性を悪用することを、『スラッジ (sludge) =汚泥』と言います。スプラリミナル効果を狙った広告(サブリミナル効果が無意識に訴えるのに対し、目に見える形で購買意欲を掻き立てる)、世論を動かすフェイクニュースにプロパガンダ、パラメーターを入れ替えるだけで自らの主張に都合の良い未来予想を描く数理モデル 、陰謀論。『ナッジ』とも『スラッジ』とも判断の付かない大量の情報に囲まれて生きる私たち、コロナ禍の自粛生活の長引く中 、物事を理性的に熟慮する能力は既に奪れてしまっているかも知れません。時の政権が公けの目に触れる文書内で『ナッジ』という用語を平気で使うことに、”得体の知れない薄気味悪さ” とマキャヴェリストとしての “センスの悪さ” を感じるのは、果たして私だけでしょうか。

さて、リチウム資源確保に苦戦する日本勢に救世主。日本発、EVの走行距離を飛躍的に伸ばすポテンシャルを秘めた、パワー半導体の生産がスタートしました。床一面に大容量のバッテリーを敷き詰める必要が無くなるどころか、二次電池開発競争に終止符を打つ程の強烈なインパクトを持つ製品です。産業界に必要な答えを出してくれるのは、いつだって産業界なのです。

 

しばらくコロナとどう生きる⑪

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。政府の『脱炭素社会』実現に向けたロードマップが発表されました。内閣府のホームページに骨子(案)が掲載されていましたので、目を通してみて拍子抜け。選挙対策?地域の実情やその活力を生かそうとの意図は分かりますが、産業界の不安や疑問に答えるものとは程遠く、これで46%の削減目標を達成できると政府は信じているのかと、逆に不安になったくらいです(苦笑)。

さて、昼夜・季節問わず変動しないベース電源として、期待されている再生可能エネルギーが地熱発電。今回は過去の朝礼(2014年10月)で取り上げたエピソードからお届けします。2014年9月、紅葉でにぎわう御嶽山で突然の噴火、58名の登山客が犠牲になり、戦後最悪の噴火災害となってしまいました。日本列島は複雑な4つの地殻プレートの上に跨っています。巨大なプレートが動くエネルギーで、出来たひび割れ(糸魚川-静岡構造線)の西の外れ からマグマが上昇。気象庁の火山噴火予知連絡会は、噴火2週間前に火山性地震の増加を確認しながら、比較すべき過去のデータが存在せず、結果として現場レベルでの入山規制等の事前対策に繋げることが出来なかったそうです。

世界第3位の資源量を誇りながら、その80%が国立・国定の自然公園内に在り、地元の反対(景観・温泉問題)も根強いことから、地熱発電所の建設は なかなか進みません。2013年に活発な火山性地震の続いた箱根でも、温泉独特の硫黄臭に私でも感じるくらいの変化が有りましたし、2年後の2015年には水蒸気爆発が発生、地元経済に大きなダメージを与えました。自然災害の多い日本、火山のエネルギーで電気を起こし、その収益の一部を火山の監視活動の資金に充てるというのは、非常に理に適っていると個人的には思うのですが…

コロナが明けたら、家族で温泉旅行にでも行きたいです(笑)。

※誤りを修正しました。【誤】ひび割れ(フォッサマグナ)から →【正】 ひび割れ(糸魚川-静岡構造線)の西の外れ から

 

しばらくコロナとどう生きる⑩

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。”狡猾なキツネ” という表現は、マキャヴェリストにとっては最上級の誉め言葉です。ただ、国民からは嫌われるでしょうね(苦笑)。穏健な保守層の、環境問題に理解ある中小企業経営者を自認してきた私ですが、流石に今回ばかりは思うところもあるので、五輪の成否に関係なく、次期総選挙では白票を2票投じることに決めています。

さて、このブログを最近 読み始めて下さった皆さん(それ程、多くはないと思いますが)は、私がCO2削減に反対で非協力的な人間だと感じていらっしゃる方も多いかも知れませんが、然に非ず。工場の屋根には太陽光パネルが敷き詰めてありますし、不便を承知の上で燃料電池車に乗り続けています。最近「パパは花が好きね」と妻に言われて初めて、花の写真ばかりブログに上げる自分が恐らく他の男性より植物が好きで、”緑” を愛しているということに気付かされました。

話は 2019年の11月に遡ります。CO2大口排出事業者に勤める大学時代の友人が、転勤先から上京するとのことで、新宿で一杯やることになりました。大学を卒業して25年以上が経過し、今はお互いに家族を養う父親同士、話の流れは自然と、子供たちが幸せな将来を迎える為に私たちは何をすべきかに進んで行きました。スターウォーズ・シリーズの大好きな彼の意見は、「我々は宇宙の果てに、第二の地球を求めるべき」というものでした。私は「陸地の全てを植物に明け渡し、人類は海上の浮き島で生活すべき」と訴えました。皆さん お気付きの通り、何とかしたいとの気持ちは強いものの、「地球温暖化は止められない」というのが2人の共通認識だったんです。

弊社の会計年度は5月決算。6月から新年度がスタートしました。大口排出事業者に勤める我が親友とその家族の皆さんの為にも、弊社でも より環境に配慮した経営に取り組んで行こうと、決意を新たにした次第です。因みに 2019年11月に2人が環境問題を語り合った お店は、環境負荷が高いとされるブラジルの肉料理、シュラスコ食べ放題。駄目だこりゃ(苦笑)!!

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ラッキーな社長⑤ https://www.sgk-p.co.jp/blog/253/

社長、水素で走る⑫ https://www.sgk-p.co.jp/blog/2315/

 

しばらくコロナとどう生きる⑨

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。IEA(国際エネルギー機関)がCO2排出ネットゼロ実現に向けた道筋を提示、You Tubeでも配信されているので拝見させて頂きました。ファティ・ビロル事務局長は冒頭の挨拶で、今年の排出量が歴史上2番目の増加になる見込みとし、「各国や産業界のリーダーは口約束だけで、実際に責任を果たしていないことは、数字が示している」と述べています。昨年はコロナ禍の影響で5.8%減少していますから、今回の増加は誰かの不作為の結果という訳ではないと思うのですが?

チーフエコノミスト室副所長のローラ・コッツィ氏が、内燃エンジンと共に2035年までに禁止すべき物として挙げているのが化石燃料焚きボイラーの販売で、そこに産業用ボイラーまで含まれるかどうか定かでは ありませんが、家庭用ガス湯沸かし器が使えなくなるとなると、湯船に浸かる日本人の伝統的入浴スタイルを守ることは難しくなって来るかも知れません。石油や石炭を掘って生計を立てていた人たちには、南米に行ってリチウムを掘ることを薦めています。そんな無茶な…

エネルギー技術展望部門のティモール・グルー氏は、既存の技術でCO2排出削減可能とされる、『エネルギー部門』と『運輸部門』が2030年頃まで削減の中心的な役割を担い、技術革新の必要とされるセメント製造業・鉄鋼業・化学工業などの『産業部門』と『運輸部門』の長距離輸送に対して、技術開発に積極的な投資をすることを求めています。2050年以降 世界の石油・ガス需要が激減する中、その52%はOPECから買うことが既に約束されているようにも聞こえました。

なお、IEAは この報告書は飽くまでも一つの提言で有って、各国がそれぞれの事情に合わせ2050年のネットゼロを実現する上での、マイルストーンを示したものだとしています。私たちの生活に大きな影響を及ぼす可能性のあるエネルギー政策、国民の審判を受けていない政権がコロナ禍の どさくさに紛れて話を進める姿は、まるで “狡猾なキツネ” のようです。私には民主的プロセスを踏んでいるとは思えません。

【関連記事】↓

社長、with コロナを生きる⑩ https://www.sgk-p.co.jp/blog/5841/

※誤りを訂正しました。【誤】『交通部門』→【正】『運輸部門』

 

しばらくコロナとどう生きる⑧

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。白血病の治療の一環として行われる骨髄移植等の造血幹細胞移植で、しばしば問題となるのが拒絶反応。免疫細胞が自己と非自己を区別するための目印となる、HLAの違いによって生じます。白血球の “血液型” と言われる HLA、赤血球にA・B・O型の区分の他にRhプラス・Rhマイナス型の区分が有るのと同様、A座・B座・C座・DR座など複数の区分を持っています。それぞれの区分で数~数十種類の型 (2007年の段階で確認されていたのは、HLA-Aが28種類、 HLA-Bで62種類、HLA-Cで10種類、HLA-DRは24種類、HLA-DQで9種類、HLA-DPで6種類)が有るのに加えて、通常の優性遺伝(最近は顕性遺伝と呼ぶ)と異なり、両親から引き継いだHLAの両方を発現する(両優性)ので、その組み合わせは数万通りに及びます。骨髄移植でHLAが完全に一致するドナーを探すのが難しいのは、それが理由です。

HLAはⅠとⅡの二つのクラス(前述の HLA-A・ HLA-B・HLA-CはクラスⅠ分子、HLA-DR・HLA-DQ・HLA-DPはクラスⅡ分子)に分けられ、クラスⅠ分子については白血球だけでなく赤血球を除くすべての細胞に存在します。それらは細胞の表面に突き出した “マジックハンド” のような形状で、体内に入った病原体や癌細胞等、異物の情報(抗原ペプチド+何らかの情報伝達物質)を免疫細胞に手渡す役割(抗原提示)を果たし、免疫細胞(T細胞)は受け取った情報を元に、オーダーメイドの治療 (獲得免疫)を行います。例えば、癌に侵された細胞のHLAクラスⅠ分子から情報を得たキラーT細胞は、その癌細胞自体を攻撃・破壊します。B細胞が抗体を産出するのは、ウイルスを貪食したマクロファージ(白血球の一種)等のHLAクラスⅡ分子の抗原情報を元に、ヘルパーT細胞がサイトカインを放出した場合です。

さて、インド株の変異『L452R』は、日本に相対的に低い感染率や死亡率をもたらすHLA-A24(日本人の6割が持つHLA-AクラスⅠ分子で、欧米では1割前後であることから、所謂 “ファクターX” の第一候補と考えられている)の細胞性免疫を回避する( “マジックハンド” の形状が合わない等の理由で、抗原提示が上手く行かず、キラーT細胞 がウイルス感染細胞を破壊できない)可能性が有り、注意が必要だとの報道がされました。ここで思い出して欲しいのが、A座には親から受け継いだ もう一つのHLA-A分子が有り、A座が駄目でもB座・C座の “マジックハンド” が弱点をカバーする ということです(2021年の段階ではHLA-A24も更に細分化されて、24:02~24:88の10種類が有ることが分かっている)。 ウイルスへの感染又はワクチン接種によりDR座 ・DQ座・DP座のクラスⅡ分子が働き出せば、いよいよ体内に免疫グロブリン(抗体)が誘導されます 。

複雑が故に時に白血病患者を苦しめる免疫機構ですが、私は その “多重防御システム” の可能性を信じて、アスリートの皆さんを暖かく見守りたいと思っています。医療現場で奮闘中の皆さんだって、彼女の復活を応援したいに違いありません。

※誤字脱字を修正しました。

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ラッキーな社長⑥ https://www.sgk-p.co.jp/blog/260/

 

しばらくコロナとどう生きる⑦

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。次世代バッテリーの最右翼『全固体電池』が、実用化までに乗り越えなければならない最大の壁は、資源調達の問題かも知れません。主要な原材料となるリチウムの資源量は、急増する需要に対し十分とは言えません。世界全体の埋蔵量の6~8割が南米3ヶ国(ボリビア、チリ、アルゼンチン)に偏在、採掘権を巡る激しい争奪戦が繰り広げられていて、原材料が調達できなければ生産技術を確立してもお手上げです。今回は過去の朝礼(2016年2月)で取り上げたエピソードから。

弊社も測定や分析で時々お世話になっている公的な試験研究機関、『SAITEC(埼玉県産業技術総合センター)』の皆さんが、世界に先駆けて実用化に向けた技術を確立したのが、前回お話した『マグネシウム蓄電池』です。 高価なリチウムではなく資源量の豊富なマグネシウムを採用、海水からも精製できることから原材料コストを約25分の1に抑えられ、水に触れると発火の危険性のあるリチウムと比較してマグネシウムは安全です。しかもリチウムイオン電池の2倍以上の蓄電容量が期待できるとあって、世界各国の研究機関が開発競争に鎬を削っていた中での快挙です。放電と充電を繰り返すと電池容量が大幅に減ってしまう点と、室温(20℃)で安定的な性能を実現化するのが非常に難しいという点を克服、電池メーカーや埼玉県内の企業と共同開発を続けるとのことでした。

その後どうなったのか調べてみると、2018年5月15日に「SAITECと埼玉県内企業の共同により試作品が完成した」と埼玉県が発表、現在も『マグネシウム蓄電池の実用化研究会』と『マグネシウム蓄電池活用製品研究会』を立ち上げ、早期実用化に向けた活動を続けていらっしゃるようです。2021年に入って正極材の開発にも進展があり、今後も『マグネシウム蓄電池』からは目が離せません。何せ私も含め “海なし県” の埼玉県民は、人一倍、海に対する あこがれが強いのです(笑)。

“さざ波” を喰らった日本は沈没寸前。ツバルでは海面上昇対策として、海抜5~10mの人工島を作る計画が有るようです。

※グラフに誤りが有りましたので、修正しました。

 

しばらくコロナとどう生きる⑥

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。科学と技術は異なります。理論的に可能でも、それを実際に適用するのは難しいものです。その技術をビジネス化するには、「採算を合わせて利益を出す」という、更に大きな壁が立ちはだかります。石油化学産業が一つの時代を築き上げることが出来たのは、原油を蒸留して出来る『副産物』を『連産品』として余すことなく活用し、莫大な利益をもたらしたからに他なりません。脱炭素技術の場合は どうなのでしょう?

例えば『グリーン水素』を作る際、資源量の豊富な海水を電気分解することになるでしょう。水素と共にできるのは酸素でなく次亜塩素酸ナトリウム、”まぜるな危険” でご存知の塩素系漂白剤の主成分です。この『副産物』を商売の道具として上手く活用することが、『グリーン水素』ビジネス化の鍵となるかも知れません。

海水の電気分解 自体は新しい技術ではありません。海に面したプラントや船舶の海水取水口に繁殖する、フジツボやムラサキイガイなどの海洋生物が付着するのを防止する為の設備としての実績が有って、この場合に必要なのは殺菌作用のある次亜塩素酸ナトリウム。一方の水素はというと、実は『副産物』として 大気中に捨てられてしまっているみたいです(笑)。 先日 取り上げた『CNF』のコスト削減のブレイクスルーも次亜塩素酸ナトリウムで、『グリーン水素』と『CNF』は意外と相性が良いと思います。

コストを掛けて淡水化してから電気分解するならば、海水に含まれるミネラル成分も有効活用しなければなりません。例えば、バッテリー素材として有望なマグネシウムを淡水化の過程で安価に回収する技術が確立すれば、『グリーン水素』と『マグネシウム二次電池』が蓄電技術の両輪となり、リチウムイオン電池に次ぐ巨大ビジネスに成長する可能性だって有ります。

さて、海水由来の『グリーン水素』がビジネス化すると どうなるか?海水面は低下して、ツバルは沈まずに済むかも知れませんね(苦笑)。

【関連記事】↓

社長、水素で走る④ https://www.sgk-p.co.jp/blog/1522

 

しばらくコロナとどう生きる⑤

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。2021年4月から『溶接ヒューム』が特定化学物質に追加され、より厳しい衛生管理が求められるようになりました。弊社の溶接作業場は比較的 換気も良く整理・整頓もなされていたので、2020年8月に初めて実施したサンプル測定の結果にはショックを受けましたね。金属や金属酸化物の粒である『溶接ヒューム』は比重が大きいので、空気中を漂った後 最終的には床に溜まります。現在は防塵マスク着用の徹底と 1日一回のモップ掛け(粉塵が飛散しないよう床の水洗い)を励行、義務化の始まる来年4月までには発生源対策として局所排気装置等を設置できるよう、準備を進めているところです。

2001年に厚生省と労働省を統合、厚生労働省が誕生してから既に20年が経過しました。飲食店の利用者の健康を守る感染防止対策に、働く人の健康を守る労働衛生行政のノウハウが活かされていないと感じます。一つの目安とされている『必要換気量』も建築基準法によるもので、守るべき数値基準も示されないままなのは何故なのでしょう。根本的な対策が打てないままスケープゴートにされている飲食店の経営者の皆さんは、本当に可哀そうです。

さて、2020年の二酸化炭素排出量 前年比 5.8%マイナスは、日本の年間排出量を倍近く上回る値。それでも温暖化が止まらないと言われると、私たちが46%の数値目標をクリアしても足りないのは明らかです。一度 沈めて水で洗い流した方が良さそうな島嶼が、南シナ海には沢山 有ります。沈んだら困ると考える国のリーダーが真剣にCO2排出量削減に取り組んでくれれば、南太平洋の島々も海面上昇の危機から救われることでしょう。

※一部、加筆修正しました。

 

しばらくコロナとどう生きる④

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。コロナ禍により世界の経済活動が停滞する中、IEA(国際エネルギー機関)によれば世界のCO2排出量は前年比 5.8%減。打撃の大きかった航空分野では40%も下回ったにも関わらず、大気中の二酸化炭素濃度は上昇を続け、2020年の世界の平均気温は産業革命前の水準を約 1.2℃上回る水準だそうです。両者の相関が崩れたとするならば、因果関係を今一度疑って、「CO2濃度上昇には人為的な排出とは別に何か原因が有るかも知れない」と考えるのが科学的アプローチなのですが、脱炭素に舵を切った世界からは そのような意見が一切 聞こえて来ないから不思議です。

日本の石炭火力発電は、SOxやNOx等の環境汚染物質を90%以上除去する、クリーンな技術を磨いてきました。「アンモニアを混焼すればCO2排出量を削減できる」「二酸化炭素の再資源化技術に目途が立った」と訴えても、国連事務総長は “石炭中毒” の意見に聞く耳を持たず、自説の『石炭火力発電廃止論』を曲げる気はなさそうです。石炭関連産業に対して何の恨みがあるのか知りませんが、最早、目的と手段が入れ替わってしまっていると感じざるを得ません(苦笑)。バイデン米大統領の言葉を借りて地球温暖化を安全保障問題とするならば、「有事法制を以って私権を制限してでもCO2削減を強要する」という意味なのでしょう。コロナ対応と同様、私たちが普遍的価値と信じて来た自由と民主主義は、”科学” を装った権威主義を前に風前の灯火です。

国際的同調圧力に屈した訳ではないでしょう、気候変動サミットでは日本も温室効果ガスの削減目標を上積みし、いよいよ『グリーン成長戦略 』が本格化します。当面は現在の仕組みを維持しながら並行して、新しいカタチを築き上げて行かなければならないですから、二酸化炭素の排出量はビックリするほど増えると思います。また、雲を掴むような開発案件に税金が湯水のように投入されるかも知れません。が、ヒステリーを起こさないで見守って下さい。私たち産業界の努力次第で、”南太平洋の楽園” ツバルを海底に沈ませないくらいは、実現可能かも知れませんので。

なお、WDCGG(温室効果ガス世界資料センター)は、2020年の二酸化炭素濃度に関する公式な数字を まだ開示していないようです(『WMO温室効果ガス年報 』の発行は、毎年10~11月頃)。

※誤りを修正しました。

 【誤】有事法制を以って主権を制限→【正】有事法制を以って私権を制限

※一部、加筆修正しました。

※グラフに誤りが有りましたので、修正しました。

 

しばらくコロナとどう生きる③

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。抱えきれない程の宿題を貰って帰ってくるのは明白なので、少し気分を変えましょう。日本の『グリーン成長戦略』には、中高層の建築物ですら木造(植物性素材はカーボンニュートラル)にしようという、野心的な取り組みも含まれます。今回は久々に、過去の朝礼(2015年11月)で取り上げたエピソードから。鋼鉄の五分の一の軽さで強度はその約5倍、熱にも強く透明な材料に加工することも可能という、夢の新素材について話をさせて頂きたいと思います。

その新素材というのは『CNF(セルロースナノファイバー)』。木材に含まれる植物繊維を機械的・化学的に解きほぐした、白色半透明の糊のような物質です。その特性を生かして、様々な用途に実用化されることが期待されています。例えば、その保水力と粘り気を活かし食品・化粧品・塗料・接着剤・医薬品の原材料として、その軽さと強度を活かし金属や炭素繊維に替わる繊維強化複合材料として、応用が可能だそうです。また、木材パルプという環境に優しい天然素材を原料としていることから、豊かな森林に囲まれながらそれを有効活用できていない我々日本人にとっては、更に期待の膨らむ話だと言えます。

研究開発や用途開発の中心になっているのは、紙と同じ木材パルプを原材料とするだけあって、日本の紙・パルプ産業を支えてきたトップ企業の皆さま。思い返せば、液晶用の機能性フィルムや航空機の炭素繊維などの素材も、元はと言えば1980年代以降、日本では “斜陽産業” と見なされていた化学繊維メーカー開発陣の不断の努力の賜物です。最近になって『CNF』のコストを大幅に改善する “ブレイクスルー” が有ったそうで、2000年代に入って以降 多くの印刷物がデジタルデータに置き換わり、構造不況に曝されてきた製紙業界が、今度は日本の歴史に新たな 1ページを書き加える番なのかも知れません。

 

しばらくコロナとどう生きる②

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。『~かも知れない』を繰り返して、恐怖心を煽るのが最近の常套手段。”科学” と称して 25%の可能性を4つ積み上げても、100%の真実に到ることはありません。25%×25%×25%×25%=0.39% が正解。「何故?何故?何故?」、製造業の世界では何故を5回繰り返せば、真実が見えて来ると考えます。玉石混淆の高度情報化社会、荒唐無稽な偽情報に惑わされないようにしたいものです。

さて、日米首脳会談では、水素の利用とカーボンリサイクルについても、意見が交わされるようですね。2020年米大統領選の勝敗を分けた一つが、接戦州ペンシルベニアでの勝利。全米有数の『シェールガス・オイル田』が広がるペンシルベニアで、支持者のシェール利権と『グリーンイノベーション』に折り合いを付けることは、”分断” に苦しむバイデン大統領にとって悲願でもあり、その “接着剤” と なり得るのが二酸化炭素の再資源化技術です。世界最大の産油国であるアメリカも水資源には乏しく、農業との水の争奪戦を避ける為には生産する水素の色は『グリーン』でなく『ブルー(又はターコイズ)』が望ましいですし、燃料やプラスチック素材の原料として回収したCO2を再利用する過程で産業が生まれ雇用も創出される訳ですから、アメリカにとっては文句無しの戦略といったところでしょう。

4月12日(月)から高齢者向けワクチンの優先接種が始まります。初回分の受付が電話やネット行われ、あっという間に予約で一杯になったようですね。日本を含め陽性確認の少ないアジア諸国に於いて、ワクチンに更なる感染抑止効果を期待できるかどうか、個人的には少々疑問に感じる部分がない訳ではないですが、世界がポストコロナに動き始めている今、高齢者の皆さんの不安感を拭い去り日常を取り戻すことが出来るならば、それは日本の国益にとっても大きな一歩と言えるかも知れません。

※一部、加筆修正しました。

 

しばらくコロナとどう生きる①

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。昨年の12月25日(金)から閉鎖されていた公共プールが営業再開、2ヶ月半に及ぶ自粛生活で衰えた体力を、少しずつでも取り戻そうと思います。私の泳ぐプールは違いますが、ごみ焼却場に併設される温水プールって多いですよね。廃プラごみ等の焼却熱を回収・再利用する この日本独特の『サーマルリサイクル』、 二酸化炭素を排出することから、最近は世間の風当たりが強くなって来ています。

CO2やウイルスのように、姿の見えない敵ほど恐ろしいものは有りません。『ナノプラスチック』も その候補の一つ。分解されることなく自然環境に放置されたプラスチックが、紫外線や海波の影響で細かくなった『マイクロプラスチック』、それが更にナノサイズまで微細化したものを『ナノプラスチック』と呼ぶようで、見えない微粒子は大気中をフワフワと浮遊します。所謂『環境ホルモン』、呼吸の際に取り込むと含まれる添加剤によっては、内分泌系への悪影響が心配されるという訳です。その意味では、自然界に存在する微生物によって分解される『生分解性プラスチック』は、不法投棄等のプラスチックごみ から海洋生物を守るだけでなく、 懸念される『ナノプラスチック』の健康被害を減らす効果も期待できるかも知れませんね。

但し、地球温暖化対策となると話は別で、(水と二酸化炭素に)分解されないまま自然界に長く残存するプラスチックの方が、環境に優しいという計算になる訳ですから皮肉なものです。自然界で一度 拡散したCO2を回収するのは困難。二酸化炭素の再資源化を前提に考えるならば、耐久性の高いプラスチックを開発、長く使って使用後に回収、定められた人工的な設備で焼却処分するのが正解です。一人の消費者として、使い捨てスプーン・フォークの有料化は受け入れますが、海洋汚染にしても『ナノプラスチック』にしても、問題の本質は ごみを平気でポイ捨てする “倫理観の欠如” の方にあると感じていて、『ナノプラスチック』という見えない脅威から身を守る為、使い捨ての不織布マスク(プラスチック素材製です)を着用する未来など、私には最早ブラックジョークにしか思えません。

※一部、加筆修正しました。

 

ポストコロナをどう生きる⑫

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。室内に浮遊するウイルスを効率的に換気するには、換気扇はどの位の高さに設置すれば良いのでしょうか?塗装や洗浄工程で使用する有機溶剤の場合は、一般的に空気より重いですので局所排気装置は床面に近い所に設置します。その排気口は逆に屋根から1.5m以上の高さに設置、外部にいる人の健康に影響の出ないよう、大気中に拡散することを求められています。

地球温暖化の原因と考えられる二酸化炭素が、空気より重いにも関わらず地表近くに溜まらないのは、風や気流の影響を受けて拡散されるからです。日本に於いて大気中の二酸化炭素濃度を観測しているのは、綾里(岩手県)、南鳥島(東京都)、与那国島(沖縄県)の3ヶ所で、大気試料の取込口は地上約20mの高さに在るそうです。鉛直分布も調べられていて、日本の都市上空では地表に近い方が、やはり濃度は少し高いみたいですね。

トリチウム水の物性を調べてみると、一般的な水(軽水 : H2O) の密度が 1.0 g/mL、融点 0℃、沸点 100℃であるのに対し、重水(D2Oの場合)の密度は 1.1 g/mL、融点が 4℃、沸点 101℃、トリチウム水(T2Oの場合)では密度が1.9 g/mL、融点が 9℃、沸点 104℃と、それぞれ異なることが分かりました。その比重から考えるに福島の処理水は、かき混ぜなければタンクの中では お行儀よく、軽水・重水・トリチウム水の順番で上から整列しているように思います。

ここに来て、ゴミ焼却場や火力発電所から排出される二酸化炭素の、再資源化技術に実用化の目途が立ったとのビッグニュース。”厄介者” として処分を検討するのは頭の痛いことですが、有益な “資源” として再利用する道が開かれたならば、更に良いアイディアが生まれて来るに間違いありません。なお、私は陰謀論には与しませんので、ウイルスの活用方法については触れません(苦笑)。

※一部、加筆修正しました。

※グラフに誤りが有りましたので、修正しました。

 

ポストコロナをどう生きる⑪

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。「水兵リーベ僕の船~」周期表を調べても、『トリチウム』という元素は見つかりません。『トリチウム』は水素の放射性同位体。通常の水素の原子核が陽子1つで構成されているのに対し、『トリチウム』の原子核は陽子1つと中性子2つ、計3つの核子で構成されていて、『三重水素』とも呼ばれます。『トリチウム』も水素と同様、酸素と結合して水分子を形成。このような分子構造の水を、広義な意味での『重水』と言います。福島で問題になっているのは、この『重水(⊇トリチウム水)』を含む大量の処理水の処分方法です。

海外の原発・再処理施設からも大量の『トリチウム』が海洋や大気に排出されているのは、皆さんご存知の通り。現在、環境に悪影響が有るとの “科学的エビデンス” が無いとは言え、地球温暖化を止める為なら放射性物質を幾らでも垂れ流して良い訳ではないでしょうから、二酸化炭素同様に国ごとの『トリチウム』排出枠を設けて、原発を持たない・持てない国々が、排出枠を売った資金で再生可能エネルギーを開発できるならば、それは素晴らしいことだと思います。

また、蛍光物質を発光させるβ線を放出する『トリチウム』は、一部の時計メーカーの文字盤にも採用されていて、通常の夜光塗料より約70倍明るく10年以上自ら発光し続けることから、太陽光素子と組み合わせて長寿命の電池として利用することも可能だそうです。処理しなければならないと考えるから頭が痛いのであって、有効活用しようと思えば、意外と良いアイディアが生まれて来るかも知れません。

※ 馴染みのある『』を使っていましたが、集合論で使用する『⊇』に修正しました。

 

ポストコロナをどう生きる⑩

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。姿の見えない敵ほど、恐ろしいものは有りません。2011年の原発事故後の放射能然り、今回の新型コロナウイルスも然りです。電子顕微鏡の発明される前の1918~1920年にスペイン風邪が流行した際は、患者から分離された関係のない細菌が病原体と考えられ、誤ったワクチンの開発競争が繰り広げられました。では本当に可視化できれば良いかと言うと そうでもなくて、『富岳』の飛沫シミュレーションでも分かる通り、恐怖の余り呼吸することすら躊躇う人々が続出してしまうかも知れません。地球温暖化の元凶と考えられる二酸化炭素も、私たちには見えませんから困ります。

さて、次世代エネルギーの有力候補として、再び注目を集め始めているのが『水素』です。『水素』は製造方法ごとに “色分け” されていて、化石燃料から作られるものを『ブルー水素』、水を電気分解して作るものを『グリーン水素』と呼びます。私の乗っている燃料電池車に充填してもらっている『水素』はというと、 恐らく化石燃料から製造されたものだと思いますが、肝心の二酸化炭素(水素製造過程で排出される)の回収技術が まだ確立されていない為、『グレー水素』という残念な名前が付けられています(苦笑)。一方、天然ガス(炭化水素)から『水素』を作る際に固体の炭素を生成し、二酸化炭素を排出しない画期的な技術の開発も進められていて、その技術で製造される『水素』は『ターコイズ水素』と命名されました。他にも、日本では受け入れられないと思いますが、原発由来の『ピンク水素』や『パープル水素』なんてのも有ります。勿論、どの『水素』も無色透明、私たちには見えません。

「1ヶ月後には必ず事態を改善させる」との言葉を信じて早や 2ヶ月。3月25日(木)からの聖火リレー再開を前に、2度目の緊急事態延長が決まりました。トーチの燃料に採用されたのも『水素』。それが何色なのかは知りませんが、仮に聖火が灯されたとしても、それが長いトンネルの出口 遥か手前であることは間違いなさそうです。

 

ポストコロナをどう生きる⑨

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。気象庁の発表によれば、2020年の年平均海面水温は、統計を開始した1891年以降で 3番目に高い値を記録。特に日本近海の表面温度は 1.14℃/100年の割合で上昇していて、巨大台風や集中豪雨などの原因と言われています。実はこの海水温の上昇は表層ほんの数十mの話であって、平均の深さが4,750mも有る海全体で見れば、深層に在る大部分の海水の温度は低く安定、海水をかき混ぜれば表面温度は一気に低下し、水の蒸発量も低く抑えることが可能だそうです。パリ協定が異常気象を止めるのが目的であるならば、二酸化炭素削減を声高に叫ぶだけでなく、”海水撹拌技術” の開発も進めてみては如何でしょうか?

さて、中国の雲南省のみならず、日本の岩手県やカンボジアに生息するキクガシラコウモリからも、新型コロナに類似のウイルスが検出されたことは(人間への感染性は今のところ確認されていないようですが)、交差免疫や免疫記憶により、日本人を含むアジアの人々に新型コロナに対する耐性が備わっている可能性を、強く感じさせるものでした。人類の長きに渡る感染症との戦いの歴史から見て、相対的に強い細胞性免疫力等、コロナに何らかの耐性を持つハプロ・グループのみが、アジアで生き残ることが出来たのかも知れません。昨年12月に実施された抗体検査では、東京で陽性率0.91%と依然低い水準で、これを以って集団免疫に程遠いとの解釈も有りますが、抗体を誘導するまでもなくウイルスを撃退している人々の割合が、日本では如何に高いかを示す科学的根拠だと考えています。そんな日本に於いてワクチン接種が “鬼に金棒” と行くかどうか、私には分かりません。

緊急事態宣言下の 1月22日(金)、厚生労働省は通達で『Ct値』を変更、WHOの推奨する30~35回に引き下げたそうです。『Ct値』とはPCR検査に於ける遺伝子の増幅回数(1回毎に2倍に増える)、 40~45回という日本の高い『Ct値』が大量の “冤罪” を生んでいる可能性を指摘させてもらいましたが、その点は解消された模様です。”感染確認” という見せかけの数字が減るだけかも知れませんが、第三波で すっかり委縮した私たちが心の平穏を取り戻すには、よっぽど効果が高そうです。

※誤りを修正しました。【誤】 非常事態宣言 →【正】 緊急事態宣言

※誤字・脱字を修正しました。

 

ポストコロナをどう生きる⑧

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。カラッと晴れた冬の朝は冷え込みます。ご存知の『放射冷却』現象、地表の熱が逃げるのを遮る雲(≒水蒸気)がないからです。さて、もう10年以上前になるでしょうか、人気アイドルグループが “お手製の” ソーラーカーで、日本一周をする企画が有りましたね。その後 太陽光パネルの変換率は飛躍的に向上、1日60km程度の普段使いであれば、外部電源に頼らず走行可能な水準に達しているそうです。”発電所” を上に載せた『電動車』の方が送電ロスが少ないので、充電スタンド等のインフラ整備って もしかしたら急がない方が良いのかも知れません。

毎日 5人乗りの乗用車で通勤していると、無駄が多いと感じるのは事実です。ウィークデーは太陽光を蓄電して軽快に走る 2シーター、週末に家族や友人と遠出をする際には、スマホ感覚で大容量のモバイル・バッテリー内蔵の後部座席車両と連結。そんな方式のEVが乗用車サイズで実現されると、効率的かつ とても便利だなと思います。レンジ・エクステンダーは必ずしもバッテリーに限る必要は有りません。お客様の予算や地域のインフラ事情に合わせて、エンジン(発電機)や燃料電池を取り揃えても良いですし、乗車人数や積み込む荷物に合わせて後部座席車両をレンタル出来たら嬉しいですね。駐車など後進する際のアシスト機能は必須、牽引免許の規制緩和も必要となるでしょう。

自動車は日本の基幹産業。弊社の場合、自動車関連のお客様との直接的な取引は少ないですが、ロータリージョイントやスイベルジョイントをご使用頂いている設備で作られる多くの資材が、自動車の一部となって日の目を見ることになります。ブログの中で、ついつい失礼な物言いをさせて頂きましたこと、深くお詫び申し上げると共に、幼い頃にスーパーカー・ブームを経験し、アイルトン・セナの走りに熱狂した世代の一人として、日本の そして世界の自動車産業の更なる発展を、心よりお祈り申し上げます。

 

ポストコロナをどう生きる⑦

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。1月20日(水)にバイデン米大統領が就任。科学を重視し、地球温暖化防止を安全保障の要と位置付けるそうです。世界で排出量削減が求められる二酸化炭素、実は気候変動の真犯人ではありません。最も温室効果の高いガスは『水蒸気』。地球温暖化の約6割が その『水蒸気』よって もたらされます。大気中に『水蒸気』が増えると気温が上昇、更に水の蒸発量が増加して温暖化が加速、負の連鎖が止まらなくなる現象を『水蒸気フィードバック』と呼びます。その誘因となり得るのがCO2による温室効果(寄与度は21%程度)で、手遅れになる前に排出量を抑制しようという訳ですね。

ウイルス感染を切っ掛けに放出されたサイトカインが、新たなサイトカインの放出を呼ぶ『サイトカインストーム(=免疫の暴走)』って、なんだか『水蒸気フィードバック』によく似ています。新型コロナで重症化した患者の血液の中では、免疫細胞の働きを抑える役割を持つ『制御性(レギュラトリー)T細胞』の著しい減少が見られるそうですが、感染の結果として『制御性T細胞』が減少したとの見方がある一方で、加齢や基礎疾患により『制御性T細胞』が元々少なく、免疫系に歯止めを掛ける能力の低い患者が重症化したとの説も有力です。

『胸腺』と呼ばれる器官で新たに産生されるT細胞(ヘルパー・キラー・制御性等を含む)の量は、40代には新生児の1/100程度まで低下、高齢者で『自己免疫疾患(=免疫の暴走)』の頻度が高まるのは周知の事実で、このような現象を『免疫老化』と言います。ワクチン接種後の強い炎症反応も、免疫の衰えた高齢者にとってはリスク要因。新型コロナが “悪玉” であることに疑いの余地はありませんが、実は高齢化社会に潜む問題を顕在化したに過ぎないのかも知れません。年輪を重ねるに連れ、ブレーキを踏んだつもりが暴走を止められなくなるのは、どの世界に於いても共通の課題のようです。

 

ポストコロナをどう生きる⑥

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。数年前、”elecrified vehicle” という英語が現れました。電気自動車は “electric vehicle” ですから それとは別の概念で、最近は『電動車』と訳されることが多いです。この『電動車』とか『電動化』の定義というのが、日本と海外で異なるので誤解が生じます。要はHVを『電動車』に含むか含まないかなのですが、EVとの違いは “発電所” を内に持つか外に持つかだけなので、HVも『電動車』と呼んで差し支えないと個人的には思っています。”送電線” が短い分、HVの方がエネルギー効率が良いのは明白です。

言葉の定義と言えば、再び議論を呼びそうなのが『感染』です。PCR検査の導入以降、陽性=『感染』としてしまった為、ワクチン接種開始を前に大きな矛盾を抱えることとなりました。PCR増幅法は犯罪捜査のDNA鑑定にも使われる手法で、そこに どんな遺伝子が有るかを調べるのに適していますが、遺伝子の持ち主であるウイルスに感染性が有るかどうかまでは判定してくれません。ウイルスを不活化する空気清浄機を設置しても、死骸に残った遺伝子を吸い込めばPCRは陽性反応。ワクチンを接種して多くの人が抗体を持った後も、喉に貼り付いた微量の遺伝子を検知して、”適格な”『感染』 判定を提供し続けることでしょう(特異度による “擬陽性” とは別の問題です)。 このままでは どんなに優秀なワクチンも、『感染』の連鎖を止められということになりかねません。

ワクチンの有効性を示す為には、PCR陽性=『感染』という定義に誤りが有ったことを、公式に認めなければなりません。国立感染症研究所は、「PCR陽性者の約 1割が感染性のウイルスを保有していない」という事実(=科学的エビデンス)を、既に把握している模様です。こうなると、せめて回復者に抗体検査によるダブルチェックくらいは行わないと、働く機会も奪われ過料まで課せられた “冤罪” 被害者が裁判を起こした時、国に勝ち目は無いような気がします。

ところで、『二酸化炭素悪玉説』が間違いであった場合、誰がどう責任を取ってくれるのでしょう?続きは次回。

※一部の表現を変更しました。

 

ポストコロナをどう生きる⑤

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。喉や鼻腔・上気道の粘膜から分泌され、ウイルスの体内侵入を防ぐ抗体を『IgA(粘膜免疫)』と言います。一方、注射型ワクチンによって誘導される抗体『IgG(全身免疫)』は、主に血液中に含まれることから呼吸器を感染から守るには有効でなく、これは1960年代からの常識なのだそうです(ワクチンの重症化抑制効果を、否定するものではありません)。その意味に於いては寧ろ、外出時の医療用マスク着用を義務化した、物理学者でもあるメルケル独首相の決断の方が合理的に感じます。

さて、スーパーコンピューターで解析しても、明日の天気予報すら当たらないのに、10~20年後の温暖化について誰もが信じて疑わないのは、何故なのでしょうか。日本の自動車産業が、環境面で最先端を歩んで来たのは前回お話しした通り。製造から使用・廃棄段階まで含めた二酸化炭素のトータル排出量で、日本の誇るHVの方が優れているとの見方も多いですから、先走る『脱エンジン』の議論に日本自動車工業会が怒るのも無理は有りません。

悲しいかな、自分有利にルールを変えるのが世界の常套手段。ポストコロナの食うか食われるか、国家存亡を賭けた基幹産業の争奪戦が、今まさに繰り広げられようとしているのであって、どちらが二酸化炭素の排出量が少ないかなど、もはや関係ないのです。実際、電動化に本腰の欧米自動車メーカー・異業種からの新規参入組・中国のスタートアップ他が、航続距離や充電時間といった弱点を克服し、ガソリン車を凌駕するような性能を兼ね備えたEVを続々と発表。『グリーン・リカバリー』政策により充電インフラが整備されれば、日本の自動車産業は世界の市場から つまみ出され兼ねない状況です。

我々も現実から目を逸らしてはなりません。続きは次回。

 

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社長、五輪に思いを馳せる⑤ https://www.sgk-p.co.jp/blog/3297/

ポストコロナをどう生きる④

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。95%とされるワクチンの有効性には大きな誤解があり、多くのメディアが正確な情報を伝えていないように感じます。各製薬会社が公表したのは、ワクチン接種群・プラセボ(疑似薬)群に於ける “発症者数” の比較です。私の知る限り “感染者数” の臨床データは公表されていない、つまり、新型コロナウイルス最大の問題の一つ、無症状感染者の有無については、一切 明らかになっていないんです。

さて、「始めちょろちょろ中ぱっぱ、赤子泣くとも蓋取るな。」薪を使い釜戸で美味しいご飯を炊く時の、秘訣だそうです。そんな『火』を扱う上での日本人の繊細さと拘り、震災等で注目されてた日本人の粘り強さ・我慢強さが結実したのが、日本の自動車産業が開発した高効率エンジン技術かも知れません。

1970年、アメリカで成立した環境保護の一つの法律が、世界の自動車産業に大きな衝撃を与えました。法案を提出した議員の名に因んで、通称『マスキー法』と呼ばれている法律の内容は、自動車の排出ガス中の有害成分を5年間で10分の1に削減するというものでした。日本版マスキー法(自動車排出ガス規制)は8年後の1978年施工され、日本の自動車メーカー各社は、懸命の努力の結果、「ガソリンを無駄なく燃焼させ、最大限のエネルギーを引き出す」技術の確立に成功し、『低燃費・低公害・高性能』という背反する条件と思われた目標の両立を実現。一方のアメリカでは、米国自動車メーカーの強い反対もあって、マスキー法は実施されることなく1974年に廃案。1980年代からの世界的な日本車ブームに繋がったと言われています。

厳しいディーゼル規制をすり抜ける為、欧州大手自動車メーカーの多くが不正プログラムに手を染めていたのが明らかになったのは、記憶に新しいところです。環境に優しいと信じて購入した自動車が、知らぬうちに大気汚染物質を垂れ流していたなんて、騙されたドライバーは堪ったものではありません。ワクチンも然り。感染収束の為のワクチンで、かえって感染拡大なんて最悪の結末にならないよう、今こそメディアは正確な情報を伝え、警鐘を鳴らすべきです。

 

ポストコロナをどう生きる③

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。苦境に立たされているのは、日本だけではありません。『欧州の優等生』と言われたドイツでは感染拡大に歯止めが利かず、『K防疫』で名を馳せた韓国も厳しい戦いを強いられています。そんな中でもコロナ収束への道筋が見えてきたのは、昨年6月に経済を本格再開し15万人を超える犠牲者を出したインド、そしてサウジアラビア・イラク等の中東諸国です。

さて、『火』とは何なのか?化学的に説明すると、物質の燃焼に伴って発生する現象、或いは燃焼の一部と考えられる現象であり、発熱と発光を伴う物質の急激な酸化反応です。燃焼に必要な3条件は、①燃える物質(可燃性物質)があること②酸素の供給があること③物質の温度が発火点以上であることです。

人類が自ら『火』を起こすようになったのは、今から数万年前~7000年前。ベルギーのスピエンヌには、紀元前4000年、今から約6000年前の、新石器時代の火打石の採掘場があり、世界遺産に登録されています。日干し煉瓦が一般的だった、ちょうど同じ頃、メソポタミアでは焼き煉瓦が製作されるようになりました。青銅器が普及し始めたのが紀元前3000年頃、融点が高い鉄の利用が本格化したのが紀元前1400年頃とされています。

火薬の発明については諸説あるようですが、7世紀~10世紀の中国(唐)の書物に、黒色火薬に関する記述が残っています。イギリスのジェームズ・ワットが蒸気機関を発明したのが1769年。燃焼に必要な条件の一つして挙げた酸素が、学術的に発見されたのは、実はその後の1772年のことです。マッチの登場は1827年、ノーベル賞で有名なアルフレッド・ノーベルがダイナマイトを発明したのが1866年。現在のガソリンエンジンの原型は、ドイツのダイムラーとマイバッハが1885年に製作、アメリカでT型フォードの量産がスタートしたのが1908年です。

日本だって負けていません。『瀬戸物』だったり『刀鍛冶』だったり、『火』を巧みに利用する “匠の技” は、日本の製造業を支える先端技術にも脈々と受け継がれています。続きは次回。

 

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ポストコロナをどう生きる②

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。感染爆発のアメリカで医療崩壊が起きないのは、大勢の方々が病院に行くことも出来ず、適切な治療が受けられないまま命を落とす “格差社会” だからだと思います。日本の医療システムと比較することに、意味があるとは思えません。

さて、『火』の使用が、人類の進化・そして文明の発展に重要な役割を果たしてきたことは、前回 お話しした通り。地球上に人類が誕生したのは、今から400万年前。その人類が、『火』をエネルギーとして利用した痕跡は、中国周口店、50万年前、北京原人(ホモ・エレクトス・ペキネンシス : 現生人類の直接の祖先ではない)の遺跡から見つかっており、落雷や噴火、山火事などによる火種を利用していたと考えられています。『火』は肉や魚を焼いたり、寒さをしのぐための暖房用に利用されたり、その他、動物から身を守るためにも使われていたようです。

『火』を使った調理が、人類の脳を巨大に発達させた理由は2つ。第一に、人類の脳の巨大化には、それに見合ったエネルギー源が必要だったと考えられています。人類の脳の重さは体重の2%ほどしかないにもかかわらず、全体の20~25%ものエネルギーを消費します。哺乳類では3~5%、他の霊長類でも8~10%に過ぎません。我々の祖先が火を使って動物の肉を調理したことが、高カロリーのエネルギー摂取を可能にし、脳の発達を促したと考える学者もいます。

第二に、『火』を獲得する以前の我々の祖先も、強力な顎を持っていました。それは硬い食べ物を噛み砕く必要があったからです。噛み砕く力が強ければ強いほど、脳への衝撃が強くなります。脳を守るには、頑丈な頭蓋骨が必要でした。加熱して食べ物が軟らかくなったことで、強靭な顎は必要なくなり、分厚いヘルメットから開放された脳は、巨大化して行ったとも言われています。

こうやって脳を発達させた人類は、『火』を自由に操る能力を身に付け、文明社会を築き上げていきます。続きは次回。

 

ポストコロナをどう生きる①

明けまして おめでとうございます。㈱昭和技研工業の岩井です。お正月に美味しいお雑煮を頂きました。蒸した もち米をそのまま食べる訳でなく、臼・杵でついた後 保存用に伸して切り分けた餅を、今度は焼いて更に汁物にするとは、随分と手の込んだ食べ物だと感心します。これは、加熱・冷却により主成分であるデンプンの結晶構造が変化し、味と保存性が変わる性質を利用した先人の “知恵” だそうです。

『火』を巧みに利用する力を手にした現生人類は、安全でエネルギー効率の良い食生活を獲得、顎は小さく そして脳は大きく発達し、万物の霊長へと進化したと教えられて来た私にとって、昨年4~5月の自粛期間中、オンデマンドで観たドキュメンタリー番組『人類誕生』の内容は、余りにも衝撃的なものでした。人類進化に於ける『火』の利用に関する言及はゼロ。 青銅器や鉄器の製造・火薬の発明・産業革命・モータリゼーション、つまり、後に格差社会や戦争・地球温暖化と繋がる “負の遺産” として避けたかったのかも知れませんが、科学的常識を歪曲するかのような番組作りには、正直 言葉が有りません(苦笑)。

英・米を始め各国でワクチンの接種も始まり、コロナ終息後の世界を どう導くかの議論も本格化して参りました。復興の “鍵” とされる『グリーン・リカバリー』とは如何なるものなのか? 同じ言葉を使っても右と左は同床異夢、声の大きな活動家に主導権を渡したままで、かけがえのない地球を人類の明るい未来を、次の世代に引き継ぐことが出来るとは思えません。製造業を営む者の端くれとして、私も、ポストコロナについて真剣に考えていこうと思っています。今年も宜しくお願い致します。


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