社長ブログ

社長、2021年を振り返る①

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。分厚い二酸化炭素の大気に包まれた、金星の地表温度は約470℃。理論上の『放射平衡温度』を520℃近くも上回るのは、CO2の強力な温室効果によるものと考えられていて、人為的な排出を このまま放っておくと、地球が “灼熱地獄” になると考える人々の一つの論拠とされています。金星の温度って何時 誰がどの様に測ったのでしょう?2021年を振り返るに先立ち、今回は天空の旅にご案内致します。

金星探査と言えば、旧ソビエト連邦によって実施された『べネラ計画(1961~1983年)』です。金星の地表の温度を計測したのは、1970年に初めて金星への軟着陸(soft landing)に成功したべネラ 7号。大気圧はこの時の収集データを元に約90気圧と推定されました。アメリカの『パイオニア・ヴィーナス計画(1978年)』では、降下した探査機が地表に衝突(impact)後、信号は 1時間余りで途絶えてしまった一方で、旧ソ連は合計で 8回の軟着陸に成功。1975年に 9号機が地表面のモノクロ写真、1982年には13号機がカラー写真を撮影し、そのデータを地球に送り届けています。その後 日米欧によって行われたのは、金星軌道上からのレーダーや赤外線を使った観測ですから、実際に金星の地表まで到達して温度の測定に成功した国は、(私の調べた範囲では) 唯一ソビエトのみです。

金星がそれ程までに高温・高圧であるならば、CO2は液体と気体の特性を併せ持つ、『超臨界』状態にあると予想されます。『超臨界』二酸化炭素の色は無色透明で、徐々に温度を下げた『臨界点』近傍では、青色の光が拡散されて黄色~オレンジ色っぽく変化します。べネラ13号が撮影したとされるカラー写真(後に米科学者が再加工して画質を良くしたもの)に映し出される金星の黄色い大気は、二酸化炭素が『臨界点』近傍にあることを強く想像させるものです(二酸化炭素の『臨界点』は、温度 31.1℃・圧力 74気圧)。後から着色したようにも見えます。そもそも あれ程多くの太陽光が、金星の地表まで届くのでしょうか?

当時のソ連と言えば、秘密のベールに包まれた “悪の帝国”。現在の北朝鮮よりも情報が少なかった印象で、アメリカと軍拡競争を繰り広げた冷戦時代、ソ連の軍事パレードに登場した『全地球ミサイル(宇宙空間から全世界を射程圏内に収めることから命名)』は、力を誇示する為の  “張り子の虎” だったことが後に明らかになっています。では『べネラ計画』はどうだったのでしょう?データの捏造が全く無かったとは思えません。数多くのフェイクニュースが世の中を飛び交う今、共産圏の “遺産” を疑うことなく受け入れて、地球温暖化の議論が行われているのが私には不思議でならないのです。

※誤字脱字を修正しました。