まだまだ続くよ、社長の謎解きシリーズ⑲
こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。時を同じくして紀元前15世紀のギリシャ、口承で語り継がれた神話の原型は、この頃には既に成立していたと考えられています。古代ギリシャ神話に登場する『蛇』と言えば『メドゥーサ』、髪の毛の替わりに無数の『蛇』が生えた怪物です。『ペルセウス』に首を刎ねられた際に、流れ出た血液には特別な力が有り、右側の血管から流れた血には『蘇生の力』が、左側の血管から流れた血には『死の力(毒)』が有ったとされます。このうち『蘇生の力』の宿る血を与えられ、後に “医術の神” とされたのが『アポローン』の息子の『アスクレピオス』。彼の持つ『アスクレピオスの杖』は、WHO(世界保健機関)など多くの医療機関の、シンボルマークとして使用されています。杖に 1匹の『蛇』が巻き付いたデザインは、モーセの『青銅の蛇』と よく似ていて、これは偶然ではないと思います。
もう一つ、しばしば『アスクレピオスの杖』と混同されるのが、伝令神『ヘルメース』の杖として知られる『カドゥケウスの杖』です。そのデザインは 2匹の『蛇』が巻き付く杖に翼を生やした形状で、モーセの『青銅の蛇』に『炎の蛇(毒蛇)』を足した、或いは『蘇生の力』を持つ『アスクレピオスの杖』に『死の力(毒)』を付け加えた、”魔法の杖” のようにも見えます。『ヘルメース』は本来 “商人・旅人の守護神” なのですが、この羽根の生えた “魔法の杖” を持ち、地上界と天界・冥界を自由に往来、その不可能を可能とする呪力により(超)科学と結びつき、”医学の神” の側面も併せ持つようになりました。一部の医療機関では『カドゥケウスの杖』をシンボルマークとして誤用していて、『世界大百科事典』でも『アスクレピオスの杖』は、『カドゥケウスの杖』の一種として扱われているそうです。モーセが実在の人物か?旧約聖書がいつ頃 書かれたか?は一旦 留保するとして、『(竿に掲げられた)青銅の蛇』と『アスクレピオスの杖』、そして『カドゥケウスの杖』は兎に角よく似ていているのです。
本題の日本神話の世界に話を戻すと、2匹の『蛇』が絡み付いた『カドゥケウスの杖』の特性が、平安時代に突如 現れた異形の神、良薬と毒薬の両面を併せ持つ『牛頭天王=薬師如来』と、ソックリなことには驚かされます。『メドゥーサ』の頭が八岐大蛇ならば、勇者『ペルセウス』は須佐之男命であり、杖を飾る 2匹の『蛇』は出雲大社の『大注連縄』と、何らかの関連が有りそうです。では、最終的に『カドゥケウスの杖』を手にした、 “商人・旅人の守護神” であり “医学の神” でもある『ヘルメース』とは、一体 何者なのでしょうか?それが縁結びを皮切りに、商売繁盛・交通安全・病気平癒などを ご利益とする、『大己貴命(大国主命)=アスクレピオス』。『ヘルメース』の属性も見事に受け継いだ(義理の)息子を持つ、『須佐之男命=牛頭天王』は “元祖” 縁結びの神様の本領を発揮し、ギリシャ神話の世界でも『ペルセウス』と『アポローン』の一人二役という訳です!










