社長ブログ

社長、with コロナを生きる⑩

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。学生時代には殆ど勉強しなかった私ですが、政治学科を卒業していますから、ニッコロ・マキャヴェリという名前くらいは知っています。15~16世紀の商業都市国家フィレンツェの外交官で、その外交経験と歴史書で学んだ知識から、理想的な為政者はどうあるべきかを論じる『君主論』を記した政治思想家です。『君主論』は “権謀術数の書” として語られることが多いですが、 時流を読んで自らを変えたり、時の恵みを静かに待ちながらもチャンスを逃さず行動することの大切さを説くなど、不安定な with コロナの時代を生きるには、参考になる一冊と言えるかも知れません。

『君主論』 は道徳を排した実践の書で、マキャヴェリは その中で君主に必要な資質の一つとして、”キツネの知恵 ” つまり『狡猾さ』を挙げています。 為政者は勇猛果敢なだけでなく、冷酷な策略家でもあるべきという訳です。 そんなマキャヴェリの政治思想を信奉する人を 『マキャヴェリスト』と呼びますが、 日本の政治家の中で私が真っ先に思い浮かべるのは、 目的の為には手段を選ばず 明治維新を成し遂げ、最後は盟友西郷隆盛とも決別した大久保利通あたりでしょうか。財政難の明治政府に於いて、私財を投げ打ってまで国家に尽くしながらも、士族の恨みを買って紀尾井坂で殺されてしまいました。

ここに来てマキャヴェリが改めて注目を集めているのは、菅義偉首相が好きな作家・政治思想家として名前を挙げたからですが、それを明かしてしまった時点で、 “キツネの知恵” が求められる『マキャヴェリズム』の実践としては、既に何かが間違っている気がします(苦笑)。群雄割拠の中世ヨーロッパとは異なり、民主国家の日本に於いて為政者が読むべき時流は “世論” 、ましてや with コロナの今、 全国民が 安倍長期政権の後継内閣に期待しているのは、感染防止対策と経済活動の両立です。 ここに来て急速に高まった、弱者切り捨てに対する警戒感を払拭できなければ、他に選択肢のない総選挙は乗り切れたとしても、2021年の総裁選で地方党員の信認は得られないと思います。