社長ブログ

社長、2022年をどう生きる⑲

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。弊社は 5月決算。今年度は中盤から急激に回復した受注を売上が追い駆ける展開で、3年振りの年商20億円が少しずつ見えて参りました。これもひとえに、日頃から弊社製品をご愛顧頂いているお客様のお陰です。ここに改めて御礼 申し上げます。本当に有り難うございます。

さて、2018年 6月にスタートした第三次経営五ヶ年計画も、残すところ 1年余りとなりました。中長期計画を実現し成果を残すのが難しいのは、計画当初には想定していなかった社会・経済の変化が、往々にして企業を取り巻く経営環境に大きな影響を もたらすからです。その意味に於いては、① 2019年末に中国の武漢から始まった新型肺炎の世界的感染拡大、そして、② 2020年10月に当時の菅政権が突如、2030年の温室効果ガス46%削減を世界にコミットしたことは、私たちが五ヶ年計画に掲げた三つの目標にも大きなインパクトを与えるものでした。

一番目に掲げた『情報発信力・受信力の強化』では、カタログ・取扱説明書・製品保証規定を一体的に見直しWebサイトを有効活用したことが、行動制限の求められる新型コロナウイルス拡大期に上手くフィットしました。その一方で、コロナ禍での数々の教訓は “フットワークの良さ” を強みとして来た弊社に一石を投じるものでした。ポスト・コロナ、脱炭素の求められる新時代に目指すべき “昭和” の営業スタイルは、計画の当初に想像していた姿とは全く異なり、講師まで呼んで折角 冊子にまとめたノウハウの通用しないもの。よりDXを活用し環境に配慮したカタチに転換する必要がありそうです。社内コミュニケーションに於いては既にリモート会議が定着、埼玉・東京・大阪・名古屋の離れた拠点に在る部門間の情報交換を、より活発に行っています。低コストで実現できる所が格別に良いですね、経営的には(笑)。

二番目に掲げた『設計~生産工程の最適化』では、コロナ禍に予定外の戦力離脱が生じて、ボトルネック解消の動きは一からの再スタート。新生産管理システムの運用開始も遅れていますが、海外に開発子会社を持つベンダーさんとなると、新型コロナウイルスと無縁ではいられません。目視による製品検査のDX化にも期待していましたが、こちらは素人の私が考えるよりも遥かに技術的ハードルは高く、コロナ・脱炭素と無関係に再検討が必要となりました(苦笑)。

現在進行中の太陽光パネルの増設は、当初の五ヶ年計画には影も形も有りませんでした。三番目に掲げた『経営理念の具現化』については、次回お話ししようと思います。それでは また。

 

社長、2022年をどう生きる⑱

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。G7は追加制裁措置としてロシア産原油の輸入禁止で合意。エネルギー輸出が国家収入の40%を占めるロシアにとって、石油・石油製品は最重要アイテム。また、-162℃で液化しないと海上輸送出来ない天然ガスと異なり、原油なら容易に代替が可能だろうと言う訳です。本当に そうなのでしょうか?同じく早期輸入停止を模索するEU域内には東欧を中心に、政治的経済的理由だけでなく技術的な問題を抱え、禁輸に反対している国々も有るようです。

日本が輸入するのは主に中東産の『高硫黄油』、高濃度の硫黄成分を含みます。精製の段階で これを取り除かずに燃焼すると大量のSOx(硫黄酸化物)を発生、大気汚染の原因となることから年々規制は強化され、日本の石油業界は対応すべく長年に渡って脱硫技術を磨き設備投資を行って来ました。回収された硫黄は産業利用されます(例えば、ゴムが弾力性を持つのは硫黄が添加されるからです)が、その量が多過ぎて世界的に見ても慢性的な余剰状態。業界では『低硫黄油』の活用が期待されているところでした。

東シベリア・西シベリアで産出される原油が正にそれで、硫黄成分を多く含みません。ロシア産原油に依存して来た国々の石油精製プラントは『低硫黄油』向けに設計されているでしょうから、技術的にも容量的にも脱硫能力が不足気味。脱炭素に向けて無駄な設備投資を抑えたい中、今更 『高硫黄油』を持ち込むと言われても困ってしまうのは当然です。

※一部の表現を変更しました。

【関連記事】↓

社長、水素で走る④ https://www.sgk-p.co.jp/blog/1522/

社長、2022年をどう生きる⑦ https://www.sgk-p.co.jp/blog/8850/

 

社長、2022年をどう生きる⑰

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。中国が “戦狼外交” を始めた頃からでしょうか、世界は途轍もなく きな臭く、”陰謀論” として片付けられることの多かった、米英の所謂『軍産複合体』や『国際石油資本』も、ここプーチンのウクライナ侵略に到って、武器・エネルギー市場からのロシア排除、市場独占という野心を包み隠さなくなったように感じます。

2013-2017年の5年間で武器輸出の世界シェアトップ3は、アメリカの34%に続きロシアが22%の第二位、フランスが第三位で6.7%。AUCUSでは豪仏の契約を反故にしたり、Quadの一角ながら武器供給の60%をロシアに依存する、世界最大の武器輸入国インドを脅したり透かしたりと、露骨な手口でシェア拡大を狙います。

エネルギーについては既にお話した通り。コロナ・ワクチンの開発競争に於いても、ロシアが世界に先立って世に送り出した『スプートニクスV』はWHOの承認を得られず、利益を享受したのは結局 米英の製薬メーカーでした。在庫処分を大量に押し付けられた、日本政府の お人好し振りも目に余ります(苦笑)。

“令和の怪物” 千葉ロッテ 佐々木朗希に、早くも米メージャーリーグからの触手。進行する円安に歯止めが掛からず経常収支も悪化。ヒト・モノ・カネ、日本の “富” も全て吸い上げ尽くす お積もりか?バイデンさん、そんなに欲張らないでくださいな… ああ、これも我らの生きる道。

 

社長、2022年をどう生きる⑯

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。価格の高騰する物の代表として、小麦・鋼材と見て来ましたが、電気代はどうなのか?過去に遡って、年間電気料金の推移を調べてみました。なお、24時間フル操業の量産工場なら別ですが、私たちは “一品料理” を得意とする多種少量生産が中心(ある程度ロットの効くものは、協力工場さんに加工を依頼しています)。段取り時間が長い分 機械の稼働率はそれ程 高くないので、工作機械の保有台数の割には電気を多く使用しません。

2010年 5月期の金額をベースの『100』として、社内外でイベントの有った年の数字をピックアップして比べてみます。勿論、仕事量が毎年 変化しますので、一概に比較することは出来ません(苦笑)。先ず2012年 5月期は『99』で、弊社が太陽光発電を始めフルに1年操業した初めの年ですね。震災後 節電の求められた夏、発電量で見る限りは使用量の17%位カバー出来ていた筈なので(記憶違いだったら御免なさい)、ちょっと残念な数字です。その後『102』~『125』で推移して、目立って増加したのが2019年 5月期の『200』、これは前年 5月、本社工場全館に空調設備を設置した結果です。コロナ禍の2020年 5月期と2021年 5月期は それぞれ『185』と『168』、今年度 2022年 5月期は『208』となる見込み。エアコンなしにマスク生活は成り立ちませんので、”結果オーライ” としましょう。因みにリーマンショックの有った2009年 5月期は、『117』と意外に高い数値を示しています。

今月末から太陽光パネルの増設工事が始まります。発電開始は当初の予定から少しずれ込んで、7月の見込みです。今度はどれくらいの節電効果を得られるか?工事の様子等も含め、こちらのブログで ご紹介出来れば良いなと思っております。

  

社長、2022年をどう生きる⑮

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。4月になり弊社でも定期昇給を実施しますが、果たして物価の上昇分をカバー出来るかどうか?少し申し訳ない気も致します。前回は小麦のお話をしましたが、今回は私たちの製品に使われる鋼材の価格について、この場を借りて ちょっと紹介させて下さい。尚、これからお話しするのはネット上で調べられる市中相場で、弊社が実際に購入している価格では有りません。

まず、機械構造用炭素鋼 S10C~S55C(東京)の価格。2022年 3 月の 1kg 当たりの単価は155 円で、一年前(2021年 3月)と比較して29%アップ、五年前(2017年 3月)と比べると実に48%の値上がりです。冷延ステンレス鋼板 SUS304, 18-8, 2.0ミリ(東京)は 1kg 500 円で、一年前と比べて32% 五年前との比較では なんと52%の上昇。黄銅丸棒25ミリ(東京地区)の1,090円は、一年前の28% 五年前では驚きの62%、アルミ合金板 52S(東京地区)の910 円も、一年前と五年前それぞれ24%と26%のアップで、主要鋼材の価格は平均してみると、前年同月比で30%前後、五年前の同月との比較では50%前後と、ビックリするほど値上がりしていることが分かります。

特にコロナ以降の価格高騰は顕著で、お客様も この辺りは心配の種でしょうから、材料が安い段階で早め早めに注文を下さいます。結果として受注残は膨れ上がり、忙しく仕事をするチャンスを頂いたとは言うものの、半年後一年後に納品する注文に関わる鋼材の価格が、調達する段階で どれくらい上昇しているか(下がっている可能性だってない訳ではありませんが)、採算を合わせられるかどうか、皆目 見当もつきません。これも また人生。取り敢えず 5 月で〆る今年度については良いとして、6 月からスタートする新年度以降については、何らかの対策を講じる必要がありそうです。

 

社長、2022年をどう生きる⑭

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。小麦の価格が世界的に高騰し、身近な大手コンビニでもサンドイッチを5~12%値上げするなど、『ヨーロッパの穀倉地帯』ウクライナでの紛争は私たちの生活にも影を落とし始めました。

日本の食物自給率はカロリーベースで37%(2020年度)、小麦に至っては総需要量の約 9割を海外からの輸入に頼っています。食糧安全保障の観点から小麦の輸入は国が管理、国際相場に連動する購入価格(過去6ヶ月の平均)に、『マークアップ(売買差益)』を上乗せした金額で国が製粉会社に売り渡し、売渡価格は4月と10月の年2回改定される仕組みです。今回の値上げラッシュは2022年 4月の改定で、その政府売渡価格が17.3%引き上げられることによるものです。

輸入小麦(アメリカ50%、カナダ33%、オーストラリア17%)の場合、『マークアップ』は日米貿易協定及びTPP11協定に基づき段階的に引き下げられ、9年目までに45%削減されることになっています。一旦 国の懐に入った『マークアップ』は国産小麦の振興等に活用されますが、TPPの交渉が行われている頃、聖域とされた米には800%近く、小麦にも200%を超える関税が掛けられていたのを思い出します。呼び名を変え “税率” は下がったのかも知れませんが、『マークアップ』の使い道、消費者に還元する方法も是非ご検討頂きたいところです。

 



社長、2022年をどう生きる⑬

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。1962年10月、ソ連がキューバに核ミサイルを配備したことで米ソ対立は一触即発。『キューバ危機』です。1959年の革命で親米政権を倒したフィデル・カストロを、アメリカは武力で排除しようと画策し(ピッグス湾事件・マングース作戦など)、結果として元々は社会主義を標榜していなかったキューバと、ソ連との急接近を許すことになったようです。

この時、外交努力により核戦争の瀬戸際から世界を救った米ソ両国のリーダーが、J.F.ケネディとニキータ・フルシチョフ。彼等が その後どうなったかと言うと皆さんご存知の通り、ケネディ大統領は1963年11月テキサス州ダラスで狙撃され死亡、フルシチョフ第一書記も “弱腰” 外交を非難され、ケネディ暗殺の翌年に失脚させられています。梯子を外された形になったカストロ議長はと言うと、その後もソ連との関係を維持。キューバとアメリカとの国交が正常化したのは、2015年 7月のことです。

ウクライナの和平交渉は前途多難、しこりを残さない解決方法はなさそうです。春よ来い、早く来い…

 

社長、2022年をどう生きる⑫

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。征服欲を満たす為・配下への恩賞・南蛮貿易の権益確保・信長の遺言・愛息鶴松を失った悲しみからと諸説 語られますが、豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵(1592年 文禄の役・1597年 慶長の役)した動機は、今以って謎のままです。

近年 注目されているのが、スペイン・ポルトガルのアジア進出に対抗する動きだったとする説。実際に 1557年にマカオがポルトガルの植民地に、1565年にはフィリピンがスペインの植民地となっており、中国本土に魔の手が伸びるのも時間の問題。ならば自ら先に奪ってしまえと言う理屈でしょうが、明国への経由地として戦争に巻き込まれた朝鮮半島の人々にとっては全く迷惑な話です。

さて、KGBでのキャリアは決して順風満帆という訳ではなかったウラジミール・プーチン、白タクの運転手からサンクトペテルブルク市やエリツィン政権での下積み経験まで、自ら “汚れ役” を買って出るなど、権力の座に上り詰めるまでには幾つもの試練を乗り越えて来たようですね。そこに浮かび上がる彼の人物像は、信長に忠誠を尽くして立身出世、足軽の出身ながらも天下を取った秀吉に そっくり。正気の沙汰か狂気の沙汰か?晩年に下した様々な判断が議論の対象になるところも良く似ています。

ウクライナで惨劇が続く中、アメリカではシェールガス・オイル増産の動きが加速。軍事的にもエネルギー市場の分野でも、東方拡大を志向する勢力が存在するのは間違いなさそうです。

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東京オリ・パラ終わる④ https://www.sgk-p.co.jp/blog/7914/

時代遅れですがなにか?④ https://www.sgk-p.co.jp/blog/8114/

 

社長、2022年をどう生きる⑪

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。「欧州情勢は複雑怪奇。」1939年 8月、敵対していた筈の独ソが不可侵条約を結ぶに至り、内閣総辞職した平沼騏一郎が残した言葉です。同盟国ナチスドイツに倣い日本もソ連と中立条約を結ぶと、ヒトラーは一転、1941年 6月に不可侵条約を破りソ連への侵攻を開始しました。

さて、2022年の年頭に欧州委員会が方針転換、天然ガスと原発をグリーン認定する姿勢を示した矢先に、その天然ガスと原発を人質にロシアが軍事作戦を進めています。独露を結ぶパイプライン『ノドルストリーム2』の完成を見届けて、一足先に政界を引退したアンゲラ・メルケル氏は、今 何を思っていることでしょう。

旧東ドイツ出身の物理学者で、若き日にはウクライナでロシア語を学んだ前独首相、16年に渡る長期政権に於いてはエネルギー分野ではロシア、経済分野では中国への依存度を高め、安全保障上のパートナー、オバマ米政権に電話を盗聴されていたくらいです。メルケル去った今、プーチン・ロシアの動きは制御不能。敵の敵は味方。昨日の友は今日の敵。積年の恨みを引きずって、21世紀の欧州情勢も実に複雑怪奇なり。

※タイトルに番号を付けました。

 

社長、2022年をどう生きる⑩

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。『ペレストロイカ(再構築)』や『グラスノスチ(情報公開)』を推進するゴルバチョフ書記長の登場は、ソビエト連邦や東欧諸国が自由で開かれた国々に生まれ変わると強く期待させるものでした。一年間の浪人生活を経て1988年 4月、早大の政治経済学部政治学科に入学した私が、第二外国語としてロシア語を選んだのも その為です。

学問は二の次で、履修するのは 所謂 “楽勝科目” と決まっていたバブル時代、第二外国語として人気だったのはドイツ語やフランス語で、発展途上の中国語も少数派。ロシア語を選択するなんて余程の変わり者だったと思います。西側から入ってくる情報だけでなく、日本から最も近くて遠い隣国の人々の頭の中が覗けたら、どれだけ世界が広がるだろうとワクワクしたのを思い出します。

“ハイソ” なイメージに憧れてか、『革新(当時はリベラルとは呼ばなかった)』でもないのに購読するのは朝日新聞と東京新聞、朝と夜は決まってNHKのニュースを視聴するという、慎ましくも夢見がちな家庭で育った影響も有ったのかも知れません(苦笑)。そう言えば今思うと、科学雑誌『Newton』を毎月取っていたのも、私の人生にとっては大きかったですね。

結局はバブルの空気に流され出鱈目な学生時代を送った私に、習得が最も難しい言語の一つと言われるロシア語を身に付けられた筈がありません。40歳から始めた英語は少しだけ喋れるようになりましたが(苦笑)。そんな私が言うのも何ですが、プーチンさん、今のロシアにはガッカリです。力による現状変更は何者にも許されません。

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社長、2021年を振り返る① https://www.sgk-p.co.jp/blog/8324/