社長の古代史考察㉑
こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。『倭迹迹日百襲姫命=卑弥呼』により鏡の世界に閉じ込められ、この世に再生することを許されなかった天照大御神の魂が、罪や穢れを洗い流す『祓戸四神』の一柱、『瀬織津姫=白蛇』としての役を割り当てられたのは、『大祓詞』が確立した平安中期以降のことだろうと考えます。この頃は、須佐之男命が龍蛇神としての色彩を濃くする時期とも重なり、後の源平合戦をモチーフとした軍記物には、天孫族から『天叢雲剣』を取り戻すべく、『安徳天皇』に転生した『龍王=八岐大蛇』の話や、龍王の娘を娶って海人族に寝返った『牛頭天王=須佐之男命』の話も登場します。毎年10月の『神在月』に、神々の先導役として出雲大社に現れるウミヘビも、恐らくは須佐之男命の配下に屈した、『瀬織津姫=天照大御神』のことでしょう。
鎌倉時代に於ける禅宗の導入と元寇での大勝利は、国家の守護神としての『龍』の地位を、揺るぎなきものとしました(中国の江南~華南地方で発展した禅宗は、『百越』の龍蛇信仰を影響を強く受け継いでいる)。戦国の乱世に終止符が打たれた江戸時代、出雲大社の主が大国主命であることが再確認されたのと、ほぼ時を同じくして須佐之男命の魂は幕府の お膝元、武蔵国一宮・氷川神社に移管されています。天照大御神の復権を願う明治天皇が、東京奠都後、最初に行幸した先が氷川神社だったのは、恐らく須佐之男命の祟りを恐れたためだと思われます。出雲の国譲りや瓊瓊杵尊の天孫降臨を否定し、須佐之男命の(義理の)息子の龍蛇伸・大国主命こそが初代天皇であるというのが、江戸幕府の公式見解だったのではないでしょうか?
さて、『三貴子』の中では最も影が薄いものの、『豊受大神』として天照大御神より格上の扱いを受けることもあるのが、持統天皇が吉備内親王に授けたキャラクター、月読命です。『竹取物語』の主人公『かぐや姫』は、禁忌を犯し地上界で罪を償う月読命の仮の姿であり、記紀神話で『須佐之男命=カイン』の乱暴狼藉に驚き、機織りの道具で『陰(ホト)』を突いて亡くなった、『大日孁貴尊(オオヒルメノミコト)=天照大御神』の妹・『稚日女尊(ワカヒルメノミコト)』も、『須佐之男命=カイン』を弟に持つことから、『月読命=アベル』のことであると類推することが出来ます。
天岩戸伝説が『天照大御神=セツ』の誕生、つまり『月読命=アベル』の転生を意味しているならば、『豊受大神=月読命』が天照大御神の上位に位置すると考えるのも、分からないでは有りません。伊勢神宮外宮の地位向上を目指し、鎌倉時代に生まれた『度会神道』では、『豊受大神』を只の “給仕係” ではなく、天地創造の中心であると考えました。『倭姫命』が天照大御神を一時 匿ったことで、”元伊勢” として知られる丹後国の籠神社は、『彦火明命(天火明命)=饒速日命』を主祭神としながらも、その奥宮に『豊受大神』を祀っていることで知られます。代々、海部氏が宮司を務める籠神社は、一部の古代史ファンの間で注目のホットスポットです。丹後国と言えば『羽衣伝説』発祥の地ですから、竹取物語との接点も何となく見えてきますね。





















