社長ブログ

社長、水素で走る⑫

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。2019年も残り僅かとなりました。平成が終わり、台風が来て、『ONE TEAM』に沸きました。先日、年賀状の準備をしていて、今年に入ってから家族の揃った写真を一枚も撮っていないことに気付き、私自身も含め、今年一年 自己中心的だった自分達を、家族それぞれが反省。我が家の2019年は、『令和最初』の家族旅行で締め括る予定です(笑)。

さて、まだ社会実験的な要素の残る中で、社会貢献活動の一環として弊社がFCVを導入したのも、今年の5月のことです。モーターで加速するFCVの乗り心地は、静かなうえにウルトラ・スムーズ。好き嫌いは有るかも知れませんが、足回りはホンダ車らしく やや固めで、キビキビ走るという印象です。意外と重要なのが室内の『臭い』で、こちらは寧ろ、LPG仕様のタクシーに近いかも知れません。水素の価格は満タン5kgで 5,000円(消費税抜)。街乗りであれば、真夏にエアコンを効かせても 500kmは充分に走りますので、利用者には有り難い価格設定(販売側の採算が取れているかどうかは、知りません)。水素スタンドのスタッフの皆さんは優しいし、充填で長時間待たされことは一度もなく、これで二酸化炭素も大気汚染物質も一切出さない訳ですから、素晴らしいの一言です。とは言え、トラブルが全く無かった訳でもありません。私の経験した その唯一のトラブルについて、つい先日、2019年12月の朝礼でもお話しさせて頂きました。もし、共感頂けるようであれば、SNSの投稿に『いいね』下さい(笑)。

納車から約2ヶ月の7月末、真夏の炎天下で突然のトラブルに見舞われた際には、「大変な車を買ってしまった(形式的には、5年間のリース)」と、正直、後悔しました(苦笑)。会社から大宮方面に車を走らせていると、オレンジ色の警告灯が点灯。なにせ、タンクの中には水素を積んでいる、別名『水素自動車』。爆発でも起こしたら一大事と、すぐさま車を路肩に車を停め、FCV専門の営業担当者に直接連絡を入れると、「オレンジ色は、ディーラーの整備工場でのチェックを促す『お知らせ』です」とのことで、その後の点検の結果、水素漏れを検知するセンサーの不具合と判明。「水素が漏れていないことを証明できない状態のまま、運転を続けることを許さない」という、安全思想が反映されているということですね。直ちに車を止めなければならないような場合、例えば、燃料電池スタックの不具合が生じた時などは、赤色の警告灯が点くそうです。仮に発電が止まってしまっても、付属のバッテリーで凡そ100kmの走行が可能。その間に安全な場所に移動すれば、後はロードサービスが帰りの足とレッカー車を手配してくれるので、心配する必要はありません。なお、水素は少し漏れただけで大爆発というのは誤解だそうで、微小な漏れの場合は『プスッ、プスッ』と火が付くだけで、大規模な爆発事故の可能性を残すようであれば、FCVを世の中には送り出していないとのこと。確かにその通りかも知れませんね(苦笑)。水素ステーションの数が少ないなど、少々不便は感じますが、7月のセンサーの不具合以降、特に問題は起こっていません。

価格の高い燃料電池車、国と県から補助金を頂いている関係上、月別走行距離と月別平均燃費、月別充填回数、利用した水素スタンド名等、記録に残さなければなりません。私の場合は、コツコツ地道な作業が苦手ではないので、それほど苦にはなりませんけどね(笑)。11月以降、明らかに燃費が悪くなってきたのは気掛かりです。恐らくは、外気温が下がりヒーターを入れ始めたのが原因で、熱源としての内燃機関を持たない、EVやFCV共通の弱点のようです。スタッドレスタイヤへの履き替えも、燃費の悪化に影響しているかも知れません。高速や山道の走行は、まだ未体験。

2019年最後に、ちょっとイメージしてみて下さい。長く楽しかった夏休み、二学期開始を目前に、手を付けずに残された宿題の山。今更泣き言を言っても無駄で、勿論、最善の努力は必要ですが、計画的に物事を進めなかった自らの行いを反省し、冷静に現実を受け入れることも必要かも知れません。気候変動についても然り。遅れを取り戻すのに必死なのは理解しますが、国連の拙速なやり方に、私は感心できません。中国のような一党支配の国はいざ知らず、過大な負担に耐え切れなくなった人々は、極端な自国中心主義を訴えるポピュリズムに走るだけです。余り報道されませんが、今既に一部の国の分担金の支払いが滞り、国連の台所は火の車の自転車操業。このままでは、気候変動に歯止めを掛ける為の枠組みのみならず、世界の平和を守るシステムまでも、一気に崩壊し兼ねません。全員に参加を求めるなら70点でも合格、120点を要求しては駄目なのです。それでも防げないような気候変動は甘受し、その分、今後起こり得る自然災害に対する備えに力を注ぐ方が、よっぽど賢い選択であると個人的には感じています。国連には、国際社会を『ONE TEAM』に束ねるだけの『寛容さ』を、是非、取り戻してもらいたいです。

それでは、皆さん、良いお年をお迎え下さい。

社長、水素で走る⑪

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。東京でもメダルの期待される、バドミントンは今や日本のお家芸。2015年の学生ロボットコンテスト(通称ロボコン)では、そのバドミントンが競技種目して採用されました。見どころは、カメラ・センサー・通信等を組み合わせ、高度な自動制御を取り入れたハイテク・チームと、人間が手動で操縦するローテク・チームの戦いです。結果はと言うと、操縦者が特訓の成果を発揮し、気合いで数多くのシャトルを拾った、手動ロボットの早稲田大学チームが初優勝。インドネシアで行われる世界大会に進むことになりました。高度な自動制御ロボット同士、豊橋技術科学大学vs名古屋工業大の親善試合の様子は、YOU TUBEでご覧頂けます。

さて、その2年後の2017年の年末、私、先進機能が満載の『ロボット掃除機』を購入し、現在も愛用しております。当時としては最新機種で、レーザー・赤外線・超音波の3種類のセンサーで障害物を検知、更に上向きに付いているカメラで天井を撮影しながら自分の位置を認識、その情報を元にAIが部屋の間取りを学習し、次の掃除に活用するという優れものです。スマホによる遠隔操作も可能。2002年 Rの登場以降、この手の家電製品は確実に進化しています。お値段もそれなりにするので、妻に内緒で買ったら後で怒られました(苦笑)。という訳で今回は、2018年4月の朝礼で取り上げた、『ロボット掃除機』のエピソードからお伝えします。

実際に使ってみると、大したものだと感心します。1回の充電で動ける量が限られている中で、如何に部屋を掃除するか、よく考えられています。ハウスダストを検知するセンサーも付いていて、汚れの酷いエリアを重点的に清掃。また、前回掃除したエリアをAIが記憶していて、残りのエリアはその次に掃除します。問題点も見つかりました。購入して先ずやらなければならない事が、部屋の『模様替え』。3種類のセンサーを以ってしても検知し辛い障害物があって、それについては、人間の方が『ロボット掃除機』に合わせるしかありません。私が使っていて最も気になっているのは、コンセントから床を這う電気の配線コードに、毎回同じように引っ掛かって動けなくなってしまう点。『ロボット掃除機』を使用するに当たって、事前に養生しなければならないポイントなのでしょうが、生活の多くを電気に頼り、あちこちにタコ足配線のある一般家庭に於いて、すべて撤去というのは現実的ではありません。あとは、作り付けの家具の下に、潜り込んでしまうのも難点ですね。現在はAIが経験を積んだからでしょうか、それとも私が教訓から学んだからでしょうか、途中で立ち往生することも随分少なくなりましたが、『ロボット掃除機』のボディー表面は、既に傷だらけです(苦笑)。

自動車産業に於いて、自動運転は注目の分野。高齢化の進む日本に於いて、『アクセルとブレーキの踏み間違い』による痛ましい事故を防ぐ、有力な手段の一つとして期待している方も、多いかも知れません。AI内臓の『ロボット掃除機』は、全く次元の違う話なのかも知れませんが、使ってみて私の言えることは、「AIやセンサー技術は優れた道具ではあるけれど、問題も多く万能ではない」ということ。自動車は『走る凶器』です。公道上でAIに、失敗から学習するチャンスを与えて良いとは思えませんし、入り組んだ路地の多い日本の道路事情、車に合わせてインフラの『模様替え』をするだけの余裕が、この国に有るとも思えません。私たちが今 本当に欲しいのは、交通の安心・安全。それを与えてくれるのが、最先端技術である必要はないのです。

2018年12月現在、自動運転関連の死亡事故の報告事例は、アメリカで3件。多いか少ないか、皆さんは どうお考えでしょう?

社長、水素で走る⑩

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。2009年7月から運用を開始したF.DB(不具合情報データベース)は、社内外問わず、発生した品質不具合案件を記録に残し、その傾向を分析、問題を解決する為の重要なツールです。中でも、お客さまからのクレーム案件に関しては、詳細の内容について、管理職の集まる月例会議で情報共有、再発防止を徹底しています。また、10年間蓄積したデータ分析の下、現在、取扱説明書・カタログ等の全面改訂作業中。製品の選定、取扱いの上で、お客様にご注意頂きたい点も、数多く盛り込ませて頂きます。新しい物が出来上がりましたら、WEB上で入手出来るように致しますので、皆さま、是非ご活用下さい。

そのF.DBの運用ルールの原則は、『罪を憎んで人を憎まず』。個人名はデータに残しません。ところがどっこい、スタート当初、社内検査で弾かれる、品質不良の集計結果に目を向けると、原因として『人』が占める割合の、まぁ高いこと。製造現場の管理職の皆さんが、導入に非常に積極的だった理由が分かりました(苦笑)。今日のお話は、総務の仕事として、長年、安全運転管理者講習に参加していた私が、2009年10月の朝礼で取り上げた、『認知科学的アプローチによる、ヒューマン・エラー対策』。もし、説得力有りと感じて頂けたら、SNSの投稿に『いいね』下さい(笑)。

自動車の運転は、『認知・判断・操作』で成り立っていると言われます。例えば、前方の信号が赤に変わった場面でいえば、まず信号が赤に変わったことを認めます。これが『認知』。次に、赤は『止まれ』のサインだから停止しようと考える、これが『判断』。そして、停止するためにブレーキを踏む、これが『操作』です。この一連の運転行動が的確に行われず、何処かでミスが生じると、事故を起こす危険性が大きくなります。赤信号を見落とす(認知ミス)、赤信号は認めたものの、停止せずに交差点を走り抜けようと考える(判断ミス)、停止しようとしてブレーキを踏むつもりが、誤ってアクセルを踏む(操作ミス)などです。したがって事故を防止するためには、『認知・判断・操作』に係るミスを、出来るだけ抑えることが重要なポイントです。

では、うっかりミスが多い人が、交通事故多発者かと言いますと、必ずしもそうではないそうです。事故を繰り返し起こすのは、ルール違反の常習者。責めるべきは、安全意識がない、つまりルールを守ることが出来ず、他の交通利用者の迷惑について配慮する気もない人だそうです。弊社に置き換えれば、お客様を第一に考えず、お客様と約束した品質・納期に対する意識の低い人、自己中心的で共に働くチームメートの迷惑について配慮の出来ない人。過ちを犯しても反省の出来ない人です。そして、そんな人間がいつか必ず大きなクレームを起こす。経営理念にもあります。私達はプロなのです。プロとしてのプライドとは、絶えずお客様を意識して仕事をすることです。そしてチームとして闘う気持ちとは、共に闘う仲間を思いやる、優しさなのです。

それから10年。日本社会の高齢化は進行し、状況は一転。「『あおり運転』は故意だから厳罰に、『アクセルとブレーキの踏み間違い』はヒューマン・エラーだから、寛大な措置を」などと、悠長なことを言っていられる時代でも なくなりました。続きは次回。

社長、水素で走る⑨

こんにちは。㈱昭和技研工業の岩井です。COP25(国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議)は、会場をスペインのマドリードに移し、本日 12月2日(月)からスタート。当初開催予定の南米チリでは、反政府デモが激化し、大きな国際会議を行うだけの安全確保は難しいと判断。地下鉄運賃の4%値上げ発表を切っ掛けに、国民の不平・不満が爆発したのだとか。二酸化炭素排出削減の切り札として、『炭素税』導入が必要とのご意見も有りますが、最終的に負担するのは、結局、我々 一般消費者です。日本で暴動は起きないまでも、総論賛成各論反対、『炭素税』を黙って受け入れてくれる人って、世界にどれくらい いるんでしょう。「どうせやるなら、楽しくやりたい」と考えるのが人情。そこで今回は、過去に朝礼で取り上げた話題ではなく、何本かブログを書いているうちに、最近 私がひらめいた『Go Green』な近未来空想企業、夢のサクセスストーリーです。もし、共感頂けるようであれば、SNSの投稿に『いいね』下さい(笑)。

〇 A社プレスリリース:大気や海洋の二酸化炭素濃度が上昇する世界では、二酸化炭素を制する者が世界を制すると言っても、過言ではありません。そこで弊社が開発したのが、環境に優しい植物由来の天然素材を配合したヘアカラー。キューティクルに浸透し、艶のあるしなやかな、美しい『緑髪』を実現します。1ヶ月に一回サッと塗って、後はシャワーで洗い流すだけでOK。大気中の有効成分CO2から作り出される、100%オーガニックな栄養素が毛髪の隅々まで行き渡り、髪の毛をのハリを保つだけでなく、抜け毛を防ぐ効果も期待できます。1日一回、専用のシャンプーとトリートメントをご利用頂くと、美しい『緑髪』の状態を、より長く楽しむことが可能です。弊社製品は全て、枠組み条約締約国会議の認証マークを取得。お買い上げ金額の35%分は お客様にポイント還元、ガソリンスタンドにお寄りの際、『炭素税』のお支払いにご利用頂けます。更に、初回お買い上げのお客さまには、専用のシャンプーとトリートメント1本ずつお付けして、料金据え置き。お値段はなんとなんと、送料込みでたったの ×××円。さあ、皆さんも今日から、美しい『緑髪』でストップ・ザ・地球温暖化!

〇 A社開発担当者談:葉緑体を取り込んで、光合成をする特殊能力を身に付けた生物が存在します。人類も光合成できるのが理想とは考えましたが、人間の遺伝子をいじくると、生命倫理の問題が生じるので、断念しました。全身緑色となると、映画の『アバター』みたいで、ちょっと気味が悪いですしね。また、食事を摂るということは、生きる為の義務ではなく、人間の根源的な欲求でもある訳ですから、やっぱり楽しみたいじゃないですか。光合成で自給自足というアイディアも、この時点で選択肢から外しました。そこで思い付いたのが、人間の毛髪に共生する植物性プランクトンの開発。遺伝子編集技術を利用して、頭の上で光合成、二酸化炭素を吸収する、生きたヘアカラーを作り出そうと考えた訳です。人毛という乾燥した環境に、水生単細胞生物を適応させるのには、苦労しましたよ。何せ、頭皮の分泌する汗から生じる微量の水蒸気しか、頼れるものは有りませんでしたからね。現在は この技術を、衣類用繊維の染料として応用できないか、研究を続けています。特許ですか?無償で公開するって、会社の方針みたいです。社長に聞いてください。

〇 A社社長のコメント:開発担当から、「技術的に可能になった」との一報を受けた時は、胸が躍りましたよ。これで地球は救われるかも知れないって。後はこの技術を、ただの学術研究に終わらせないこと、産業として成立させることが、我々に残された使命でした。これで行けると確信したのは、専用のシャンプーとトリートメントの開発に目途が付いた時。消費者の皆さんに、生活の必需品として定期的にご購入頂ければ、経営上も計算が立ちますから(笑)。『緑髪』世界的メガヒットの大きな要因は、海外アニメファンの若者たちから、想定外のご支持を頂いたことでしょうか。日本のコンテンツの影響力は、本当に大きいですね。そこで本来の趣旨には反するんですが、彼らのご要望にお応えして『黄髪』と『赤髪』も開発、近々、発売を開始する予定です。光合成の効率が落ちるんで、ポイントの還元率は下がりますが。そうそう、それから何と言っても、炭素税減免の認証制度設立に日本政府が動いてくれたのは、非常に大きかったですね。結果、消費者の皆さんの懐には優しいですし、旧来型の産業との絆を強めることも出来ました。最後まで不安要素として残された点、例の局所的酸素濃度上昇に伴う、所謂『頭髪着火問題』については、発売当初より注意を喚起していましたが、まさか『頭上喫煙防止法』の歴史的な可決成立に繋がる、一大ムーブメントを巻き起こすとは思ってもいませんでしたよ(笑)。発売以降、マラソンの世界記録は10分短縮。家族揃ってのエベレスト無酸素登頂も、珍しくない時代になりました。

・・・以上、岩井社長の妄想でした(苦笑)。『腸内フローラ』とか『常在菌』とか、最近、耳にすることが増えたじゃないですか。実際、人類も既に、多くの微生物と共生関係にある訳で、100%可能性のない話でもないと思うんです。葉緑体を持ち光合成をする能力のある『Go Green』な生物(≒植物や植物性プランクトン)と良い関係が築けて初めて、人類の未来は開けて来るに違いありません。今回の締約国会議では、『CO2 排出量取引』も議題に上るようですが、環境問題を金儲けのネタにすり替える恥ずかしい議論だけは、絶対に止めて頂きたいですね。多くの中高生が注目してますから!!