社長ブログ

ポストコロナをどう生きる⑩

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。姿の見えない敵ほど、恐ろしいものは有りません。2011年の原発事故後の放射能然り、今回の新型コロナウイルスも然りです。電子顕微鏡の発明される前の1918~1920年にスペイン風邪が流行した際は、患者から分離された関係のない細菌が病原体と考えられ、誤ったワクチンの開発競争が繰り広げられました。では本当に可視化できれば良いかと言うと そうでもなくて、『富岳』の飛沫シミュレーションでも分かる通り、恐怖の余り呼吸することすら躊躇う人々が続出してしまうかも知れません。地球温暖化の元凶と考えられる二酸化炭素も、私たちには見えませんから困ります。

さて、次世代エネルギーの有力候補として、再び注目を集め始めているのが『水素』です。『水素』は製造方法ごとに “色分け” されていて、化石燃料から作られるものを『ブルー水素』、水を電気分解して作るものを『グリーン水素』と呼びます。私の乗っている燃料電池車に充填してもらっている『水素』はというと、 恐らく化石燃料から製造されたものだと思いますが、肝心の二酸化炭素(水素製造過程で排出される)の回収技術が まだ確立されていない為、『グレー水素』という残念な名前が付けられています(苦笑)。一方、天然ガス(炭化水素)から『水素』を作る際に固体の炭素を生成し、二酸化炭素を排出しない画期的な技術の開発も進められていて、その技術で製造される『水素』は『ターコイズ水素』と命名されました。他にも、日本では受け入れられないと思いますが、原発由来の『ピンク水素』や『パープル水素』なんてのも有ります。勿論、どの『水素』も無色透明、私たちには見えません。

「1ヶ月後には必ず事態を改善させる」との言葉を信じて早や 2ヶ月。3月25日(木)からの聖火リレー再開を前に、2度目の緊急事態延長が決まりました。トーチの燃料に採用されたのも『水素』。それが何色なのかは知りませんが、仮に聖火が灯されたとしても、それが長いトンネルの出口 遥か手前であることは間違いなさそうです。