社長ブログ

社長、コロナ騒動を振り返る⑧

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。日経電子版によれば、4月5日(日)現在の日本の感染確認者数は、累計で3,271人(前日比 +336人)。「ニューヨークとは違う。」そう信じていた私ですが、3月の欧州型の流入以降、『ファクターX』を以ってしても御することの出来ない脅威を前に、正直 心が折れかけていました。医療崩壊だけは絶対に防がなければならない。5日間予定を早め 、4月6日(月)に『新型ウイルス対策協議会』を招集、工場の操業を一時止める可能性について言及しています。以前ブログでもお話ししたように、ロータリージョイントは医療用機器にも使用される『不織布』を製造する工程で、欠かせない生産材です。しかし会社は、自分たちの力だけでは運営できません。仮に埼玉県を含む首都圏に於いて、行政から更なる厳格な外出自粛・移動制限を求められ、サプライチェーンが寸断されれば、我々の努力も水の泡。自分たちが果たすべき、社会的責任とは何なのか?「このまま従業員をリスクに晒し続けるくらいなら、一層のこと工場を止めてしまった方が、どんなに気持ちが楽なことだろう…」疚しい思いも心に過ぎります。4月8日(水)にWebサイト上に掲載した『重要なお知らせ~緊急事態宣言と最悪のシナリオに備えて』には、4月6日(月)~7日(火)と自問自答を繰り返し、眠れぬ夜を過ごした私の心の揺れが色濃く反映されているのです。

恐れていた現実は直ぐに訪れます。4月11日(土)の、政府による出勤者7割削減の要請(後に “極力” 8割の方が定着)です。 4月16日(木)には緊急事態の適用地域が全国に拡大され、私たちの通常運転が行政から ”お墨付き” を頂くには、その翌日の4月17日(金)まで待たなければなりませんでした。大野元裕埼玉県知事からの依頼として届いたFAX 曰く、「製造業のうち、医療・支援が必要な人の保護・社会基盤の維持等に不可欠なもの(サプライチェーン上の重要物を含む。)を製造しているものについては、感染防止に配慮しつつ、継続する。」と。4月24日(金)に1都3県が『いのちを守る STAY HOME週間』の共同キャンペーンを発表、5月4日(月)には緊急事態の5月末までの延長が決まりました。この間、東京・名古屋・大阪の営業所では、電車通勤者の在宅勤務や交代勤務等の対応を取りましたが、工場は感染防止対策を徹底しながらカレンダー通り操業を続け、今日に至っています。

出勤者削減の要請については、主に首都圏の通勤電車等での『3密』を防ぐことを主眼としていたことは明白で、4月11日(土) の首相会見でも その対象はハッキリと『オフィス・ワーカー』に限定されていました。にも拘わらず意図的にそれを隠し、恰も生産材を扱う『工場勤務者』も削減対象に含まれているような歪曲報道を繰り返した、公共放送を含む左派メディアの姿勢には、今でも強い憤りを感じています。私たちが一致団結したのは医療崩壊を防ぐ為であって、8割という数値目標達成の為ではありません。多くの業種の人たちが『自粛』とは名ばかりの『強制』に苦しめられる中、サプライチェーンで与えられた使命を全うする為に操業を許された私たちが、どれだけ心を痛めながら仕事を続けて来たのか、彼らに理解してもらいたいとは思いません(怒)。

5月14日(木)に名古屋、5月21日(木)に大阪、5月25日(月)に東京・埼玉と、順次 緊急事態が解除。一連の感染症対策が適切だったかどうか、議論は残ります。果たして、日本の被害を最小限に食い止めている、『ファクターX』とは何なのか?

人類は遺伝的に多様です。単一民族と思われがちな日本人ですら、ミトコンドリアやY染色体のDNA情報の違いにより、10種類以上のグループから構成されることが分かっており、それをハプログループと呼びます。ハプログループは分子人類学による遺伝的特性別の区分であって、外観や地域性 言語や宗教の違いにより、時として差別を助長するような人種や民族とは異なった概念です。アフリカを起源とする現生人類は、絶滅寸前の旧人類の穴を埋めるようにユーラシア大陸に進出、土地々々で その生残を吸収ながら広範囲に拡散し、免疫機能に於いても多様性を獲得して来たと考えられます。その多様性を示す一つがHLA型、白血球の血液型に相当するもので、その組み合わせは数万種類に及ぶそうです。人類の長い歴史(旧人類を含む)に於いては、持ち合わせたHLA型の特性によりコロナウイルスとの戦いに敗れ、途絶えてしまったハプログループも有ったかも知れません。今まで激しい戦いの最前線に立たされた経験のないハプログループの中には、BCG接種により休眠中の『細胞性免疫』系のスイッチのON・OFFが切り替わり、今回のパンデミックを耐え抜いたハプログループも居ることでしょう。そして注目の『ファクターX』、目まぐるしく変異を繰り返す敵に対し、昨日の『善玉抗体』は今日の『悪玉抗体』、『ADE(免疫依存性増強 : サイトカイン・ストームもその一つと考えられる)』を引き起こす可能性のある “諸刃の剣” を敢えて手放し、その代わり、コロナウイルス全般に交差的に機能する『ヘルパーT細胞』を筆頭に、マクロファージやキラーT細胞・NK細胞等の白血球が、体内の異物(ウイルス・細菌・がん細胞等)を攻撃・排除する機能を発達させたハプログループ、それが東アジア一帯に偏在していたとしても、決して不思議なことではないのです(私見です)。

日経電子版によれば、7月19日(日)現在の日本の感染確認者数は、累計で24,642人(前日比 +510人)。慎重論も高まる中、明日 7月22日(水)、『Go To キャンペーン』がスタートします。

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